Archive for category iPod

Date: 5月 18th, 2021
Cate: iPod

20年目のiPod

昨晩、Apple Musicのドルビーアトモスによる空間オーディオ、
ロスレスオーディオの発表があった。

2001年10月10月に、AppleからiPodが登場した。
iPod以前にも、mp3プレーヤーはいくつかあった。
けれど普及していた、とはいえなかった。

そこにAppleは著作権保護仕様の非可逆圧縮AACをもちいることで、
レコード業界との折り合いをつけての発売であった。

最初のiPodは5GBと10GBの容量だった。
これでも当時としては大容量であった。

私は2003年に、第三世代のiPodを買った。

カセットサイズのiPodは、姿も大きさもずいぶん変ってしまった。
iPhoneに吸収されてしまった、ともいえる。

とにかくiPodは普及した。
街中で、白いイヤフォンをよくみかけるようになった。
普及したからこそ、非可逆圧縮で音楽を聴く人が増えた、ともいえる。

iPod登場から20年。
ロスレスの時代になっていく。

Date: 3月 5th, 2017
Cate: iPod

「ラジカセのデザイン!」(続×十・余談)

書き忘れたことにきづいた。
マランツのModel 1060のウッドケースのことである。

1060には専用のWC10(5,900円)が用意されていた。
WCとはウォールナットキャビネットのことである。

何度か書いているように、私はウッドケースをあまり好まない。
Model 1060にも要らないと感じている。
アナログプレーヤーをシネコのMark 2002にして、シルバーパネルの1060には、
はっきりとウッドケースは要らない。

けれどエンパイアのプレーヤーに、ゴールドパネルの1060ならば、
ウッドケース付きを私でもとるだろう。

ただそれでも4310の横幅は36.4cm、1060は36.2cm。
ほぼ同じといってよい。
ウッドケースをおさめてしまうと、数cmは横幅が大きくなる。
この点を考えると、ありかなしかと迷うところ。

オーディオというシステムはコンポーネントである。
プレーヤー、アンプ、スピーカーなどを組み合わせることで成り立つだけに、
オーディオ機器のデザインを、その機器だけで語ることは基本難しいのではないか。

他の機器との関連性も含めての判断であり、選択である。

Date: 3月 5th, 2017
Cate: iPod

「ラジカセのデザイン!」(続×九・余談)

マランツのModel 1060にはフロントパネルがふたつ用意されていた。
マランツならではのゴールドパネルとシルバーパネルである。

アナログプレーヤーにエンパイアを選んでいれば、
1060のゴールドパネルということになるし、4310もウォールナット仕様の方に、
自然と決っていく。

エンパイアのプレーヤーの金属部分はコールド仕上げだし、
ベースにもダストカバーの両サイドにも木が使われている。

もっとも手が触れるアナログプレーヤーのデザインがこうなのだから、
1060、4310の仕上げは決っていくわけだ。

シネコのMark 2002ならば、ここはゴールドの1060ではなくシルバーの1060である。
4310もサテングレー仕上げに決る。

シネコ(Cineco)はフランスのメーカーで、成川商会が輸入していた。
プレーヤーキャビネットは厚さ20mmのアクリルガラスで、
ターンテーブルプラッターからレコード盤を浮すための円盤状のものが六つ外周ちかくにある。

プラッターの右側、つまりトーンアームが装着されるところはアルミで覆われている。
ただしこの部分もアクリルガラス製のモノもあったようだが、
アルミで覆われているほうがコントラストがあって、
トーンアーム(SMEの3009 Improved搭載)との馴染みもいい。

エンパイアのプレーヤーとの質感がまるで違うMark 2002だから、
1060も4310も、シルバーでありサテングレーになるわけだ。
逆は絶対にありえない。

机上の組合せだからといって、
エンパイアのプレーヤーに、シルバーの1060、サテングレーの4310はないし、
シネコのプレーヤーに、ゴールドの1060、ウォールナットの4310もない。

