Archive for category 輸入商社/代理店

Date: 4月 6th, 2022
Cate: 輸入商社/代理店

十数年前のことを思い出す(その3)

2019年10月9日、
メリディアンの輸入元が、12月からオンキヨーになる、ということを聞いた。

驚きよりも、大丈夫なのか……、という不安の方が大きかった。
予感は的中することになった。

2019年12月からだったのが、2020年1月に、というふうになったし、
2020年1月になっても、オンキヨーのウェブサイトにメリディアンのページが作られることはなかった。

2020年、2021年、オンキヨーは何もしなかった、
何もできなかった、といっていい。
オーディオ雑誌にメリディアンが登場することはなかった。

やっと、そのメリディアンの輸入元がハイレス・ミュージックになる。
ハイレス・ミュージックが再開することになったわけだ。

こういう例は珍しい。
その1)で触れたジャーマン・フィジックスは、輸入元が変り、
数年後には取り扱い中止。結局、どこも扱わなくなってしまっている。

メリディアンはそうならなかった。
そうなる可能性もあった、と思っている。

ハイレス・ミュージックが再開しなければ、どこも手を上げなかっただろう。

Date: 8月 21st, 2021
Cate: 輸入商社/代理店

十数年前のことを思い出す(その2)

2019年10月に(その1)を書いている。
(その2)を書くつもりは、その時はまったくなかった。

メリディアンの新しい輸入元としてオンキヨーがきちんとやってくれるだろう──、
という期待を込めて、である。

2019年12月にオンキヨーにかわる、ということだったが、
オンキヨーのウェブサイトでは2020年1月から、とあった。

一ヵ月のずれ。
これは遅れなのだろうか。
そう思ったけれど、それにオンキヨーに関するウワサをいくつか聞いていたけれども、
それでもがんばってほしい、と思っていた。

それが不安に変っていく。
ウェブサイトにメリディアンのページすら、満足に作られていない。
1ページのみの、ごく簡単なものが、ずっとそのままだった。

そこにコロナ禍である。
オンキヨーに関するウワサでいいことは一つも聞くことはなかった。

そして、いまのオンキヨーである。
あえて書くまでもないだろう。

メリディアンの輸入元として、無責任な会社である。

Date: 10月 9th, 2019
Cate: 輸入商社/代理店

十数年前のことを思い出す(その1)

十数年前のインターナショナルオーディオショウの初日。
お目当てのブランドが、昨年までのブースにはなく、
まったく違う輸入元のブースに展示されていた。

驚いた。
昨年まで、というより、
ほんの少し前までの輸入元だった社長のKさんの表情は、いまも憶えている。

Kさんが、そのブランドに熱心に愛情深く取り組まれていたかを知っていただけに、
私も驚くだけでなく、がっかりでもあった。
Kさんにとっても突然のことだったらしい。

どの会社も商売である。
それまでの輸入元よりも多く売ってくれる可能性の高い輸入元に乗り換えるのは、
仕方ないことなのだろうか。

それにしても、突然すぎないのか──、と疑問に思う。

結果はどうだろうか。
新しい輸入元は、わずか数年で扱いをやめた。
それから、どこもそのブランドを扱うところは、いまもってない。

あのまま輸入元が変らなければ……、といまも思う。

今日、十数年前のインターナショナルオーディオショウの日のことを思い出すニュースがあった。
メリディアンの輸入元が、オンキヨーに12月に変る、ということだ。

十数年前のジャーマン・フィジックスの二の舞いにだけはならないでほしい。

Date: 5月 8th, 2018
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(左右されるブランドイメージ)

海外オーディオブランドが日本に輸入されることになったとき、
輸入元がどこなのかは、そのブランドイメージに少なからぬ影響を与える。

長いこと輸入されていて、ブランドイメージができあがっているところならばいいが、
日本に初めて輸入されるブランドだと、輸入元がどこなのかによって、
その時点でブランドイメージが少しばかりとはいえ、決ってしまう──、
というか、その輸入元のイメージによって染まってしまうところがある。

