Archive for category ワイドレンジ

Date: 7月 30th, 2026
Cate: ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その36)

ARU付きエンクロージュアは、二年間ほどだったが、所有していたことがある。いわゆるシャーウッド型エンクロージュアで、ずんぐりむっくりしたプロポーションで、フロントバッフルが傾斜している。

ヤフオク!で落札したモノで、確か五千円ほどだった。かなり以前に作られたモノなのだろうが、造りはしっかりとしていた。
大工さんに頼んで製作した、と説明文にはあった。造りの良さは、そのことを実感させてくれたほどだった。

つまりエンクロージュア本体は、いわゆるオリジナルではない。けれどリアバッフルに取り付けられていたARUは、グッドマン製のオリジナルだった。

このエンクロージュアには、友人から少しの間借りたフルレンジユニットを取り付けて鳴らした。
そのスピーカーユニットとエンクロージュア(ARU)との相性がどうだったのかを探るほどは聴いていない。感触がとりあえず掴めるぐらいでしかなかったが、いま思えばARUだけでも取り外して取っておけばよかった、と少し後悔している。

部屋の大きさは変らないのに、スピーカーシステムの数が増えていくのだから、処分している。

私が持っていたシャーウッド型エンクロージュアは、30cm口径用だったが、これを38cm用にひと回り以上大きくする。全体のイメージとしては、JBLのL200のようにしたい。
その上でARU。

アルテックの604-8Gがうまく鳴ってくれるという確信も保障もないが、こういう感じのエンクロージュアもいいな、と思っている。

Date: 7月 23rd, 2026
Cate: ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その35)

アルテックの604-8Gをおさめるエンクロージュアは、どんなタイプがいいのか。

アルテックが出しているエンクロージュアこそが最高と、すんなり思えれば楽といえばそうなのだが、そうではない、という声も私の中からはわいてくる。

では、どんなエンクロージュアを求めているのか。これがわりとフラフラしている。
以前は、ステレオサウンド 51号で記事となっているジェンセンのエンクロージュアが、いいように思っていた。

いまもいいように思っているが、同時に平面バッフルへのおもいも捨てきれないし、他にもいくつか考えている案がある。

同じ同軸型ユニットのタンノイは、絶対にフロントショートホーン付きエンクロージュアでなければ、と信じて、コーネッタを鳴らしているわけだが、アルテックの604シリーズとなると、フロントショートホーンが合うとは思えない。

フロントショートホーンのエンクロージュアにおさめた604の音は聴いたことがない。もしかするといい結果が得られるのかもしれないのだが、私の直感は、いい結果は得られない、と囁く。

何がいいんだろうか、とあれこれ考えるのが楽しいんであって、いずれ何らかのエンクロージュアにおさめたとしても、あのエンクロージュアにしたら──、と考え続けるだろう。

ここ数日考えているのは、グッドマンのARUである。604-8GをARU付きエンクロージュアにおさめたら、どうなるのか。

Date: 4月 11th, 2026
Cate: ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その34)

(その33)で、アルテックの604-8Gを中心としたスピーカーシステムで、
ウーファーにあえて604-8Gの15インチよりも小口径のウーファーを持って組み合わせるのも面白いかもしれない、と書いた。

以前、別項で書いているように世の中には同じことを考える人が三人はいる、そうだ。

今日、facebookを見ていたら、ジャーマン・フィジックスがようやくGaudiの次期モデルを完成させていることを知った。

二年ほど前から、Gaudi MKIIIは、ずっとcoming soonのままだった。
ずいぶんと時間をかけて開発しているな、かなり大きな変化があるのかも、と完成するのが楽しみだった。

Gaudi MKIIIは、ウーファーセクションが別エンクロージュアになっている。
     *
This picture shows one of the bass sections of the new German Physiks Gaudi Mk III omnidirectional loudspeakers being prepared for shipping. It uses three separate, sealed cabinets. In the centre is the woofer cabinet. This is fitted with a forward facing 15-inch driver and covers the range from 60Hz to 200Hz.