組合せとはそういうもののはずだ。

Date: 3月 5th, 2017
Cate: iPod

「ラジカセのデザイン!」(続×八・余談)

昨晩書いたこの項へのコメントが、facebookにあった。

デュアルかガラードのオートチェンジャー、
ARの、シンプルなモデル、
テクニクスのSL10、
アナログプレーヤーはやめて、マランツのCD63、
というコメントがあった。

マランツのModel 1060は、61,800円だった。
上級機にはModel 1120(175,000円)、Model 1200B(325,000円)があった。
Model 1060は出力30W+30Wの、いわば普及クラスである。

同じころ(1975年)、JBLの4310は4311になっていた。
4311は193,800円(一本)していた。

価格的には、バランスがとれている組合せとはいえない。
4310には、アンプにもう少し奢ったほうがいいのはわかっているけれど、
ここではあくまでもデザインの面白さで組合せを構成しているのだから、
あまり極端にバランスがくずれているモノは選びたくないが、価格的バランスにはこだわっていない。

それに妄想組合せゆえに、年代的なこともそれほどこだわりもない。

JBLもマランツもアメリカということで候補となるのは、
やはりエンパイアの598IIIか698となる。

598IIIは225,000円(1975年)、698は206,000円(1977年)。
アンプとのバランスはとれていないけれど、スピーカーとはバランス的にそう離れていない。

悪くないと思いながらも、やはりここで持ってきたいのは、
シネコのMark 2002である。

Date: 3月 4th, 2017
Cate: iPod

「ラジカセのデザイン!」(続×七・余談)

しっかりした本棚におさめて使えるオーディオシステムの妄想を、余談として書いてきた。
JBLの4411の組合せの、いわば机上プランである。

音だけでいえば、4411の方がいいだろうけど、
本棚におさめて使うシステム、いわば私にとって大型のラジカセの延長としてのシステムでは、
デザインの、他のオーディオ機器にはない特徴で選べば、
スピーカーは同じJBLでも4310にしたい。

4311の方が4310よりも音はいいだろうし、中古も手に入りやすい。
それでも4310なのは、4310ならではのデザインがあるからだ。

4310がスピーカーとなると、プリメインアンプはマランツのModel 1060にしたい。
マランツのアンプでは、Model 7を別格とすれば、私はこの1060が好きである。

私がオーディオに興味を持ち始めたころには製造中止になっていたモデル。
1060の存在を知ったのは、数年後だったか。

そのころのマランツのプリメインアンプのデザインしか知らなかった目には、
1060のデザインは新鮮だった。こんなデザインのアンプがマランツにあったのか、と思ったし、
いかにもマランツらしい、とも感じていた。

これも音だけでいえば、その後の1250の方が音はいいに決っている。
それでも1250には、まだアメリカのブランドとしてのマランツのアクの強さのようなものが、
少し押しつけがましいようにも感じられる。

その点、1060もいかにもアメリカのマランツらしいデザインであっても、
1250に感じたところはない。
写真でしか見たことがないから実物を見てしまったら、少し印象は変るのかもしれないが、
ここで書いているのは妄想の組合せだから、気にしない。

4310に1060。
ここまではすんなり決っても、このふたつに見合うアナログプレーヤーが浮ばない。

Date: 12月 29th, 2016
Cate: iPod

ある写真とおもったこと(その12)

インサイドフォースキャンセラーがついているトーンアームでは、
取り扱い説明書にゼロバランスを取る時は、
キャンセル量をゼロにすること、と書かれている。

SMEのように重りを吊り下げているモデルでは、
重りを外してゼロバランスをとるように、と書かれている。

にも関わらず、ゼロバランスをとる際に、
インサイドフォースキャンセラーの重りをそのままにしている人を見かけたことがある。

ステレオサウンドで働いていたころは、
実は私もインサイドフォースキャンセラーの重りは、いちいち外してはいなかった。

試聴という環境で、カートリッジを頻繁に交換する場合、
インサイドフォースキャンセラーの重りを外して、またつける手間は、
塵も積もれば……で、けっこうな量になる。

だから重りを指で下から持ち上げてインサイドフォースキャンセラーがかからないようにして、
ゼロバランスを調整していた。

慣れれば、これできちんとゼロバランスはとれる。
念のため、この方法でゼロバランスをとって、針圧ウェイトを調整して印可した針圧を、
針圧計で確認したことがあるが、問題なかった。

