QUAD 405への「?」(その4)
QUADのパワーアンプは、ステレオサウンドの試聴室でよく聴いている。
405以外に、プロ用の510、520、
405の改良型の405-2、上級機にあたる606、弟分の306と聴いている。
ステレオサウンドの試聴室を離れても、個人のリスニングルームで聴くことはあった。
そうやって聴いてきたQUADのパワーアンプであったが、
一度としてステレオサウンド 38号の新製品紹介の音の印象そのまま、
という音は聴けていないし、38号の試聴記との音のズレを感じていた。
聴けば聴くほど、38号の新製品紹介に登場した405の音を聴きたいし、
そういう音の405こそ、欲しい、と思うようになった。
405は一台持っている。
シリアルナンバーからすると、初期の405よりも数回変更が加えられたヴァージョンだ。
回路図を比較してみると、基本的な回路は同じであっても、細部は違う。
完全に最初の405と同じ回路にするには、ちょっと面倒である。
ならば最初のロットの405を、シリアルナンバーを調べて手に入れるか、というと、
そこまでの情熱はない。
そうやって手に入れたとしても、40年以上前のアンプだから、
全面的なメインテナンスも必要となる。
私の405も電解コンデンサーの交換が必要になっている。
つまり手を加えることになる。
ならば、と考えている。
どこまで38号に登場した405に近づけられるのか。
もっともその音を聴いているわけではない。
あくまでも文字からの想像が、私の中にあるだけだ。
QUAD 405への「?」を、「!」にしたい。