アストル・ピアソラ 闘うタンゴ 完全版
斎藤充正氏の「アストル・ピアソラ 闘うタンゴ 完全版」が、
青土社から、ようやく出版される。
改訂版ではなく、完全版。待ちに待った一冊。
斎藤充正氏の「アストル・ピアソラ 闘うタンゴ 完全版」が、
青土社から、ようやく出版される。
改訂版ではなく、完全版。待ちに待った一冊。
トーレンスのTD124は、どうして「124」なのか。
おそらくだが、12インチのターンテーブルプラッターに、
4スピードだから、だろう。
TD124は、33 1/3と45回転の他に、78回転と16回転もついている。
TD124 DDは、どうだろうか。
33 1/3と45回転の2スピード。
現在のトーレンスが、
TD124という型番にこだわりたい(すがりたい)のは、
わからないわけではないが、
ならば──、と思うところがありすぎる。
新年を迎えて最初に聴く曲を何にするか。
考え抜いて決める人もいれば、
私のようにパッと目に飛び込んできた曲にする人もいよう。
私が選んだ(というよりも聴いた)のは、
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、
カルロ・マリア・ジュリーニとウィーン交響楽団による
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番だ。
Qobuzのトップ画面を眺めていて、この曲になっただけである。
ミケランジェリのピアノが美しい。
音がきらめいている。
そのきらめきが、とにかく美しい。
これでよかったと、思っているし、
続けて、またベートーヴェンを聴くことにした。
クリュイタンスとベルリンフィルハーモニーによる交響曲全集だ。
第三番から聴き始めて、四番、コリオラン序曲、レオノーレ序曲、五番、六番と、
続けて聴いていた。こちらはMQA Studio。
「清らかな女神よ」(Casta Diva, カスタ・ディーヴァ)を、
最初に聴いたのはマリア・カラスではなく、シルヴィア・シャシュだった。
あのころ、シルヴィア・シャシュは「マリア・カラスの再来」と言われていた。
デッカから二枚、アルバムが出ていた。
バックが青のアルバムと赤のアルバムだったので、
勝手にシャシュの赤盤、青盤と呼んでいた。
青盤のほうは、TIDALやQobuzで聴くことができるのに、
どうしてだか赤盤の方は、どちらにもない。
しかも赤盤の方に、「清らかな女神よ」がおさめられている。
あのころはシルヴィア・シャシュを、マリア・カラスよりもよく聴いていた。
コンサートにも行ったし、そのコンサートがNHK FMで放送されたのを、
ステレオサウンドの試聴室で、
ケンウッドのチューナーとナカミチのカセットデッキでエアチェックもした。
なのにいつしかあまり聴かなくなってしまった。
ここ、二年ほど、TIDALで、いろんな人の「清らかな女神よ」を聴いた。
聴けば聴くほど、マリア・カラスなのか、という想いは強くなくばかり。
そして、シャシュの「清らかな女神よ」を、もう一度聴きたくなった。
CDでは二枚組の廉価盤で出ていたはずだが、買いそびれた──、
というよりも、その頃はシャシュから遠ざかっていた。
聴きたいおもいはつのる一方で、
先程、ヤフオク!で、イギリス盤(もちろんLP)を落札した。
オーディオ機器に関する情報を得るのに、インターネットを無視はできない。
トーレンスのTD124の復活のニュースを見た時は、
昔のメカニズムをリファインしてのモデルか、とほんのちょっとだけ期待したけど、
型番末尾のDDの二文字を見て、すぐにさとった。
TD124をダイレクトドライヴで復活させることの意味、
そんなこと、いまの時代、考えるだけ無駄なことなのか。
そんなふうに思いました。
それでもトーレンスが独自に開発したダイレクトドライヴならば、
期待は持てるかもしれない──、そう思うこともできるわけだが、
インターネットはそんな夢も見させてくれない。
輸入元のPDNのウェブサイトには、TD124のページはないが、
トーレンスのウェブサイトサイトには、もちろんある。
そこにはTD124のモーターの写真がある。
各社の製品に詳しい人ならば、すぐにわかるし、
そうでなくともGoogleで画像検索すると、わかることが出てくる。
トーレンスのTD124のダイレクトドライヴ版のTD124 DDが、
海外のオーディオショウで発表されたのは、数年前だった。
日本に輸入されるのだろうか、と思いながら、日本での続報はなかった。
昨年、PDNがトーレンスを取り扱うことになった。
TD124 DDのトーレンス創立140周年記念モデル、
TD124 DD 140th Anniversaryが140台の限定で発売になる。
不思議なのは、輸入元のPDNのウェブサイトには、
今日(1月2日)の時点では何の告知もないが、
ステレオサウンド 223号の巻末、
それからステレオサウンド・オンラインでは紹介されている。
限定140台のうちの一台を、抽選でステレオサウンドを介して発売されるようだ。
なぜ? と不思議に思う人はいるだろう。
憶測なのだが、
ステレオサウンドからトーレンス創立140周年を記念しての本が出るのかもしれないし、
そのことを絡めてのことなのだろう……。
「愛と孤独のフォルクローレ」が、世界思想社から出ているのを、
昨晩知った。
内容説明のところに、こうある。
《個人の物語を愛し、他者の音を聴かず、堂々と嘘を楽しむ…。》
オーディオも、全くそうだと思った。