iPodのサイズ(その1)

電車に乗ると、周りの人のほとんどはスマートフォンをいじっている。
何をしているのかまではわからないが、使っている機種を見て「デカイ!」と思うことが増えてきた。

スマートフォンの液晶ディスプレイのサイズは大きい方がいいのだろうか。
「デカイ」と感じてしまうスマートフォンを見ていると、iPodのサイズのことを思い出す。

別項(「ラジカセのデザイン!」)の(その11)で書いた──、
21世紀のカセットテープはiPodであり、
カセットテープに取って代ったのはエルカセットでもなければDCC、DAT、ミニディスクなどでもなく、iPodである。

スティーブ・ジョブズは21世紀のカセットテープ、デジタルのカセットテープを、
iPodで目指していたからこそ、iPodをカセットテープと同じ寸法に仕上げ、
Dockと呼ばれるコネクターで、さらにWiFiを利用して、
さまざまなオーディオ機器への接続が可能になっている点も含めて、
iPodこそが、この時代の、ジョブズがデザインし直したカセットテープである、との確信が強くなっている。

iPodをハードウェアとしてしか捉えていない、他のメーカーの同様のモノがiPodに勝てない理由は、ここにある。
ソニー・ウォークマンの初代モデルが誕生したとき、まずサイズがあった、という話を読んでいる。

「デカイ」スマートフォンを見ていると、サイズへの理念がまったく欠けているとしか思えない。

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