おもしろそうなブランドが輸入されることになっても、
輸入元によっては「なんだ、あそこなのか……」と思うわけだ。

それで聴く気が失せるほどではないにしても、
音を聴いて、それがいいモノであればあるほど、
別の輸入元だったら、もっと良かったのに……、とやはり思う。

つい最近もあった。
どのブランドなのか、どの輸入元なのか、
具体的なことは書かないが、好ましからぬウワサを聞く人が関係している輸入元の扱い、
たったそれだけのことではあっても、たったそれだけのことと無視できるわけでもない。

Date: 3月 25th, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その8)

黒田先生の「ついにききつくせず」は、いま読み返してもらいたい、と思う。
読むたびに、そうおもう。

ききこむについて、こうも書かれている。
     *
 しかし、ききこむという言葉が、もともとかなりの危険を含んでいるということは、やはりいっておかねばならない。つまりそれは、たかがつもりの言葉でしかないからだ。フルトヴェングラーのブルックナーをとことんききこんだけれどね——といっても、それはただ当人がそう思いこんでいるだけのことでしかない。にもかかわらず、ききこんだと言葉にしてしまった時、その音楽を充分にききつくしたと錯覚してしまいかねない。それが危険だ。さらにいえば、ききこむという言葉には、ききての、ききてとしての思いあがりが、感じとれる。どういう思いあがりかといえば、海の水を両手でくみあげきれるとたかをくくっている思いあがりだ。
 いかにききてとしての自分ががんばったところで、結局はききつくせるものではないと思う、つまりあきらめではない、今きいている音楽に対しての深い尊敬の念がないかぎり、音楽とのかかわり方は、ひどく浅薄なものになりかねない。ききこむなどという言葉を安易につかう人の発言は、おしなべて、ひどく底の浅いものであることが多い。
     *
「ききこむ」にしても「誠意」にしても、たかが言葉じゃないか、と思う人もいよう。
でも「ききこむ」にしても「誠意」にしても、
言葉にしてしまった時、言葉にしてしまった当人を錯覚へ誘い込む。

ほんとうに危険である。
気をつけていないと、危険であることにすら気づかない。

こうやって毎日ブログを書いていて気をつけなければ、と思っているのは、そのことである。

Date: 3月 24th, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その7)

誠意とは、自らいうことだろうか。
誠意をもって(あるオーディオ機器を)鳴らしました、
誠意をもって(あるオーディオ機器を)評価しました、
──そんなふうに自分でいってしまう人がいるのか。

少なくとも私が親しくしているオーディオ好きの友人には、そんな人はいない。

相手に誠意を要求してくる人はどうだろうか。
自社取り扱い製品を、誠意をもって聴いてほしい、
誠意をもって売ってほしい、
──そんなふうに相手に要求することなのだろうか。

誠意という言葉そのものが悪いわけではない。
だけど一度言葉として発してしまうと、薄っぺらな印象をまとってしまうように感じる。

そんなことを数日考えていて思い出したのは、
黒田先生が「ついにききつくせず」で書かれていた《ききこむ》についてである。
     *
 最近、ききこむという言葉がつかわれることの多いのを、お気づきだろうか。きくといえばたりるところを、ききこむという人が、すくなくない。なんとなくわざとらしい言葉で、好きになれないから、自分では使わないが、あのレコードをかなりききこんだんだけれどね──といったように、使う。ききこまれるのは、主にレコードのようだ。あのコンサートをかなりききこんだんだけれどね──とは、あまりいわない。
 ききこむとは、くりかえしきいて、さらに深くその音楽を理解しようとすることのようだ。そのこと自体、むろんわるいことではない。ただ、わざわざそういった大仰ないい方をしなくとも、それはこれまでに、誰もがしてきたことではないかという気持になる。それをことさらもっともらしく、敢えてききこむなどといわなければ納得できないところに、もしかするとそのききてのきき方の軽薄さがあるのではないかとかんぐってしまう。そういう、ききこむなどという言葉をつかう人は、普段はただ聞いているだけで、ろくに聴くことなどないのかもしれず、たまに聴いたりするもので、ことあらためてききこむなどといいたがるのではないか。
     *
《きくといえばたりるところを、ききこむという》、
ここでのわざとらしさと同じ感じを受けてしまうのが、
自分で「誠意をもって……」といってしまうことである。

