Date: 3月 20th, 2022
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ
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同軸型ユニットの選択(その25)

アルテックの6041は、アルテックが自発的に開発したシステムとは、
当時高校生だった私でも、素直にそうとは思えなかった。

JBLの4343をそうとうに意識したスピーカーシステムだったし、
日本の輸入元の意向がそうとうに取り入れられたような気もしていた。

実際にそうだった、ようだ。
ステレオサウンドで働くようになって、
編集部の先輩から、そう聞いている。
6041のトゥイーターが日本製だということも、その時聞いている。

だからといって、私にとっての6041の魅力が半減したわけではなかった。
急拵えだったのだろう、おそらくは。

それでも瀬川先生が、あれだけ評価されているのだから、
じっくりとアルテックが本腰をいれて改良モデルを発表していけば、
ロングセラーモデルになったのかもしれない。

当時、アルテックの輸入元とピラミッドの輸入元は同じだった。
だからこそ6041にピラミッドのT1を──、ということを考えてしまうわけだ。

T1はペアで40万円ほどする非常に高価なトゥイーターだった。
6041に搭載されるには、高価すぎるトゥイーターではあった。
それでもステレオサウンド別冊「HIGH-TECHNIC SERIES 3」を読みふけっていた私には、
6041+T1の音は、素晴らしく魅力的なのでは、と思い描かせるだけの力量があったはずだ。

「HIGH-TECHNIC SERIES 3」では、4343の2405のかわりに、
T1にした音について、井上卓也、黒田恭一、瀬川冬樹の三氏が語られている。

T1の音は、JBLよりも明らかにアルテック寄りの音だったはずだ。
この高価なリボン型トゥイーターを聴く機会はなかった。

こんなおもいが、あの当時からある。
なので、いま604-8Gにトゥイーターを足すのであれば、
T1と同じリボン型のエラックの4PI PLUS.2が第一候補にくる。

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