Archive for category 電源

Date: 6月 10th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その22)

その5)と別項「電源に関する疑問(バッテリーについて・その2)」で書いていること。

乾電池、充電式バッテリーを含め、
電池の類は残量と音に関係性があって、
どうも残り少なくなってきてからのほうが好結果が得られる、という感触を持っている。

5月のaudio wednesdayでも、
6月のaudio wednesdayでも、
残量がかなり減ったところでかけた曲の鳴り方は見事、というか凄かった。

5月の時は、カザルスとゼルキンによるベートーヴェンのチェロ・ソナタ、
6月の時は、フルトヴェングラーによるブラームスの交響曲第一番、
どちらも残量はわずかだった。

Date: 6月 7th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その21)

6月5日のaudio wednesdayでは、(その20)で書いているとおり、
メリディアンのULTRA DACの電源は、
アンカーのモバイルバッテリー、PowerHouse 90から供給した。

正確に時間を計ったわけではないが、四時間ほどは大丈夫だった。
フルトヴェングラーのブラームスのときは、PowerHouse 90を使っている。

ULTRA DACのほかに、roonのNucleusにも使っている。
PowerHouse 90が二台あったからだ。

消費電力はNucleusのほうが大きいようである。
Nucleusに使ったPowerHouse 90は、本番が始まる四十分ほど前に、
いったん外して充電を行っている。
ULTRA DACで使っていたモノよりも早く、残量表示のLEDが減っていった。

PowerHouse 90は、どちらとも前日にフル充電している。
とはいえ、PowerHouse 90はどうもロットによって多少違いがあるように感じる。
なので、どちらの消費電力が大きいとか、はっきりしたところまではいえない。

もし三台揃っていたら、スイッチングハブにも使っていた。

とにかくPowerHouse 90でULTRA DACが四時間ほど使えるというのは、
十分実用になる、といえる。

PowerHouse 90ではなく、もっと大容量のバッテリー電源を使えば──、
とは私も思っているが、静かで持ち歩けて、というPowerHouse 90はなかなか魅力的だ。

実際に比較試聴してみないとなんともいえないのだが、
バッテリーの容量が大きくなり、それに伴いサイズも大きくなることは、
音質的にほんとうに有利に働くのだろうか。
そんな疑問もある。

実際のところ、どうなんだろうか。

Date: 5月 29th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その20)

メリディアンの218に最初に使った。
次は、サウンドラボのコンデンサー型スピーカーに使ってみた。
そしてマランツのModel 7にも、
アンカーのモバイルバッテリー、PowerHouse 90を使った。

いずれも好結果が得られた。
ならば次に試したいのは、6月5日のaudio wednesdayでのメリディアンのULTRA DACだ。

ULTRA DACのリアパネルには、“40W max”とある。
たぶん使えるはずである。

どれだけの時間使えるのかは、なんともいえないので、
まず開始前にどういう変化が得られるのかを確認したうえで、
三時間すべてPowerHouse 90を使うのではなく、残り一時間ほどで使ってみたい。

Date: 5月 27th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その19)

昨晩の野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会では、
マランツのModel 7の電源はアンカーのモバイルバッテリー、PowerHouse 90から供給した。

PowerHouse 90についている残量計はあまり当てにならないという意見もあるが、
とりあえず信用することにして、一時間半の使用ではまったく問題なく、
おそらく倍の三時間は余裕で使えそうな感じを受けた。

それでも、このへんのことは実証してみないとなんともいえないが、
Model 7の消費電力が35Wだとすれば、実用になる容量といえる。

壁のコンセントからの供給とどれだけ音が違ってくるのか。
ケース・バイ・ケースとしかいいようがない。

50Hzの地区か60Hzの地区かでも違ってくるし、
電源ラインに混入してくるノイズの量によっても違いは生じる。

それでもPowerHouse 90は高価なモノではないし、
あまり音質に寄与しないという結果になったとしても、
オーディオとは関係ないところではきちんと使えるのだから、
まずは使ってみたら、といいたい。