Date: 3月 21st, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その6)

逸品館の人は、OPPOのSonica DACを試聴して、
感じたことそのままを文字にされたのだろう。

聴いて感じたままを文字で表現して、オーディオ機器の評価をする。
他人がどう感じようと、自分の耳にはこう聴こえた、こう感じた──、
そのことをすべて文字にすることは不可能であっても、できるだけ正確に文字にして伝える。

いまはインターネットという媒体があるから、その気になれば誰にでもやれることである。
文字数の制約もない。
個人であれば、ほとんど気兼ねすることなく書ける。

正直に書いた──、
ただそれだけで、誠意のある評価とほんとうにいえるのだろうか。
いいかえれば、うそいつわりのない評価と、ほんとうにいえるだろうか。

聴いた人(書いた人)は、うそは書いていない、というだろう。
聴いたままを、能力の及ぶ範囲で文字にした、と。

その意味では、うそいつわりは、そこにはない、ということになる。
それは誠意のある評価ともいえよう。

けれど、その評価が的外れなものであったら、どうなるか。
独りよがりすぎる聴き方で、うそいつわりがないとしても、
果して誠意のある評価となるのだろうか。

聴き方の問題だけではない。
独りよがりとはいえない聴き方であっても、
音を言葉で表現することの難しさに直面して、
そこで独りよがりに陥ることだってある。

そこでの評価に、誠意はあるといえるのか。

なにも逸品館の人の聴き方、表現がそうである、ということではない。
どんな人なのかも、私はまったく知らないので、一般論として書いている。

Date: 3月 19th, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その5)

逸品館のウェブサイトの別ページにも、
今回のOPPO Digitalとの件についての記述がある。
     *
※このページを作成する前に行った「Sonus Faber Venere S(Signature)の音質テスト」で、Sonica DACを高く評価しなかったと言うことが「oppo製品を誠意を持って販売する」という契約条項に違反したと言うことで、oppo Japanから一方的に契約解除され、逸品館ではoppo製品の販売を行うことができなくなりました。逸品館としては「お客様に誠意のある情報をご提供すること」を「メーカーへの忠誠心」よりも大切にしています。
     *
Sonica DACは聴いていない(興味もない)ので、
その実力がどの程度で、逸品館による評価が信用できるものであったのかはわからない。

それでもここで書きたいのは、誠意についてである。
逸品館は「oppo製品を誠意を持って販売する」という契約条項に違反したということで、
OPPO Digitalから契約解除された──、というのが逸品館の言い分である。

誠意とは、うそいつわりのない心。私利・私欲のない心のことである。
少なくとも辞書には、そう書いてある。

Sonica DACを聴いて、いくつかの欠点に気づいたとする。
そのことについて書かずには、持ち上げてしまう行為は、誠意からかけ離れたものである。

「oppo製品を誠意を持って販売する」ということは、
「oppo製品をうそいつわりのない心を持って販売する」ということのはずだ、本来ならば。

逸品館は、その意味では誠意を持ってSonica DACを販売していた、といえそうである。
ただOPPO Digitalの考える誠意が、うそいつわりのない心なのか、
それとも違うものなのかは、OPPO Digitalの代表者による言い分がほしいところだ。

Date: 3月 13th, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その4)