でも私が見た例は、そうではなかった。
重りをそのまま吊り下げたままだった。
ということは、他のタイプのインサイドフォースキャンセラーでも、
目盛をゼロにすることなく、ゼロバランスをとっている人がいるとみていいだろう。

CDプレーヤーは、そんなことはない。
きちんとした設置をすれば、最低レベルの底上げを果していた。

それにCDプレーヤーは安価なモノであっても、非常に高価なモノであっても、
物理特性的にもほとんど差がない。
16ビットで44.1kHzという枠が決っているからである。

音はもちろん違うが、アナログプレーヤーと比較すれば差の違いは狭い。
つまり録音された音楽の共通体験という点だけでみれば、
アナログディスク、アナログプレーヤーよりも、
CD、CDプレーヤーのほうが優れている、ということになる。

このことをさらに一歩も二歩も押し進めたのが、iPodの登場であり、
デジタルの利点をCDプレーヤー以上に、この点で活かしたともいえる。

Date: 12月 29th, 2016
Cate: iPod

ある写真とおもったこと(その11)

アナログディスク再生が、プログラムソースのメインであった時代は、
アナログプレーヤーに関する調整によっても、
アナログプレーヤー関連のオーディオ機器によっても、
同じレコードから得られる音は、大きく違っていた。

同じアナログプレーヤーであっても、
設置、調整する人が違えば、音はそうとうに変化する。

ベテランと自称する人ほど多いように感じるのは、
トーンアームのゼロバランスをうまくとれない人である。

私だけがそう感じているのではなく、
SNSを見ていると、同じように感じている人がいることがわかる。

カートリッジをトーンアームに装着して、まず何をするかといえば、
ゼロバランスの調整である。
ゼロバランスがきちんととれていなければ、そこから先は進めない、といえる。

にも関わらすゼロバランスがうまくとれない人が少なからずいるのは事実である。
ゼロバランスがうまくとれないことを自覚しているのであれば、
誰か確実な人に代りにとってもらえるが、
とれない人に限って、とれていると思っている節がある。

ゼロバランスが狂っていては、針圧が目盛通りには印可されない。
そういう人は針圧計を使っては、このトーンアームは針圧の目盛がおかしい、
うまく針圧がかからない、などと責任転嫁しがちである。

アナログプレーヤーに関する設置、調整については、ここではこれ以上細々したことは書かないが、
そのくらい使う人(設置、調整する人)によって、レベルが大きく違っている。

それにハードウェアも、性能に違いがある。
価格の安いモノ、高いモノ、新しいモノ、古いモノなど、実にさまざまであり、
それらが混在した状態のプレーヤーシステムもある。

そういうアナログディスク再生では、ひとりひとりが鳴らしている音の違いは、
千差万別であり、大きく違っていた。

それがデジタル(CD)の登場により、
ある最低ラインは保証されるようになった。

Date: 10月 6th, 2014
Cate: iPod

ある写真とおもったこと(その10)

録音された音楽の聴かれ方は、じつにさまざまであり、しかもみな違う音で鳴っている。

ずいぶん以前のこと、ある有名人の部屋の写真が、なにかの雑誌に載っていた。
音楽関係では多くの人が知る、その人は、左右のスピーカーを二段重ねにしていた。

上段のスピーカーが左チャンネルなのか右チャンネルなのか、
写真では知りようがなかったが、この写真を見て、オーディオに関心のない人は、
ステレオのスピーカーは、こんなふう(二段重ね)にしていいんだ、と思っても不思議ではない。

