十数年前のことを思い出す(その1)
十数年前のインターナショナルオーディオショウの初日。
お目当てのブランドが、昨年までのブースにはなく、
まったく違う輸入元のブースに展示されていた。
驚いた。
昨年まで、というより、
ほんの少し前までの輸入元だった社長のKさんの表情は、いまも憶えている。
Kさんが、そのブランドに熱心に愛情深く取り組まれていたかを知っていただけに、
私も驚くだけでなく、がっかりでもあった。
Kさんにとっても突然のことだったらしい。
どの会社も商売である。
それまでの輸入元よりも多く売ってくれる可能性の高い輸入元に乗り換えるのは、
仕方ないことなのだろうか。
それにしても、突然すぎないのか──、と疑問に思う。
結果はどうだろうか。
新しい輸入元は、わずか数年で扱いをやめた。
それから、どこもそのブランドを扱うところは、いまもってない。
あのまま輸入元が変らなければ……、といまも思う。
今日、十数年前のインターナショナルオーディオショウの日のことを思い出すニュースがあった。
メリディアンの輸入元が、オンキヨーに12月に変る、ということだ。
十数年前のジャーマン・フィジックスの二の舞いにだけはならないでほしい。