私の周りでは二人が購入。二人とも満足している、とのこと。

Date: 5月 25th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その18)

明日(5月26日)の野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会でも、
アンカーのモバイルバッテリー、PowerHouse 90を、
マランツのModel 7に使ってみようと考えている。

いうまでもなくModel 7はアメリカのアンプだから、
50Hzではなく60Hzにしたいし、電源電圧も100Vではなく110Vにしたい。

Model 7の消費電力は35Wとなっている。
PowerHouse 90で、どのくらいの時間持つのか、
音はどう変化するのか、試してみないことにはなにもいえないが、
明日の楽しみの一つである。

Date: 5月 6th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その17)

5月1日のaudio wednesdayでも、
アンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90を使っている。

メリディアンのD/Aコンバーター、218の電源をPowerHouse 90をとった。
消費電力が5Wと小さいため、PowerHouse 90の容量でも十分実用になる。
しかもどちらも小さく軽いので、
audio wednesdayの音出しのための持ち運びが楽というのも、
私にとっては、大きなメリットである。

システムのどこかをAC電源から完全に独立させることは、音質向上に大きく寄与する。
いまでは容量がかなり大きなモバイルバッテリーがあるから、
218のように消費電力が小さいモデルを選ばなくても、問題ない。

モバイルバッテリーを使わずとも絶縁トランスを使えば──、という人もいるが、
ストレーキャパシティが存在する限り、完全な分離は無理である。

このあたりのことは富田嘉和氏が、
ラジオ技術にかなり詳しい記事を連載されていたので、そちらも参考にしていただきたい。

5月のaudio wednesdayの音は、PowerHouse 90を使っていなければ、
ずいぶん違う結果になっていただろう。

Date: 3月 8th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その16)

3月6日のaudio wednesdayでは、
アンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90が二台揃った。

一台は私の、もう一台は常連のHさんが持ち込まれたモノ。
私のPowerHouse 90は、前回と同じく、サウンドラボのスピーカーへの電源供給。

サウンドラボのコンデンサー型スピーカーの消費電力は2Wと発表されている。
もしかするともう少し大きいのかもしれない──、
と思っていたけれど、輸入元のクリストファーさんによると、やはり2Wとのこと。
実測中の写真も見せてもらった。たしかに2Wである。

ということは二台で4W。20W以下の消費電力ということで、
自動的に十五分ほどで電源が落ちるはずなのに、今回も問題なく最後まで、
約五時間ほど使えたし、残量も前回とほぼ同じだった。

HさんのPowerHouse 90もサウンドラボに接いでみればよかったのだが、
当日は、ちょっとばかりいろいろやっていて、その時間を確保できなかった。

HさんのPowerHouse 90は、会の最後のほうで、ハブ用に使った。
この効果はかなり大きかったと感じている。

昨日の「audio wednesday (next decade) – 第二夜を終えて」で書いている、
カザルスのバッハの素晴らしさは、このことも大きく関係しているように感じている。

Date: 3月 5th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その15)

アンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90を購入された方からの報告があった。
フォノイコライザーに使用したところ、十五分ほどで電源が落ちてしまう、とのこと。

アンカーに問い合せたところ、20W以下の消費電力の機器への供給の場合、
自動的に落ちてしまう設計になっている、とのこと。

先月、サウンドラボのスピーカーを鳴らしたとき、ずっと使用できていた。
どういうことなのだろうか。

私が購入したPowerHouse 90に、その機能が搭載されていないのか、
それともサウンドラボのスピーカーの消費電力が一台あたり10Wを超えていて、
二台で20Wを超える消費電力になっていたのか。

いまのところ、どちらなのかははっきりしない。
明日、そのPowerHouse 90を持ち込まれるので、実際どうなのかを検証できる。

Date: 2月 28th, 2024
Cate: 電源

ACアダプターという電源(その5)