Above and below this, are the sub-woofer cabinets. Each is fitted with four 10-inch drivers and these cover the frequency range from 60Hz down to 18Hz. The drivers are arranged two on each side of each cabinet, which cancels out their reaction forces.
     *
Gaudi MKIIIのウーファーに関しては、上記のように書かれていた。

三つのブロックを積み重ねた構成で、中心に15インチ口径ウーファーがある。
これを挟み込む上下のブロックには、10インチ口径ウーファーが左右に二発ずつ搭載されている。

15インチ口径ウーファーが受け持つのは60Hzから200Hz、
10インチ口径ウーファー(四発)が受け持つのは60Hzから下の帯域、18Hzまでと公表されている。

15インチ口径ウーファーがミッドバス的に使われている。同じことを考える人が、やはりいる。

Gaudi MKIIIを聴く機会は、まずないだろう。
それでも同じことを考える人がいて、製品として出してきたのを知ると、心強いし、
かなり真剣にスピーカーユニット選定を始めたい。

Date: 3月 21st, 2026
Cate: ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その33)

ここでは主にアルテックの604-8Gを中心としたワイドレンジ再生を目指したスピーカーの構成について書いている。

JBLの4343の成功に刺激されたのか、アルテックからも4ウェイのシステム、6041が登場した。

604-8Gを中心にサブウーファーとトゥイーターを加えている。急拵えの印象を残したまま登場したかのように感じたものの、
音は聴いてみたいと思わせてくれたが、もうこの頃のアルテックはJBLのライバル的位置からはかなり後退しつつあったこともあり、
聴くことはできなかっただけでなく、個人宅でもお目にかかったことがない。

604-8Gを手に入れて、あれこれシステムの構成を考えていると、6041の存在を完全に忘れてしまうことはできなく、
6041ならぬ6043(4341が4343になったように)という型番を勝手につけて考えてしまう。

サイズを全く無視してしまえば、追加するウーファーの口径は18インチ(ダブル使用)、さらには24インチあたりを考えるが、
あまりにも大きくなりすぎるので、いまの私の住宅環境では無理な構想でしかない。

現実的なサイズとなると、15インチ口径でf0が604-8Gよりも低いユニットとの組合せかと、なる。

でも昨秋ごろから、何も604-8Gと同口径か大口径のユニットを持ってくることにとらわれず、
12インチ、10インチ口径のユニットを複数使用するのもいい結果に結びつくのではないか、と考えを改めた。

604-8Gは古い設計のスピーカーユニット。そこに新しい設計のスピーカーユニットを組み合わせる。そこでは口径について捉われることもないのではないか。

どんなユニット(ウーファー)と組み合わせらかによって、得られる結果は違ってくるのはわかっている。
必ずしもうまくいくという保証は、どこにもないが、やってみる価値はあると感じている。

Date: 8月 31st, 2025
Cate: ワイドレンジ

ワイドレンジ考(その87)

(その85)、(その86)で、タンノイのKingdomとJBLの4350について触れている。

いまタンノイにもJBLにも、この両機種と同格のスピーカーシステムがない。
それぞれにフラッグシップモデルは存在している。
それらのスピーカーが、Kingdomや4350と比較して、音についてあれこれ書きたいのではなく、
これらのスピーカーを見た瞬間、
やってくれたなタンノイ、やってくれたなJBL、
そんな感情が湧いてくるのかこないのか、そのことだけである。

製品の規模は同じか、より上であっても、
全体の印象としておとなしくなっているというか、
少なくとも「やってくれたな」とワクワクする面は薄れてきている。

これも世代からくるものかもしれない。
4350、Kingdomを知らない若い世代は、
私があまりワクワクしないスピーカーにワクワクしていてもおかしくない。

私にとって「やってくれたな」は、どこか血湧き肉躍る──、
そこへとつながっているわけで、
そんなことを求めない人には、私とは違ったワクワクや「やってくれたな」があるだけのこと。

Date: 6月 24th, 2025
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その32)

アルテックの604-8Gを中心としたワイドレンジなシステムの構築は、
おそらくなのだが、技術的な完成度を高めていこうとすればするほど、
604-8Gの限界もはっきりしてくるはず。

同軸型ユニットという構造、そして中高域をホーン型としたことによる制約が、
技術的に詰めれば詰めるほど、どうしても解消できない問題として残る。

そこを面白いと感じられるか、
限界が見えているから、といってその程度のモノと思ってしまうのか。

そういうところがあるから、アルテックの同軸型ユニットはスピーカーというモノ、
スピーカーシステムというモノを理解するのにつながっていると、私は思っている。

スピーカーというカラクリの面白さを、どこに見出すのか。こここそが肝心な一点のはずだ。

Date: 11月 24th, 2024
Cate: 4343, JBL, ワイドレンジ

ワイドレンジ考(JBL 4343を聴いて思ったこと・その1)

