My Favorite Things(チューナー篇・その11)
ステレオサウンド 43号。特集はベストバイ。
瀬川先生は、パイオニアのExclusive F3について、こう書かれていた。
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自宅で数ヶ月モニターしたのち、返却して他のチューナーにかえたら、かえってF3の音質の良さを思い知らされて、しばらくFMを聴くのがイヤになったことがある。C3やM4と一脈通じる、繊細で、ややウェットではあるが、汚れのない澄明な品位の高い音質で、やはり高価なだけのことはあると納得させられる。
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すでにセクエラのModel 1はあったし、その存在も知っていたけれど、当時中学生だった私は、普及クラスのチューナーからのステップアップは、このExclusive F3だな、と決めていた。
Exclusive F3は250,000円。
セクエラのModel 1は1,480,000円。
どちらも買えるわけではなかったけれど、セクエラへの道は途方すぎていて、
Exclusive F3の方がずっと現実的に思えていたからだ(錯覚ともいう」。
それに《C3やM4と一脈通じる、繊細で、ややウェットではあるが、汚れのない澄明な品位の高い音質》、ここに強く惹かれた。
女性ヴォーカルを聴くのに、これほど適したチューナーは他にはないように思えた、というよりも、そう思い込もうとしていた。