QUAD 405への「?」(その5)
QUADの405の全ヴァージョンを集めて比較試聴できれば、
そうとうな音の変化を確認できるのではないだろうか。
もっともいま全ヴァージョンを集めたところで、
古いヴァージョンにおいては、まったく手が加えられていない405はまずないだろうし、
そんな405があったとしたら、きちんと動作していない405の可能性が高い。
厳密な比較試聴は、まず無理である。
特に、そんな比較試聴をやりたいわけではなく、
405の音が変っていった理由を知りたいだけである。
ひとつ考えられるのは、コントロールアンプの44である。
405が登場した1976年は、44はなかった。
QUADのコントロールアンプは33だった。
33+405という組合せもあった。
実際に、この組合せで当時聴いていた人はいた。
QUADは、製品開発にじっくりと取り組む。
有名なのはESL63である。型番末尾の63は、開発が始まった1963年を表わす。
ESL63が登場したのは、1981年である。
44の場合、そこまで長い開発期間ではないだろうが、
一年よりは長い、と思っている。
405の発売直後あたりから、開発にとりかかっていたのではないか。
最初のプロトタイプが出来、405と組み合わせての試聴。
そして改良、また試聴。
その工程のくり返しにつれて、405の音が変っていった、とはいえないだろうか。