11月のaudio wednesdayでの久しぶりの4343。
誰かが鳴らした4343の音ではなく、自分で鳴らした4343の音を聴いて、
改めてワイドレンジのことを考えてもいた。

4ウェイ構成の4343は、当時においてもワイドレンジを目指したスピーカーシステムだったが、
いま聴いても、これは軟弱なワイドレンジのことではなく、
しっかりとしたワイドレンジの音だと感じていた。

この時代のJBLの4ウェイ構成を、いまだ誤解している人がいる。
ワイドレンジとはなんなのかについては、
すでに書いているから詳しく繰り返さないが、
単に周波数レスポンスのことではなく、
個々のユニットのパワーリニアリティを含めてのダイナミックレンジ、
そして指向特性の均一性を含めてのことである。

何も4343が、4ウェイとして理想的な形を実現していた──、
とまではいわないが、ワイドレンジを上っ面だけで語り、
誤解している人が、いまでもいることは言っておきたい。

Date: 4月 9th, 2024
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その31)

ここでは、
アルテックの604-8Gを中心としたワイドレンジシステムの構築について書いている。
ウーファーについて書いている。

トゥイーターは、というと、エラックの4PI PLUS.2で決りだな、と、
4月3日のaudio wednesdayの音を思い出しながら、いま書いている。

4PI PLUS.2が終のスピーカーとしてやって来る前から、
604-8Gには4PI PLUS.2が合う、という確信めいたものはあった。

一般的にいわれている(おもわれている)ような604-8Gの音を、私は求めていない。
それだからこそ4PI PLUS.2だ、と目星はつけていた。

同じ同軸型ユニットでも、タンノイよりもアルテックにつけて鳴らしてみたい。
いままでは604-8Gをなんらかのエンクロージュアにおさめて、
その上に4PI PLUS.2を置くことを想像していたけれど、
604-8Gを平面バッフルに取りつけるというのが、大きくなってきている。

今回の会のような置き方でもいけるという手応えが、そうさせている。

それにエンクロージュアの上に4PI PLUS.2というかっこうは、
604-8Gのスタイルとうまく一致しないような気もしている。
単に見た目の問題だけなのだが、604-8Gの精悍な正面をみながら、
その上にきのこスタイルの4PI PLUS.2だと、ちぐはぐでしかない。

サランネットをつければ604-8Gは見えなくなるのだから、
それでいいじゃないか、といわれそうだが、サランネットをつければ、
それですべて解決するようなことだろうか。

サランネットで隠れていようと、
サランネット越しに604-8Gが見えている。
そのくらい焼きついているのだから、サランネットはもう関係なくなる。

Date: 10月 10th, 2023
Cate: ワイドレンジ

JBL 2405の力量(その1へのコメントへの返信)

四日前に(その1)へのコメントがあった。

七年前、四谷三丁目の喫茶茶会記で行っていたaudio wednesdayでのスピーカーに関しての質問だ。
この時は、アルテックのドライバーが不調ということで、私のJBLの2441と2397を持参した。
トゥイーターは、デザイナーの坂野さんから2405を借りての3ウェイ構成である。

ウーファーはアルテックの416-8Cで、これら三つのユニットのなかでは一番出力音圧レベルが低い。
コメント(質問)には、
《2441と416のレベル調整は何か入っているように思いますが》とあるが、
この時、2441へはアッテネーターの類は使用していない。

ではどうしたかというと、これも別項で簡単に触れているように、
マークレビンソンのLNP2の3バンドのトーンコントロールを使って、
なんとかバランスをとっている。

なので完璧なバランスというわけではないけれど、破綻をきたしているバランスではなかった。
バランス重視であれば、アッテネーターを作り、細かく調整していくのだけれど、
この時は時間の余裕もなかったし、2441の実力をストレートに発揮したかったということもあって、
あえてアッテネーターは使わなかった。

こういう方法をすすめることはしない。
コメントにもあるように、マルチアンプのほうが簡単である。

Date: 4月 22nd, 2022
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その30)

1970年代の終りごろといえば、JBLの4343が爆発的に売れていたころである。
4343に憧れていた私にとって、それは素直にすごいことと受け止めていたけれど、
いまこうやって当時のことをふり返ると、
4343の人気が凄すぎて、その陰に隠れてしまった感のある、
いくつかの特徴的なスピーカーシステムを聴く機会が、
かわりに失われていた──、そういえるような気がしてならない。