あるオーディオ店では、スピーカーが左右反対に接続されていたことがあった。
高価なオーディオ機器を売ることで有名なところでも、そんな状況である。

ステレオ再生のいちばんの基本である左チャンネルのスピーカーは左側に、
右チャンネルのスピーカーは右側に設置する、ということすら守られていないことがある。
しかもシステムが違ってくるわけである。

どんなディスク(録音)であれ、同じ音に鳴ることを期待するのが無理というものである。
録音された音楽の共通体験ということを考える時、このことをどう扱うべきなのか。
けれどiPodはそうではない。

iPodの登場の前にAppleはiTunesというアプリケーションを用意していた。
このiTunesがiPodを管理することになり、共通体験を可能にしているといえるし、
iTunes Storeの開始もそうである。

Date: 8月 12th, 2014
Cate: iPod, サイズ

iPodのサイズ(その2)

日本の特撮において、巨大な生物(ゴジラやウルトラマンなど)やロボットが海中から現れたり、
海でのシーンでは、どうしても、そこでのゴジラやウルトラマンなどが、人の大きさということを隠しきれない。

そこに水があり、何ものかがいて動いていれば、波が発生する。
この波の大きさとそこでの何者かの大きさとを自然に比較して、
そこでの何者かの大きさを自動的に判断してしまうからである。

特撮の技術が進歩していっても、こればかりはどうにもならないことだと思っていた。
いまではコンピューターグラフィックスの進歩により、そんなことは感じなくなっている。

ゴジラにしろウルトラマンにしろ、他の実写のロボットにしろ、
街中でのミニチュアのジオラマによるシーンと水があるシーンとでは、
すべてのものが後者では縮小されてしまった感じが拭えない。

人は、何かによって、そこでの大きさを判断してしまうようだ。
その一方で、大きさを正しく判断できない写真に目にすることが何度かあった。
最近もあった。

おもに車の写真において、である。
実際の車の写真であるのに、非常に良く出来たミニカーを撮っている、とどうしても思えてしまうことがある。
人が一緒に写っていれば、そう感じることはもちろんないだが、
そうでないシーンでの撮影だと、どうしても実際の車のサイズがイメージできない写真がある。

なぜだろう、と思う。

Date: 7月 22nd, 2014
Cate: iPod, サイズ

iPodのサイズ(その1)

電車に乗ると、周りの人のほとんどはスマートフォンをいじっている。
何をしているのかまではわからないが、使っている機種を見て「デカイ!」と思うことが増えてきた。

スマートフォンの液晶ディスプレイのサイズは大きい方がいいのだろうか。
「デカイ」と感じてしまうスマートフォンを見ていると、iPodのサイズのことを思い出す。

別項(「ラジカセのデザイン!」)の(その11)で書いた──、
21世紀のカセットテープはiPodであり、
カセットテープに取って代ったのはエルカセットでもなければDCC、DAT、ミニディスクなどでもなく、iPodである。

スティーブ・ジョブズは21世紀のカセットテープ、デジタルのカセットテープを、
iPodで目指していたからこそ、iPodをカセットテープと同じ寸法に仕上げ、
Dockと呼ばれるコネクターで、さらにWiFiを利用して、
さまざまなオーディオ機器への接続が可能になっている点も含めて、
iPodこそが、この時代の、ジョブズがデザインし直したカセットテープである、との確信が強くなっている。

iPodをハードウェアとしてしか捉えていない、他のメーカーの同様のモノがiPodに勝てない理由は、ここにある。
ソニー・ウォークマンの初代モデルが誕生したとき、まずサイズがあった、という話を読んでいる。

「デカイ」スマートフォンを見ていると、サイズへの理念がまったく欠けているとしか思えない。

Date: 5月 23rd, 2014
Cate: iPod

ある写真とおもったこと(野獣死すべし)

