Archive for category 電源

Date: 3月 8th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その16)

3月6日のaudio wednesdayでは、
アンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90が二台揃った。

一台は私の、もう一台は常連のHさんが持ち込まれたモノ。
私のPowerHouse 90は、前回と同じく、サウンドラボのスピーカーへの電源供給。

サウンドラボのコンデンサー型スピーカーの消費電力は2Wと発表されている。
もしかするともう少し大きいのかもしれない──、
と思っていたけれど、輸入元のクリストファーさんによると、やはり2Wとのこと。
実測中の写真も見せてもらった。たしかに2Wである。

ということは二台で4W。20W以下の消費電力ということで、
自動的に十五分ほどで電源が落ちるはずなのに、今回も問題なく最後まで、
約五時間ほど使えたし、残量も前回とほぼ同じだった。

HさんのPowerHouse 90もサウンドラボに接いでみればよかったのだが、
当日は、ちょっとばかりいろいろやっていて、その時間を確保できなかった。

HさんのPowerHouse 90は、会の最後のほうで、ハブ用に使った。
この効果はかなり大きかったと感じている。

昨日の「audio wednesday (next decade) – 第二夜を終えて」で書いている、
カザルスのバッハの素晴らしさは、このことも大きく関係しているように感じている。

Date: 3月 5th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その15)

アンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90を購入された方からの報告があった。
フォノイコライザーに使用したところ、十五分ほどで電源が落ちてしまう、とのこと。

アンカーに問い合せたところ、20W以下の消費電力の機器への供給の場合、
自動的に落ちてしまう設計になっている、とのこと。

先月、サウンドラボのスピーカーを鳴らしたとき、ずっと使用できていた。
どういうことなのだろうか。

私が購入したPowerHouse 90に、その機能が搭載されていないのか、
それともサウンドラボのスピーカーの消費電力が一台あたり10Wを超えていて、
二台で20Wを超える消費電力になっていたのか。

いまのところ、どちらなのかははっきりしない。
明日、そのPowerHouse 90を持ち込まれるので、実際どうなのかを検証できる。

Date: 2月 28th, 2024
Cate: 電源

ACアダプターという電源(その5)

スイッチング電源で試してみたいことの一つが、CR方法である。
CR方法については別項で書いているので省略するが、
リニア電源の電源トランスでは、すでにその効果を確認している。

スイッチング電源にもトランスはある。
リニア電源の周波数、50Hz、60Hzよりもずっと高いためかなり小型のトランスなのだが。
巻線の直流抵抗は、リニア電源の大型のトランスよりもずっと低い。

だからどの程度の効果が得られるのか、なんともいえないが、
音がまったく変化しないということはないはずだ。

Date: 2月 24th, 2024
Cate: 電源

ACアダプターという電源(その4)

NUC用のDC19Vの電源を自作してみるのはおもしろいと思いながら、
どんな回路構成にするのか、あれこれ考えているところなのだが、
いまのこの時が、実はいちばん楽しかったりする。

リニア電源といっても、シリーズ型にするのかシャント型するのか。

NUC付属のACアダプターは、19V/4.74A仕様。
同容量の電源をシャント型で作るとなると、発熱量がけっこう大きくなる。
となるとシリーズ型なのか。
でも心情的にはシャント型でやってみたい──、
そんなことを考えているところだ。

実際に作るのかどうか、本人も疑っている。
それでも自作する場合に備えて、一つの基準となる電源が欲しい。

付属のACアダプターを基準(リファレンス)としてもいいのだけれど、
なんとなくスイッチング電源であっても、GaN採用のモノにしたい。

19V/5A以上で、GaN採用のACアダプターは、それほど多くない。
それでも選択肢はいくつかある。
どれにするか。

容量的にも一つの基準として捉えたいので、
付属のアダプターよりも大きいモノにしたい。

さきほど注文したところ。
19V/6.3A仕様である。

付属のアダプターとどれぐらい音が違ってくるのか。
可能性の大きさを感じられれば、積極的に手を加えてみたい。

Date: 2月 18th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その14)

こんなこと書かなくとも、常識もしくは共通認識として、
広く知られているはず──、ついそう思い込んでしまったりする。

けれど後になって、意外にもそうでなかったりしたことがこれまでにもけっこうな回数あった。
ここではアンカーのモバイルバッテリーのPowerHouse 90について書いているところだが、
このPowerHouse 90はバッテリーから、つまりDCからACを作り出している。