当時、東京に住んでいれば、それほどでもなかったのかもしれないが、
田舎暮しの高校生にとっては、
聴きたいスピーカーがあるからといって、都会に出て行くこともできなかった。

ゆえに聴きたいスピーカーシステムはいくつもあっても、
すべてが聴けたわけではなく、聴けたスピーカーの方が少ない。

Concert Master VIは、どんな音がしたのだろうか。

聴けなかったスピーカーシステムがけっこうあると同時に、
ステレオサウンドで働いたおかげで、聴けたスピーカーシステムも多い。

セレッションのSystem 6000をじっくり聴けたことは、
いまふりかえってみても幸運だった、といえる。

しかも当時はSL600を鳴らしていたころでもあったのだから、
よけいに関心は強かったし、いろいろかんがえるところは多かった。

SL600はSL700へとなっていったが、
System 7000は残念なことに登場しなかった。

日本だけでなく、他の国でもSystem 6000はあまり売れなかったのだろうか。
それでもいい。

いまSystem 6000の可能性を捉え直してみると、
さほど大きくない平面バッフルにとりつけた604-8Gに合うサブウーファーは、
こういうところにヒントがあると思ってしまう。

Date: 4月 22nd, 2022
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その29)

ステレオサウンド 48号の特集はアナログプレーヤーだった。
しかもブラインドフォールドテストだった。

第二特集は、サブウーファーだった。
48号のころ(1978年ごろ)は、
サブウーファー新製品として各社から登場しはじめたころでもあった。

52号から連載が始まったスーパーマニア。
一回目は郡山の3Dクラブだった。

いまでこそ3Dといえば映像のほうなのだが、当時は違っていて、
いまでいうセンターウーファー方式を3Dといっていた。

この時代は、ハートレーのウーファーの他に、
エレクトロボイスの30Wも現行製品だったし、
フォステクスから80cm口径のウーファーが新製品として出てきた。

さらにダイヤトーンからは160cm口径の大型ウーファーのプロトタイプが出て、
ステレオサウンドでも取り上げている。

1970年代の終りごろはそういう時代でもあった。
そういう時代を見てきているから、
大口径ウーファーに対してのアレルギーみたいなものはない。

当時ハートレーの輸入元はシュリロ貿易だった。
シュリロから、224HSを搭載したサブウーファーも出てきた。

ハートレー・ブランドで売られていたが、
密閉型エンクロージュアはハートレー指定による国産だった。

このサブウーファー(型番はSub Woofer System)は密閉箱だったが、
当時のハートレーのスピーカーシステム、Concert Master VIは、
224HS搭載なのはサブウーファーと同じなのだが、
エンクロージュアは後面開放型である。

ダリのSkyline 2000は知人が気にいって購入していたから、
かなりの時間を聴く機会があった。

ハートレーは実機を見たことはあるが、音は聴いていない。

Date: 4月 19th, 2022
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その28・余談)

(その28)へのコメントがfacebookであった。

そこには、妄想ではなく猛走とあった。
いわれてみて、たしかに猛走でもあるな、と思った。

妄想(猛走)アクセラレーターと、今後は書いていこう。

Date: 4月 19th, 2022
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その28)

アルテックの604-8Gを中心としてワイドレンジ化をねらったシステム。
システムの規模をまったく考慮しないのであれば──、と考えたプランもある。

604-8Gは15インチ口径の同軸型ユニットだから、
その下にもってくるウーファーのサイズとなると、
同じ15インチのダブルではつり合わない。

私の感覚では18インチのダブルか、その上の24インチ口径となる。
ハートレーのウーファーがある。
224HSが24インチ口径で、ぴったりである。

224HSは、マーク・レヴィンソンがHQDシステムに採用していた。
西海岸のアルテック、東海岸のハートレー、
組合せとしてうまくいくのかどうかはやってみないことにはわからないのだが、
クラシックを聴きたい私にとっては、決して悪くない結果を生むだろう、という期待はある。

けれど、このシステムの規模は私には大きすぎる。
ならば、どんなシステムを構想できるのか。

604-8Gをさほど大きくない平面バッフルに取り付けて、ということであれば、
まず私の頭に浮んだのは、ダリのSkyline 2000である。

このころのダリは、いまのダリとはずいぶん違うスピーカーシステムをつくっていた。
スピーカーシステムの完成度としては、いまのダリの製品のほうが上だろうが、
スピーカーシステムの魅力は、Skyline 2000の方が私にとってはずっと上である。