昼ごろtwitterを眺めていたら、あるツイートが目に留った。
映画「野獣死すべし」で松田優作演じる伊達邦彦が自室で聴くスピーカーはJBL、というものだった。

「野獣死すべし」は観たことがなかった。
JBLが登場するのであれば観ておこう、とHuluのラインナップにあることは知っていたので、さっそく観た。

確かにスピーカーシステム、それもフロアー型が登場する。
38cm口径と思われるウーファー(コルゲーションつきのコーン紙はJBLによく似ている)、
それにスラントプレートの音響レンズがついている。
パッと見た目、JBLのスピーカーと勘違いする人がいるかもしれない。

「野獣死すべし」の冒頭でスピーカーは映っている。
部屋を流して映すシーンで、ぼんやりとだがJBLのスピーカーではないことはわかる。
オンキョーのScepter 500である。

Scepter 500は1977年11月に出ている。
38cm口径のウーファー、セクトラルホーンのスコーカー、スラントプレートの音響レンズつきのトゥイーター、
14kHz以上を受け持つスーパートゥイーター(ホーン型)の4ウェイである。
このScepter 500は、同時期のオンキョーのサブウーファーSL1が追加されている。

映画のなかほど、松田優作がスピーカーの前にうずくまり、音楽を聴くシーンがある。
ウーファーに耳をくっつけんばかりにしている。

「野獣死すべし」は1980年の映画だから、まだ登場していなかったスピーカーのことをいってもしかたないが、
このシーンによりぴったりのスピーカーは、同じオンキョーならば,1984年登場のGrand Scepterである。

オールホーン型の2ウェイシステム。
こう説明してしまうと、このスピーカーの音を聴いたことがない人は、
実際の音とは正反対の音を想像してしまうかもしれない。

Grand Scepterというスピーカーは、巨大なヘッドフォンともいえる。
しかも、私にはスピーカーの前にうずくまくるような聴き方に寄り添う音色のように感じている。
どこかうつむきがちな音という印象が、私には残っている。

だから、あのシーンに向いている、と思ったわけだ。
そして、そういうところはアクースタットのスピーカーの世界と共通するところがある、とおもっていた。

方式こそ大きく違えども、どちらもその方式での理想を追求しているところがある。
アメリカと日本から、1980年代に、このふたつのスピーカーは登場した。
そこに共通する世界があること。時代が要求する音だったのかもしれない。

Date: 5月 1st, 2014
Cate: iPod

ある写真とiPhone(追補)

二年半ほど前に「ある写真とiPhone」を書いた。

先ほど友人からのメッセージが届いていて、そこにジョブスのオーディオについての記事へのリンクがあった。
以前見た写真でははっきりしなかったことが、この記事でわかる。

Date: 12月 2nd, 2012
Cate: iPod

「ラジカセのデザイン!」(訂正)

11月27日に公開した「ラジカセのデザイン!」(続×六・余談)で、
デュアルのターンテーブルの直径と型番の関係について書いている。

四桁の数字の最初の二桁がターンテーブルの直径をインチで表している、と。
だから1019は10インチ(27cm)で、1219、1249は12インチになっている。
これに関しては間違っていないけれど、
デュアルのプレーヤーには12系に1218、1228などがあり、
これらは10インチのターンテーブル・サイズになっている、というご指摘をさきほどいただいた。

なので10系に関してはすべてのモデルが10インチ・サイズてあるが、
12系には12インチ・サイズと10インチ・サイズがある。

指摘してくださったのは、渡邊芳之さん。
無線と実験にて、「直して使う古いオーディオ機器」というタイトルの連載を執筆されている。

「直して使う古いオーディオ機器」は毎号掲載されているわけではないが、
読むのを楽しみにしている。

製造中止になってしまっているオーディオ機器を直すことを、
面倒なこととは思われず楽しまれているからこそ、読んでいてこちらも楽しいのだと思う。

デュアルのプレーヤーのメンテナンスに関する渡邊芳之さんの記事は、
もう少し無線と実験で続くはずである。

Date: 11月 27th, 2012
Cate: iPod

「ラジカセのデザイン!」(続×六・余談)