スイッチング電源で試してみたいことの一つが、CR方法である。
CR方法については別項で書いているので省略するが、
リニア電源の電源トランスでは、すでにその効果を確認している。

スイッチング電源にもトランスはある。
リニア電源の周波数、50Hz、60Hzよりもずっと高いためかなり小型のトランスなのだが。
巻線の直流抵抗は、リニア電源の大型のトランスよりもずっと低い。

だからどの程度の効果が得られるのか、なんともいえないが、
音がまったく変化しないということはないはずだ。

Date: 2月 24th, 2024
Cate: 電源

ACアダプターという電源(その4)

NUC用のDC19Vの電源を自作してみるのはおもしろいと思いながら、
どんな回路構成にするのか、あれこれ考えているところなのだが、
いまのこの時が、実はいちばん楽しかったりする。

リニア電源といっても、シリーズ型にするのかシャント型するのか。

NUC付属のACアダプターは、19V/4.74A仕様。
同容量の電源をシャント型で作るとなると、発熱量がけっこう大きくなる。
となるとシリーズ型なのか。
でも心情的にはシャント型でやってみたい──、
そんなことを考えているところだ。

実際に作るのかどうか、本人も疑っている。
それでも自作する場合に備えて、一つの基準となる電源が欲しい。

付属のACアダプターを基準(リファレンス)としてもいいのだけれど、
なんとなくスイッチング電源であっても、GaN採用のモノにしたい。

19V/5A以上で、GaN採用のACアダプターは、それほど多くない。
それでも選択肢はいくつかある。
どれにするか。

容量的にも一つの基準として捉えたいので、
付属のアダプターよりも大きいモノにしたい。

さきほど注文したところ。
19V/6.3A仕様である。

付属のアダプターとどれぐらい音が違ってくるのか。
可能性の大きさを感じられれば、積極的に手を加えてみたい。

Date: 2月 18th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その14)

こんなこと書かなくとも、常識もしくは共通認識として、
広く知られているはず──、ついそう思い込んでしまったりする。

けれど後になって、意外にもそうでなかったりしたことがこれまでにもけっこうな回数あった。
ここではアンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90について書いているところだが、
このPowerHouse 90はバッテリーから、つまりDCからACを作り出している。

つまりそのための電子回路が内蔵されているわけで、
その電子回路を介して、PowerHouse 90のAC出力(110V、60Hz)が得られている。

当然なのだが、アンプと同じように、
本領発揮ともなると、この電子回路のウォームアップの時間というのが必要となる。

アンプが電源をいれてすぐに、本来の音を鳴らしてくれないように、
PowerHouse 90もウォームアップの時間を必要とする。

もちろん通常のAC電源からPowerHouse 90にすれば、
音の変化は小さくないが、それでもしばらく電源供給の状態にしておくことで、
音が変化するポイントがある。

Date: 2月 12th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その13)

ここに書いていることを読んで、
コンデンサー型スピーカーへの電源供給を、
モバイルバッテリーが作り出すAC電源で、という人がいるのかはなんともいえない。

数人くらいはいるかもしれない。
その中には、PowerHouse 90一台で好結果が得られたのならば、
左右のスピーカーにPowerHouse 90を一台ずつ用意すれば、
バッテリー自体も長持ちするし、音もさらに良くなるのではないか。
そんなうふに考える人もいるかもしれない。

けれど、ほんとうにPowerHouse 90一台よりも二台のほうが好結果が得られるだろうか。
PowerHouse 90は60Hzの交流を供給できるが、
複数台使用にあたって、その60Hzを同期させることはできない。

それぞれ独立した60Hzが供給されるわけで、
そのことによる影響がないとは考えにくい。
仮になかったとしても、複数台使用であれば同期していたほうが精神的には好ましい。

なので3月6日のaudio wednesdayでは、一台のPowerHouse 90からの供給のままだ。

Date: 2月 9th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その12)

