Archive for category 色

Date: 7月 15th, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その21)

タンノイ・アメリカが探梅していたユニットの磁気回路のカバーは青に塗装されていた。
つまりはMonitor Blueということになる。

本国イギリスのタンノイのユニットにはMonitor Redがあった。
1953年から1957(8)年ごろまでつくられたユニットは、
磁気回路のカバーとウーファー中央のカバー(センターキャップに相当するところ)が、
赤に塗装されていたからだ。

そうイギリスには赤があった。
グッドマンのAXIOM 80もそうだ。
磁気回路が赤色に塗装されていた。

AXIOM 80以外にも、磁気回路の後側にはられている銘板が赤であることが多い。
ワーフェデールのユニットもそうだった。
ヴァイタヴォックスの初期のS2ドライバーの銘板も、そういえば赤だった。

オーディオと青の関係を考えていたら、
イギリスのオーディオにおける赤のことを思い出してしまった。

Date: 7月 1st, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その20)

青で思い出すモノが、まだあった。
タンノイの同軸型ユニットであるが、本家英国のタンノイのそれではなく、
タンノイは1953年にカナダに、1954年にアメリカに、
北米進出を本格化すべく、それぞれにタンノイ・カナダとタンノイ・アメリカを設立した。

1974年にタンノイがハーマンインターナショナルに吸収された時点で解散している。
タンノイ・アメリカのスピーカーシステムはシュリロ貿易によって輸入されていた。

とはいうものの、タンノイ・アメリカのスピーカーシステムが知られはじめたころに、
ハーマンに吸収されてしまったので、
実際に輸入されたタンノイ・アメリカの製品を見た(聴いた)ことのある人は少ないはずだ。

私は幸運にも、わずかな時間ではあったが聴く機会があった。
でも一度だけである。

タンノイ・アメリカはスピーカーシステムだけでなく、ユニットも単売していた。
イギリスで売られているモニターゴールドそのままではなく、
磁気回路のカバーは、ブルーメタリックに変更されていた。

ブルーメタリックのカバーを見る機会はなかった。

Date: 3月 21st, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その19)

歳は関係ないだろう、
オーディオを始めて日の浅い人は、
こんなことは考えたりはしないだろう。

考えたとしても、青とはおもわないのではないか。

オーディオをながく続けている。
十年はながい、とはいわない。
二十年、三十年……、このあたりからながい、といえるかもしれない。

四十年くらいから、はっきりとながいといえよう。

四十年のあいだに聴いてきた音、
己で鳴らしてきた音、誰かの音、そんなふうにさまざまな音を聴いてきているということは、
その音の総量は、空や海が青くみえるのと同じほとに積み重なっているはずだ。

わずか水や空気が、青く見えないのと同じで、
音の総量が、青くみえるほどにいたってなければ、
青とはおもわないだろうし、考えもしないであろう。

Date: 3月 20th, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その18)

コップのなかの水に、色はない。
無色透明といっていい。

目の前に空気がある。
空気の色も、水と同じで意識することは無い。
無色透明といえる。

どちらも色がついているわけでもないのに、
空の色、海の色は青である。

なぜ青に見えるのかについては書く必要はないだろう。

空は青い。
海も青い。

音も、そうなのかもしれない。
青い、のではないだろうか。

遠くに拡がっている音は、空や海と同じように青く見える、はずだ。

Date: 1月 2nd, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その17)

そういう視点でとらえれば、
スレッショルドのパワーアンプSTASISシリーズのプリント基板の色も青である。

STASIS回路は、それまでのパワーアンプの設計手法とは違う。
NFBに極度に頼ることなく、静特性ではなく動特性を重視した、といえるだけに、
プリント基板に青を採用したようにも、私は捉えている。

そのころのアンプのプリント基板で青色のものがあっただろうか。
ステレオサウンド 58号の表紙にSTASIS 1が登場している。
天板を取った状態で、メイン基板が写っている。

