日本のオーディオ、これから(韓国、中国は……・その10)
AliExpressが中国のオーディオ事情をどれだけ反映しているのかは、
はっきりとしたところはわからないし、特に調べようともしていない。
それでもAliExpressの雑多さは、
ずっと以前の日本のオーディオと同じか、それに近い。
オーディオの世界に雑多さはふさわしくない、とか、
雑多なもの(世界)は嫌いだ、という人がいてもいい。
でも、私は、その雑多さがなんとも面白く感じる。
そして、少しばかりの懐しさも感じている。
「五味オーディオ教室」で出逢ってから、さまざまなオーディオ雑誌を手に取った。
無線と実験、ラジオ技術、電波科学、初歩のラジオなども読んだ。
記事もだが、それと同じくらいに広告が楽しかった。
この時代の、これらの技術系のオーディオ雑誌には、
ステレオサウンドには載らない広告がいっぱいあった。
そこに掲載されていた製品、キット、部品などは、
いまのAliExpressの世界そのままといえる。
比較すれば、AliExpreeのほうが数も多いし、雑多感も濃い。
当時の私は、ステレオサウンドを読みながら、
予算がこれだけあれば、こういう組合せ、もっと予算があれば、こんな組合せ──と、
電卓を片手にHI-FI STEREO GUIDEとにらめっこ。
そんな感じで妄想組合せの楽しんでいた。
妄想だから現実的な組合せだけでなく、予算の制限なしの組合せもつくっていた。
そういう組合せとは大きく違う組合せを、無線と実験などに載っている広告をみながらつくっていた。
そこに載っている広告には、
パワーアンプのプリント基板セットやトーンコントロールのプリント基板セットなど、
そういうものがいくつもあった。
いまのAliExpressで売っているのと同じ世界である。
安かった。
それらの基板を組み合わせて、アンプを作るならば……、そんな妄想をやっていた。
そんな中学時代をおくっていたから、いまAliExpressを眺めていると、
ほぼ同じことを、妄想組合せを楽しんでいるわけである。