「異相の木」(好きな音と正しい音・その4)
「オーディオは趣味だから、好きなようにやればいい」、
「オーディオは趣味だから、好きな音を出したらいい」、
他にもいくつもあるけれど、ソーシャルメディアでよく目にするのは、
「オーディオは趣味だから」で始まることだ。
共通しているのは、好きにしていい、ということのようだ。
けれど、本当にそれでいいのか。
そんなふうに疑問を持つことすらしないのか──。
美は結論である。
己の結論に節制をもつことが、オーディオマニアとしての「美」である、
と何度も書いている。
「オーディオは趣味だから」で始まることには、
どうにも節制がないように感じる。
昨年も、そんな音を聴いた。
そんな節制のない音を聴きながら、以前聴いた音を思い出していた。
別の人が鳴らしている音だったが、低音の鳴り方が共通していた。
相当に似ていたというより、本質的なところが同じだったのだろう。