青色なんだ、と思った。

ソニーのウォークマンは、
それまでのテープデッキは録音機能があるのが当然だという考えに対してのアンチテーゼ、
ここでもこじつけることができる。

そして青といえば、EIZOのFORIS.TVがある。
加賀群青のテレビである。
川崎先生のデザインである。

FORIS.TVは、あのころの液晶テレビに対してのアンチテーゼだ、と、
加賀群青という色だけでも、そう捉えることができる。

青について書く気になったのは、AMPZiLLA 2000の存在がまずあり、
AMPZiLLA 2000のデザインについて、あまりにも無理解な文章を目にしたからである。

Date: 1月 2nd, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その16)

オーディオにおける青の意味はあるとしても、
それが各メーカーで共通しているわけでもないだろう。

JBLの青とソニーの青とが、同じ意味が込められているわけでもないだろう。
それは承知のうえで、オーディオにおける青には、アンチテーゼの意味が込められているように感じる。

私がそう感じているだけであるにすぎない。
けれど(その1)に書いたステレオサウンドのロゴの青。

1966年にステレオサウンドが創刊されたとき、日本にはどんなオーディオ雑誌があったのかをふり返れば、
私はそこにアンチテーゼの意味を感じてしまう。
そうだとしたら、いまのステレオサウンドのロゴに青はふさわしくない。

JBLのスタジオモニターのバッフルの青にしても同じだ。
それまでスタジオモニターといえばアルテックの604を収めたモノが圧倒的シェアだった。
そこにJBLは切り込んでいった。

4300シリーズは最初からブルーバッフルだったわけではない。
4350、4341といった4ウェイのシステムからの青である。

これらの4ウェイ・モデルは、全帯域にわたる指向特性の改善・均一化を図って、である。
単に周波数特性を広げたかったわけではない。
ユニット構成をみれば、そのことはすぐに気づくはず。
最低域を受け持つウーファーと最高域をうけもつトゥイーターは、
3ウェイの4333と同じなのだから。

だからJBLのスタジオモニターの青は、
アルテック604に代表される従来のスタジオモニターの主流に対しての青として感じる。

JBLのLE15Aの青は、それまでのJBLのウーファーのあり方とは違う設計であり、
ある意味、それまでのウーファー設計へのアンチテーゼと捉えようとすればできなくもない。

もちろん、オーディオにおける青の意味を、私がこじつけてそう捉えているだけといえば、
たしかにそうだ。
それでも、オーディオにおける青は、他の色とは違う意味があるはずだ。

Date: 1月 1st, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その15)

ソニーにも、ウォークマンの他にも青がある。
1999年に登場したSCD1である。

SACDプレーヤーでSCD1のサイドは、青である。
同時に発表されたコントロールアンプTA-E1もサイドは青だし、
パワーアンプTA-N1は両サイドのヒートシンクが青である。

面積的にはTA-N1の広いけれど、私の印象ではSCD1の青がいちばん強い。
SACDプレーヤーの第一号機というイメージが重なってなのだろうか。

ここでも、なぜ? と思う。
ソニーのようなメーカーが、サイドだけとはいえ青を採用している。

SME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)から第一回新譜として発売された13タイトルに、
マイルス・デイヴィスの”Kind of Blue”が含まれていたからなのだろうか。

ステレオサウンド 131号に、ソニーの出井伸之氏と菅野先生の対談が載っている。
表紙はSCD1である。

出井 SACDは在る意味で、いろいろなものにたいするアンチテーゼです。日本の近代産業はずっと〝量〟を追求してきました。〝量〟というのは作れば作るほど〝質〟から離れていきます。「安くて良い」というのは、基本的に「最高級」のものを犠牲にしてしまう傾向がありますね。その意味では〝量〟にたいするアンチテーゼなのです。
ソニーのCDプレーヤー第1号機、CDP101は、横幅が(標準的なコンポーネントサイズの430mmではなく)355mmでしたが、あれは〝量〟を志向したからなのです。小さく作ったのは「たくさん売るぞ」という意思表示だったのです。このSACDプレーヤー第1号機、SCD1(横幅430mm、重さ約27kg)は逆なんですね。

SCD1の青は、アンチテーゼの色なのだろうか。

Date: 1月 1st, 2017
Cate:

オーディオと青の関係(その14)