2月7日のaudio wednesday (next decade) – 第一夜では、サウンドラボ 735を鳴らした。
735はコンデンサー型スピーカーだから電源を必要とする。
一台あたり2W程度の消費電力である。

このくらいならばモバイルバッテリーからでも数時間ならば、十分実用になるはず。
アンカーのPowerHouse 90から、AC110V、60HzのAC電源を735へと供給した。

音は変化するのは、試す前からわかっていたことだし、
いい方向への変化なのも予想はついていた。
問題は、どのくらいの時間、使えるのかだ。

audio wednesdayは三時間である。
その前から鳴らしているわけだから、2月7日はほぼ五時間、
PowerHouse 90から735へと電源を供給していた。

終了してPowerHouse 90のインジケーターをみると、六割程度の残量だった。
ということは2W+2W程度の消費電力であれば、十時間以上は使えるはずだ。

サウンドラボはアメリカの会社だから、
サウンドラボのコンデンサー型スピーカーにとっては60Hzが標準といえる。
東日本は残念ながら50Hz。

PowerHouse 90を使えば60Hzを供給できる。
このメリットは小さくない。

Date: 2月 4th, 2024
Cate: 電源

ACアダプターという電源(その3)

先日届いたNUCは、DC19Vの電源を必要とする。
スイッチング電源によるACアダプターが付属している。

最初はこのアダプターで聴くわけだが、
電源で音が変化するのはNUCであっても同じことだ。

となると、いつまでも付属のACアダプターのままではなく、
いくつか試してみるわけだ。

まずはGaN採用のACアダプターがある。
19Vのモノもある。それほど高いわけではない。
まずは、これを試す。

そしてやってみたいのはリニア電源である。
NUC用のリニア電源も、いくつか製品化されている。
けっこうな価格のモノもある。

それらのどれかを買ってくるのが手っ取り早い。
けれど、リニア電源を自作するという手もある。

容量的に十分すぎる電源トランスが、一つ手元にあるのでこれを利用するとして、
電源回路はどうするか。

TL431を基準電圧として使う予定でいる。

Date: 10月 6th, 2023
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その11)

アンカーのPowerHouse 90は、ある人に貸し出している。

バッテリー電源というと、こんな先入観を持っている人も少なくないと思う。
S/N比はよくなっても、線の細い音になってしまう──、
つまり音の力感に欠けてしまう──、
そんなふうに思われがちではないだろうか。

バッテリー電源といっても、さまざまな種類と容量があって、
その使い方によっても、音は変化してくるのだから、
一概はそうとはいえないまでも、なんとなくそういう印象がついてまわってもいる。

今回、貸し出した人もそう思っていたそうだ。
ところが、そんな予想とは異なり、鳴りっぷりも不満なかった、とのことだった。

そうだろう、と私は思っている。
バッテリー電源といっても、直接DC電源を供給しているのではなく、
AC110V、60Hzに変換しての供給である。

ここで注意したいのは、正弦波であるかどうかである。
この手の製品は、アンカー以外にも各社から出ている。

PowerHouse 90よりも安価で容量の大きな製品もあるが、
それは果たして正弦波出力だろうか。

疑似正弦波出力のものもけっこうある。
アンカーは純正弦波出力を謳っている。

実際に、その波形を見て確認したわけではないが、
音を聴く感じでは、正弦波だと信じている。

私は、(その9)で書いているように、
メリディアンの218用に使っている。

210用にもう一台購入しようか、とも考えている。
210は218よりも消費電力が大きい。
218の5Wに対して15Wである。

このくらいならば、十分使えるはず。
30W前後の消費電力の製品でもいけるような気はしている。

マランツのModel 7の消費電力は、確か35Wである。
Model 7の電源をPowerHouse 90からとれば、
アメリカと同じ60Hzになるし、110Vだから昇圧トランスも不要になる。