メーカーにとっても輸入元にとっても、自社製品、扱い製品の評価が高いことに文句はない。
つねに高い評価ばかりが得られるわけではない。

低い評価はないにこしたことはないが、
低い評価がなされたときにメーカーと輸入元は、受けとめ方に差があるように感じる。

メーカーは、評価の対象となったオーディオ機器を開発し製造している。
輸入元は、輸入しているだけである。開発・製造しているわけではない。

この立場の違いが、
低い評価(というよりメーカー側が気づいていない長所と短所)の受けとめ方に関わってくる。

短所をできるだけなくして、
さらに長所を活かして改良モデルを開発することができるのがメーカーである。
すべてのメーカーがそうだとは思っていないが、多くのメーカーがそうであろう。

けれど輸入元はどうだろうか。
低い評価が拡散してしまうことで、売上げに影響を与えるかもしれない。
そこでの低い評価に、建設的な意見があったとしても、
そのことを海外のメーカーに伝え、よりよい製品への改良していこうと考えているところもあれば、
そうでない輸入元もあるはずだ。

どこの輸入元が前者であり、後者がどこだとかは書かないし、
輸入元それぞれの内情を知っているわけでもない。
それでもこれまでの海外製品の扱い方をながく見ていると、
ここは前者だろうな、あそこは後者だろうな、というぐらいの見当はつく。

今回の逸品館のOPPOのSonica DACの評価が妥当なのかは、
Sonica DACの音を聴いてない私には、これ以上のことはいえない。

それでも逸品館の評価からOPPOの輸入元OPPO Digitalが得られることはあったのではないだろうか。
それに販売店と輸入元の関係だから、文字だけの一方的なものではなく、
直接の話もできるのだから(実際に電話で話されているのだから)、落し所はあったように思う。

Date: 3月 11th, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その3)

facebookで日本オーディオ協会をフォローしているから、
日本オーディオ協会がシェアした記事(投稿)は、私のfacebookに表示される。

ついさっきfacebbokを見ていたら、日本オーディオ協会がOPPO Digitalの投稿をシェアしていた。
OPPO Digitalは、KADOKAWA運営のASCII.jpの記事をシェアしている。

記事のタイトルは、『品薄で入手難、個人的にも興味があった「Sonica DAC」の実力は?』
Sonica DACの、逸品館の評価に輸入元は噛みついていて、
一方で、ASCII.jpの評価はfacebookでシェアしているわけだから、お気に召したようである。

このタイミングは偶然なのであろう。
にしても、タイミングがよすぎるし、あからさますぎるとも感じる。

輸入元がSonica DACの記事に求めているのは何かがわかりすぎる──、
といったら言い過ぎだろうか。

Date: 3月 11th, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その2)

今回の逸品館とOPPOの件を読んでいて、思い出したことがある。

私がまだステレオサウンドにいたころ、
あるスピーカーの新製品の記事に対し、輸入元からクレーム的なことがきたことがあった。

柳沢功力氏が、そのスピーカーを担当されていた。
記事に「悪女の深情け」とあった。

もちろんいい意味で使われていた。
けれど、「悪」という一文字が使われていたのが輸入元の気に障ったようだ。

悪女の深情けは、ありがた迷惑だという意で使う、と辞書にはあるが、
そこでは、情の深い音を聴かせる、という意でのことだった。

そのことは前後の文章を読めばすぐにわかることだった。
にも関わらず、クレーム的なことが来た。

柳沢功力氏の話だと、最初は輸入元の担当者も喜んでいた、
けれどとある販売店から、何かをいわれたそうである。
それをきっかけに、ころっと態度が変ってしまった、ということらしい。

当惑とは、こういうことなのか、と当時思っていた。
書かれた柳沢功力氏も編集部も、放っておこう、ということで一致した。

このことは今回の逸品館とOPPOの件とは違うけれど、
輸入元の仕事とは──、について考えるのであれば、似ているというより、
同じであると捉えることもできる。

Date: 3月 11th, 2017
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(OPPOと逸品館のこと・その1)