JBLには、スタジオモニターのフロントバッフルの他に、もうひとつ青がある。
ウーファーのLE15Aのフレームが、初期のころは青だった。

JBLのユニットは美しい。
ドライバーやホーンはエンクロージュアの上に置かれて使われることもあるが、
ウーファーはエンクロージュアに収められるユニットである。

フレームの色が何色であれ、使っている(鳴らしている)人からは、その色は見えない。
にも関わらずLE15Aは、初期のころ青に塗装されていた。

他のJBLのユニットで、フレームが青に塗装されていたのはあるのだろうか。
なぜ青だったのか。
誰が青にしたのか。

わからない。
LE15Aの開発者のバート・ロカンシーが青に決めたのか。
それともアーノルド・ウォルフが決めた青なのか。

LE15Aの青が、のちのスタジオモニターの青に引き継がれたのだろうか。

Date: 12月 4th, 2016
Cate:

オーディオと青の関係(その13)

以前書いているように、サンスイの色のイメージは黒である。
AU111というプリメインアンプから、ブラックパネルは始まった、といっていい。

サンスイ・イコール・黒というイメージは、
私ぐらいの世代だけでなく、幅広い世代にとってもそうであるはずだ。

サンスイ(山水電気製作所)は1944年、創業者の菊池幸作氏の、
代々木上原にあった自宅から始まっている。

サンスイは元はトランスメーカーだった。
そのころのサンスイのトランスの色は青だったようだ。

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」サンスイ号で、淺野勇氏が書かれている。
     *
 サンスイといえば、既にパワー・トランスやオーディオ・トランスで知名度の高いメーカーとして自作ファンには誰も知らぬ人もない存在であり、鋳物の立型合わせカバーをダーク・ブルーに塗装したパワー・トランスやチョーク・コイルは高級電蓄のアンプを製作するには欠かせぬ存在となっていた。余談だが、夏場の暑い時期にアンプ作りに熱中すると、このトランスの青色塗装が、手や顔にまで転移して肌着まで青一色のサンスイ色に染まり、身をもってサンスイの宣伝をするような始末となるのは困った。現在のような進歩した塗料の無かった頃である。閑話休題、製品そのものの信頼性の高さは、焼損断線事故の多発した当時の町工場の製品とは一線を画すものがあった。
     *
そのサンスイが輸入をはじめたJBLのスタジオモニターのバッフルが青を採用したのは、
偶然の一致なのだろうし、こじつけめいているのはわかっているが、
何か共通する理由があるのではないかと思ってしまう。

Date: 10月 2nd, 2016
Cate:

オーディオと青の関係(その12)

坂道のアポロン」という作品がある。
小玉ユキ氏の作品(マンガ)で、アニメにもなっている。

舞台は1966年初夏の長崎・佐世保から始まる。
それまでクラシックしか弾いたことがなかった主人公(高校生)が、
1960年代なかばの基地の町、佐世保でジャズに惹かれていく。

年代も佐世保という場所も、いい設定だと思う。
好きな作品だ。

村上龍氏も、このころ佐世保で高校生時代を過ごされている。
「世界のオーディオ」パイオニア号では、当時のことを語られている。
     *
──ジャズ体験はどんなかたちですか。
村上 いちばん最初は『テイク5』で、そしてアントニオ・カルロス・ジョビンとかゲッツとジルベルトとかハービー・マンとか、そのへんです。そしてだんだんマイルス・デイヴィスとかセロニアス・モンクをきくようになっていった。もっともマイルスがほんとうにすごいなと思うようになったのは、高校を卒業してからです。いまも繰返しきいているけれど、マイルスのすごさはやっぱり二十才(ハタチ)を過ぎないとわからないと思う。
 高校のときは、カッコウつけてきいていたんでしょうね。そのころフリーが流行ったでしょう。佐世保にいたんですが、すごく詳しいマスターがいるジャズ喫茶に行って、コルトレーンの『オレ』をリクエストしたら、オーネット・コールマンをきいたかというですよ。きいてないと答えたら、コールマンをきいてないヤツにフリーはきかせられないっていわれて(笑い)。それで頭にきて、コールマンとドルフィーが一緒にやってるレコードをきいて、また出かけていったら、こんどはチャーリー・パーカーをきいてるか(笑い)。きいてないといったら、それじゃあダメだと(笑い)。そんな思い出があります。もっともそれ以来、前衛ジャズみたいなのに狂いましたが(笑い)。
     *
「坂道のアポロン」にはジャズ喫茶は登場しないが、
町のレコード店が登場する。
個人経営だから、ちいさな店だ。