こんなふうに書いていると、ダリは少しばかりB&Wに似ているのかもしれない。
B&Wはずっと以前は、いろんなタイプのスピーカーシステムを手がけていた。

あのころといまのB&Wとでは、完成度の高いシステムを実現しているのは、
いまのB&Wである。誰もがそういうはずだ。

でも完成度の高さばかりがスピーカーの魅力なわけではない。
このことに触れはじめると、大きく脱線していくのではこのへんにしておくが、
ダリのSkyline 2000後面開放型のエンクロージュアのスピーカーシステムだった。

Date: 3月 26th, 2022
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ
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同軸型ユニットの選択(その27)

ステレオサウンド 50号のマイ・ハンディクラフト、
別冊「HIGH-TECHNIC SERIES 4」、
同じく別冊「SOUND SPACE 音のある住空間をめぐる52の提案」、
これらの記事を何度もくり返し読んできた私にとっては、
アルテックの604-8Gと平面バッフルとの組合せが鳴らす音と響きは、
私自身が心から求める世界とは違っていることはわかっていても、
思いっきり鳴らしてみたい世界でもある。

でるだけ大きな面積の平面バッフルこそが、
こういう音を求めるには最良の結果をもたらすことぐらいはわかっていも、
現実に5.5畳ほどのワンルームに、1.8m×0.9mの平面バッフルを無理矢理入れて、
シーメンスのコアキシャルを取り付けて聴いていた私は、
いかにも大きすぎることを感じていた。

私の感覚からすれば、自分の身長よりも高いスピーカーはあまり使いたくない。
それは広いリスニングルームがあったとしてもだ。

このへんのことは、人それぞれの感覚があってのことだから、
どんなに背の高いスピーカーであっても、音が良ければまったく気にならない、
そういう人もいれば、私のような人もいる。

さほど大きくない平面バッフルに604-8Gを取り付けて、
サブウーファーはエンクロージュアにおさめる。

こんな構想を考えながら思い出しているのは、
ダルクィストのスピーカーシステムDQ10のことだ。

いまではDQ10といっても、どんなスピーカー?
ダルクィスト? という人のほうが多数だろう。

あえてQUADのESLのアピアランスに似せたDQ10は、
私は聴く機会はなかったけれど、
ハイエンドスピーカーの流れに連なっていく音だったのではないだろうか。

DQ10はウーファーだけがエンクロージュアに収まっていた。
他のユニットは最小限のバッフルに取り付けられていた。

サランネットを外した姿、いわば裸のDQ10はバラックのようでもあった。

Date: 3月 25th, 2022
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その26)

604-8Gのシステム構想をあれこれ練るのは楽しい。
どんなシステムにするのかは、どんなエンクロージュアにするのかに大きくかかっている。

まず浮ぶのは、
ステレオサウンド 51号のマイ・ハンディクラフトに登場した
ジェンセンのバス・ウルトラフレックス型である。

604-8Gだけを鳴らすのであれば、このエンクロージュアがいい、といまでも思っている。
けれど、ここで考えているのは、6041を超えるシステムであり、
ワイドレンジを狙ったものであるから、トゥイーターとウーファーを足すことが前提となる。

バス・ウルトラフレックス型エンクロージュアに604-8Gをおさめ、
サブウーファーは別エンクロージュアにする、
トゥイーターはバス・ウルトラフレックス型エンクロージュアの上にのっける。

かなりおおがかりになるけれど、失敗することはあまりない、ともいえる。
けれど、ここで大事なのは6041を超えるということであり、
一つのスピーカーシステムとしてまとめることである。

そうなるとエンクロージュアをどうするのかが、とても難しく重要となってくる。
6041のエンクロージュアは内部で二分割されていた。
サブウーファーと604-8Gのクロスオーバー周波数は350Hzである。

個人的には604-8Gはもう少し下の帯域まで使いたい(鳴らしたい)。
そのためには604-8Gのバックキャビティはどのくらいにするのか。

それよりも604-8Gをとにかく朗々と鳴らしたい、という欲求が頭を擡げてくる。
バス・ウルトラフレックス型エンクロージュアという選択も、
そのことがあってのものだ。

となると平面バッフルに604-8Gと取り付ける、という方法を考えることになる。