昨晩、寝る前にfacebookを見ていたら、えっ?、と思うようなことがあった。
逸品館がOPPOの取り扱いをやめる、とそこには書いてあった。

リンク先のソナス・ファベールのVenere Sの試聴記事を読む。
昨晩は酔いが残っていたら、そのまま寝てしまったが、
そうでなければ、そのままブログを書いていた。

こんなことをやる輸入元があるのかと思った。
記事の最後に太字で書き加えられている。
その冒頭に、次のように書かれてあった。
     *
※このページを最初書いたときに、「oppo」社の商品を低く評価したとoppo Japanに判断され、即時「逸品館でoppoの製品は売らせない。即時契約を解除する」旨の連絡が、oppo代表取締役から、弊社の「社員宛」にありました。文章の不適切と思われる部分を訂正し、翌日こちらから電話しましたが、契約解除の方針は変わらないと言うことでした。
     *
私が逸品館の、そのページを読んだときにはすでに「不適切と思われる部分」が訂正されたあとである。
最初は、どう書かれていたのかはわからない。

それに逸品館の言い分はウェブサイトにあるが、
この件に関するOPPOの輸入元の言い分はない。

だから逸品館の言い分だけを読んで──、ということは控えたいが、
それでも、輸入元の判断・行動には首を傾げざるをえない。

今回のことは輸入元として賢明なことなのだろうか。
輸入元の仕事とは──、ということをさらに考えるきっかけともいえる。

Date: 12月 11th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(リザイエとノア)

少し驚いたことがある。
カウンターポイント、スレッショルド、ボウ・テクノロジーズ、マイケルソン&オースチン、VTLの修理を、
12月25日が最終受けつけとなることを、11月にノアが発表している

VTL以外のメーカーはすでに活動を停止している。
マイケルソン&オースチンといえばTVA1がその代表機種だが、TVA1は1979年に登場している。
かなり長いこと製造されてきたとはいえ、1990年ごろには製造をやめていたと記憶している。
この記憶が正しければ、最後に製造されたモノでも25年、初期のモノであれば35年以上が経過している。

ノアがカウンターポイントの修理を受けつけていたことは知っていたが、
マイケルソン&オースチンの修理をいままで受けつけていたことに、少々驚いた。
とっくに修理はやめていたものだと、勝手に思っていたからだ。

だから今回の修理をやめてしまうことを聞いても、いままでよくやってくれたな、とは思っているし、
仕方ないことだとも思っている。

けれど、昨日書いたリザイエのサイトには、
カウンターポイント、スレッショルド、ボウ・テクノロジーズ、マイケルソン&オースチン、VTLの修理を受けつけるとある。

おやっ、と思った。
なんとタイミングがいいんだろうか、と。
考えた。

これはあくまでも私の勝手な推測でしかないのだが、
リザイエの設立にはノアの協力があったのではないだろうか。
そう思えてならない。

VTL以外の会社はすでにないわけだから、修理に必要な技術資料はどこかから入手しなければならない。
それに回路図があれば、満足のいく修理ができるとは限らない。

修理には高い技術力とノウハウも必要となる。
にも関わらず、ハーマンインターナショナル、山水電気、シュリロ貿易、ヘビームーンが扱ってきたことのないブランドの修理を手がける。
ということはJBLやマークレビンソンなどと同じレベルで修理できるということのはずだ。

満足のいく修理ができないのであれば、修理を受けつけるブランドに、
カウンターポイント、スレッショルド、ボウ・テクノロジーズ、マイケルソン&オースチン、VTLは加えないはずだ。
それをあえて加えている。

これが意味することを考えると、ノアのなんらかの協力があったと。私は勝手にそう思っている。
そして技術資料、修理のノウハウ、補修部品もノアから提供があったのではないのか。

修理をただやめてしまうのではない。
ここに、ノアのオーディオの輸入商社としての義があるように感じている。

Date: 5月 9th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(続Devialetのケース)