でも、ここが主人公がジャズにめざめていく場所である。

1952年生れの村上龍氏だから、高校生の時分は1960年代後半にあたる。
「坂道のアポロン」と同じころだ。

Date: 10月 2nd, 2016
Cate:

オーディオと青の関係(その11)

「限りなく透明に近いブルー」。
村上龍氏のデビュー作であり、1976年の芥川賞受賞作である。

ステレオサウンド1978年別冊「世界のオーディオ」のパイオニア号に、
村上龍氏のが登場されている。
パイオニアのオーディオ機器を使っているユーザー訪問記事で、
タイトルは「私とおーでぃお」。
村上龍氏のほかには、粟津潔、小室等、立木義浩の三氏も登場されている。
     *
村上 芥川賞の記者会見のときに、新聞記者の一人から、あなたは音楽がお好きのようだけど、ご自分ではこの『ブルー』でどういう音楽をイメージされますか、と質問されたんです。
多分だれもがロックという答えを期待されたんでしょうが、ぼくはキザにも、シューマンのピアノ曲と答えたんですね。あまりにもキザにきこえたんでしょう、新聞にはかかれなかった(笑い)。でも、ぼくはほんとうにそう思っているんですよ。
     *
シューマンのどのピアノ曲かというと、
クララ・ヴィークの主題による変奏曲、クライスレリアーナ、謝肉祭を挙げられている。
好きな曲は「抒情的で、おしゃべりじゃあない音楽」だとして、
バッハも好きで、ブランデンブルグ協奏曲、ゴールドベルグ変奏曲、パルティータも挙げられている。

Date: 6月 25th, 2016
Cate:

オーディオと青の関係(その10)

アバドとアルゲリッチがピアノをはさんで坐っている写真。
検索すれば、すぐに見つかる写真。
2014年11月にドイツ・グラモフォンから発売になった、
このふたりによるピアノ協奏曲集のジャケットにも使われているから、
目にされた方も少なくないはず。

青を基調とした、この写真に写っているアバドとアルゲリッチは若い。
1970年代に撮影されたものであろう。

私は、この写真をiPhoneのロック画面にしているから、
一日のうちけっこうな回数見ているけれど、いまのところ他の写真に変えようとは思っていない。
もう一年半ぐらい、この写真のまま使っている。

アルゲリッチは1941年、アバドは1933年生れであるから、
1971年ごろだとしたらアルゲリッチは30、アバドは38ということになる。
もう少し後のことだとしてもアルゲリッチは30代だし、アバドも40前半ごろといえる。

老いを意識しはじめている年齢ではないはずだ。

日本では青は、未熟、若い色として使われることがある。
青臭い、青二才、青女房、青侍、それに青春がある。

写真のふたりはまだまだ若い、といえる。
いまのアルゲリッチの姿、亡くなる前のアバドの姿を知っているだけに、
まだまだ若いではなく、素直に若い、と感じる。
だから青が似合う。よけいにそう思えるけど、このふたりに未熟さは感じない。

だから、この写真の「青」は、何かと何かの狭間にある色のように感じることがある。

Date: 3月 21st, 2016
Cate:

オーディオと青の関係(その9)

オルトフォンのMC20と同時代に、青のモノが登場している。
ヴェリオン(のちのコッター)の昇圧トランスMark Iがそうだ。

一次インピーダンスが2.5ΩのType P、25ΩのType PP、40ΩのType S、
注文に応じて一次インピーダンスを設定してくれるType Xが用意されていた。