スピーカーの型番もアンプの型番も四桁の数字だけで揃えるのならば、
アナログプレーヤーもそうしたい。

数字だけの4桁の型番のアナログプレーヤーは、すぐに思い浮ぶ。
デュアルがそうだ。
1019、1219、1249などがある。
最初の二桁がターンテーブルプラッターの直径をインチで表していて、
1019は10インチ、1219、1249が12インチ(30cm)となっている。

スピーカーのウーファーの口径が10インチだったら1019をあえて選ぶということも考えるけれど、
4411のウーファーは12インチ口径だから、1219、1249のどちらかを選びたい。

デュアルのアナログプレーヤーは、とにかくハウリングに強いことで知られている。
この点でも、本棚にスピーカー、アンプ、プレーヤーを収めようとしているだけに、
ハウリングマージンの大きさは重要な項目だから、デュアル以外のプレーヤーは選びにくい。

ここまできたらカートリッジも、ということになるけれど、
思い出したのはラウンデールリサーチの2118。
たしかに数字だけの四桁の型番なのだが、ここでの組合せの意図には似合わない。
音の傾向としても、4411、マランツの1250とは違うところにあるカートリッジだから、候補から外す。
そうなると、厳密には四桁の数字だけの型番ではなくるけれど、
数字の前には何もつかない、ということで、エンパイアの4000D/IIIを、ここにはもってきたい。

チューナーはプリメインアンプと同じマランツにしたい。
四桁数字の型番のマランツのチューナーは、2100と2120がある。

とここまではわりとすんなり決めていけるのだが、CDプレーヤーだけは見つからない。
四桁の数字のつくモデルは数多くあるけれど、数字だけの型番のモデルはなにがあるだろう……。

Date: 11月 26th, 2012
Cate: iPod

「ラジカセのデザイン!」(続×五・余談)

本棚におさめてレベルコントロールを積極的に使うJBLの4411を鳴らすアンプに求めたいことがすこしある。

まずプリメインアンプであること。
それほど大袈裟にならなければセパレートアンプでも……という気持はまったくなく、
プリメインアンプの良質なもの、そして物量を投入したモノにしたい。
なぜかといえば、4411がアメリカのスピーカーシステムであり、
4411がイギリスのBBCモニター系統のスピーカーであれば、
アンプに投入されている物量ということにはまったくこだわらないけれど、
4411はブックシェルフ型ではあるが、はっきりとアメリカのスピーカーシステムなのだから、
スマートなアンプで鳴らすことよりも、物量投入型のアンプで鳴らしたい。

それからA級動作のもの、A級動作でなくとも発熱量が極端に多いものはさけたい。
スピーカーを本棚におさめるくらいだから、プリメインアンプも本棚に置きたい。
そういう使い方をするから、放熱に気をつかうものはなるべくさけたいわけだ。

トーンコントロールがついているアンプ。
それもおまけ的なトーンコントロールではなく、しっかりと機能するトーンコントロール。
できればターンオーバー周波数が選択できるもの、高・低の2バンドに中域を加えた3バンドのもの。

この3つを満たしてくれるアンプとなると、
マランツのプリメインアンプ、それも4411とほぼ同時代のアンプが真っ先に浮ぶ。
Model 1250、Model 1152、もう少し新しいところではPM6、PM8がある。

これらのマランツのプリメインアンプは、いまのマランツのプリメインアンプのパネルフェイスとは異り、
Model 7の流れを汲む、いまとなっては古典的なスタイルのものである。

ツマミが多すぎて……、といまどきのアンプを見慣れた人はそう感じるかもしれない。
でも、あのころのプリメインアンプは、このくらいのツマミがフロントパネルに、
各社、特色のある配置がなされていた。

1250、1152、PM6、PM8、
この4機種ならば、コンディションのいいものが見つかれば、それでいいという気持なのだが、
できれば1250のコンディションのいいものがあれば、と思ってしまう。

1250が、この4機種の中で音がいい、という理由ではない。
スピーカーが4411と四桁の型番だから、アンプもできれば四桁の型番に合せたい、だけなのだ。