デジタル技術が高度になればなるほど、サポートは、輸入元にとって無視出来ない問題となってくるはず。

いま家電量販店のスマートフォン売場をみていると、
設定サービスの料金表が大きく、目につくように貼り出されているところがほとんどということに気づく。

アドレス帳移行、メール設定、twitter設定、Gmail設定、パソコン同期設定、OSのヴァージョンアップ……、
まだまだこまかくいろいろとある。
それぞれに当然だけれど、価格が設定されている。
大半が1000円で、その上が1500円くらいである。
すべての設定をまかせてしまうと、けっこうな金額になってしまう。

それでもいろんな家電量販店がこれらのサービス(といえるのか)をやっているのは、
それだけの需要があり儲けとなるからなのだろう。

こんなのを見ていると、
これからのオーディオも似たようにものになっていくのであろうか、と想像してしまう。

パソコンとの接続サービス、OSのヴァージョンアップ・サービス、
アプリケーションのヴァージョンアップなどをはじめ、
あらゆることでこまかく料金が設定されていくのだろうか。

そんな輸入元も出てくるであろう。
そうはなってほしくない、と思っている。
けれど、これからますますパソコン、タブレットなどとの連携が深まっていくデジタルオーディオ機器、
それも自社開発ではなく海外製品の輸入であった場合、
輸入元の負担は製品によって違ってくるとはいえ、たいへんになっていくのは間違いない。

それでも輸入元なのだから、すべてをしっかりサポートしなければならない、というのは、
無理を押し通すようなものではないのか。

輸入元が、大手の家電メーカーのように全国にセービスセンターをもてる規模であるならば、
要求もできようが、実際にはそうではないし、
大手の家電メーカーですらサービスセンターを閉鎖して縮小している。

これはオーディオ販売店との密接な協力関係を築いていくしかないのではないか。
特約店の数を絞ってでも、きちんとサポート出来る販売店スタッフを増やしていく。
輸入元がたんなる輸入代理店ではなく輸入商社であるためには、
オーディオ販売店をふくめたシステムをつくっていくことではないのか。

Date: 5月 9th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(Devialetのケース)

フランスのDevialet(デビアレ)の輸入元は現在ステラだが、六月いっぱいで契約終了となる。

このニュースを見て、驚く人もいれば、私のように「またか、やっぱりな」と思う人もいよう。
なぜ「またか、やっぱりな」と思った理由についてはまだ書かないけれど、
デビアレは注目していたブランドだけに次の輸入元が早く決ってほしい、と思う一方で、
もしかするとなかなか決らないのではないか……、そうも思っている。

オーディオにデジタル技術が採り入れられるようになってきて、
輸入元の仕事は、アナログ技術だけだった時代よりも大変になってきていると想像できる。

まだCDプレーヤーだけだった時代はよかった。
いまはオーディオ機器以外との接続を要求するモノが登場してきている。
そのため輸入元の負担は確実に増えているはずである。

これまではその製品についてのサービスだけで済んでいたのが、
どういう機器とどういう接続なのか、
その機器のOSの種類、ヴァージョンなど、ユーザーによってひどく違ってくる要素が入りこんでいる。

しかもそれらを使う人の技倆も、またひとそれぞれであるから、
最新の機器を使っているから技倆が高いとはいえない。

しかも使っている人の性格もまた人それぞれである。
こんなことをこまかく書いていったらキリがない。

とにかくパソコンやタブレット、スマートフォン、および周辺機器との接続が求められるオーディオ機器の場合、
そのサポートは大変なことは明白である。
しかも以前のオーディオ機器はハードウェアだけだった。
いまは違う、ソフトウェアの問題もそこに絡んでくる。

オーディオ機器もソフトウェアのヴァージョンアップが当り前になりつつある。
そういう時代に、手のかかるブランド(オーディオ機器)を取り扱うところがすぐにあらわれるだろうか。
そう思ってしまうのだ。

早く次の輸入元が決ってほしい、と思いつつも、
もしかすると……、という不安もまたある。