ヴェリオンのトランスは高価だった。
輸入品ということもあっただが、一台15万円していた。
同時期マークレビンソンのヘッドアンプJC1ACが13万5千円だった。

ヴェリオンのトランスはステレオサウンド 46号の新製品紹介のページに出ている。
ここではモノクロだからボディの色はわからないが、
このトランスは第二特集の「最新MC型カートリッジ 昇圧トランス/ヘッドアンプ総テスト」にも登場している。

この記事もモノクロだが、記事の頭に三つ折りのカラーがついている。
テスト機種のカートリッジ、昇圧トランス、ヘッドアンプの集合写真がある。

ヴェリオンのトランスは、濃い鮮かな青で、集合写真の中でも目立っている。
ヴェリオンのトランス(三つ並んでいる)の後方には、ジュエルトーンのヘッドアンプRA1がいる。

RA1が赤ということもあって、この一角がより目立つ。
ヴェリオンのトランスの四つ右隣にはグレースの昇圧トランスGS10がある。

このGS10もフロントパネルが青であるけれど、印象としてはどうしても薄くなってしまっている。
記憶の中でも薄れがちになってしまっている。

Date: 3月 21st, 2016
Cate:

オーディオと青の関係(その8)

ソニーの初代ウォークマンよりも、もっと小さな青のモノといえば、カートリッジがある。
オルトフォンのMC20がそうである。

オルトフォンを代表するカートリッジといえば、いまもつくられ続けているSPUがある。
このSPUの改良モデルとしてS15が出た。その後SL15なり、SL20も登場した。

けれどSPUの後に登場したこれらのモデルは、成功した、とは思えない。
オルトフォンがやっとSPUと並ぶモデルを開発できたのはMC20といってもいい。

MC20の成功がMC30を生み、MC30の成果がMC20にフィードバックされMC20MKIIになり、
この後もMCシリーズは展開し続けていく。

MC20のボディはSL15、SL20と同じであるが、色が違う。
MC20のボディは青だった。

MC30は上級機ということ、そして当時としては10万円ちかい、
かなり高価なカートリッジということもあってだろう、ボディの色は金だった。

MC20MKIIはMC20の改良モデルでもありながら、
MC30の普及クラスモデルとして位置づけだからだろう、
ボディの色はMC30系統であることを思わせる銀だった。

当時MC30は高すぎて手が届かなかった。
それ以外にも出力電圧が低すぎた。
まだ高校生だった私は、仮にMC30を手に入れたとしても使いこなせる自信も、
そのための環境を用意することもできないとわかっていたことも理由としてあった。

MC20MKIIは、私にとってはじめてのMC型カートリッジである。
音も気に入っていた。
MC20よりも、音の魅力もあった。
どことなく素っ気なく聴こえがちのMC20よりも、音楽をずっと魅力的に響かせてくれた、と感じていた。

あの時点で選ぶとしたらMC20よりもMC20MKIIではあったが、
いまとなると青ということでMC20を選ぶかもしれない。

MC20は青がふさわしいカートリッジなのかもしれない。

Date: 3月 17th, 2016
Cate:

オーディオと青の関係(その7)

青で思い出す映画がある。
「ブルースチール(Blue Steel)」だ。
この映画で、キャスリン・ビグローという監督を知った。

「ブルースチール」が何を意味するのか知らずに観た。
映画館の大きなスクリーンに何かが大写しになるオープニングは、強烈だった。

カメラが対象物に触れんばかりに近接して、舐めるように撮っていく。
すぐには何か、わからなかった。
しばらくして、拳銃だと気付く。

すぐに気付かなかった理由は、その何かが青く光っていたからだった。
拳銃の実物は、いまも見たことがない。
拳銃といえばテレビで見るものぐらいで、日本のテレビドラマに登場する拳銃のイメージは青ではなく黒である。
モデルガンも黒だ。

「ブルースチール」を観て、
“Blue Steel”が酸化焼入れ処理を施した鋼のことであり、拳銃の錆防止の表面処理として用いられることを知った。
そういう理由から”Blue Steel”が銃の色を表し、さらには銃そのものを指す言葉としても使われることも知った。

「ブルースチール」のオープニングは、青がいままで感じたことがないほどに官能的な色であることを教えてくれた。