つまりそのための電子回路が内蔵されているわけで、
その電子回路を介して、PowerHouse 90のAC出力(110V、60Hz)が得られている。

当然なのだが、アンプと同じように、
本領発揮ともなると、この電子回路のウォームアップの時間というのが必要となる。

アンプが電源をいれてすぐに、本来の音を鳴らしてくれないように、
PowerHouse 90もウォームアップの時間を必要とする。

もちろん通常のAC電源からPowerHouse 90にすれば、
音の変化は小さくないが、それでもしばらく電源供給の状態にしておくことで、
音が変化するポイントがある。

Date: 2月 12th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その13)

ここに書いていることを読んで、
コンデンサー型スピーカーへの電源供給を、
モバイルバッテリーが作り出すAC電源で、という人がいるのかはなんともいえない。

数人くらいはいるかもしれない。
その中には、PowerHouse 90一台で好結果が得られたのならば、
左右のスピーカーにPowerHouse 90を一台ずつ用意すれば、
バッテリー自体も長持ちするし、音もさらに良くなるのではないか。
そんなうふに考える人もいるかもしれない。

けれど、ほんとうにPowerHouse 90一台よりも二台のほうが好結果が得られるだろうか。
PowerHouse 90は60Hzの交流を供給できるが、
複数台使用にあたって、その60Hzを同期させることはできない。

それぞれ独立した60Hzが供給されるわけで、
そのことによる影響がないとは考えにくい。
仮になかったとしても、複数台使用であれば同期していたほうが精神的には好ましい。

なので3月6日のaudio wednesdayでは、一台のPowerHouse 90からの供給のままだ。

Date: 2月 9th, 2024
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その12)

2月7日のaudio wednesday (next decade) – 第一夜では、サウンドラボ 735を鳴らした。
735はコンデンサー型スピーカーだから電源を必要とする。
一台あたり2W程度の消費電力である。

このくらいならばモバイルバッテリーからでも数時間ならば、十分実用になるはず。
アンカーのPowerHouse 90から、AC110V、60HzのAC電源を735へと供給した。

音は変化するのは、試す前からわかっていたことだし、
いい方向への変化なのも予想はついていた。
問題は、どのくらいの時間、使えるのかだ。

audio wednesdayは三時間である。
その前から鳴らしているわけだから、2月7日はほぼ五時間、
PowerHouse 90から735へと電源を供給していた。

終了してPowerHouse 90のインジケーターをみると、六割程度の残量だった。
ということは2W+2W程度の消費電力であれば、十時間以上は使えるはずだ。

サウンドラボはアメリカの会社だから、
サウンドラボのコンデンサー型スピーカーにとっては60Hzが標準といえる。
東日本は残念ながら50Hz。

PowerHouse 90を使えば60Hzを供給できる。
このメリットは小さくない。

Date: 2月 4th, 2024
Cate: 電源

ACアダプターという電源(その3)

先日届いたNUCは、DC19Vの電源を必要とする。
スイッチング電源によるACアダプターが付属している。

最初はこのアダプターで聴くわけだが、
電源で音が変化するのはNUCであっても同じことだ。

となると、いつまでも付属のACアダプターのままではなく、
いくつか試してみるわけだ。

まずはGaN採用のACアダプターがある。
19Vのモノもある。それほど高いわけではない。
まずは、これを試す。

そしてやってみたいのはリニア電源である。
NUC用のリニア電源も、いくつか製品化されている。
けっこうな価格のモノもある。

それらのどれかを買ってくるのが手っ取り早い。
けれど、リニア電源を自作するという手もある。

容量的に十分すぎる電源トランスが、一つ手元にあるのでこれを利用するとして、
電源回路はどうするか。

TL431を基準電圧として使う予定でいる。

Date: 10月 6th, 2023
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その11)

アンカーのPowerHouse 90は、ある人に貸し出している。

バッテリー電源というと、こんな先入観を持っている人も少なくないと思う。
S/N比はよくなっても、線の細い音になってしまう──、
つまり音の力感に欠けてしまう──、
そんなふうに思われがちではないだろうか。

バッテリー電源といっても、さまざまな種類と容量があって、
その使い方によっても、音は変化してくるのだから、
一概はそうとはいえないまでも、なんとなくそういう印象がついてまわってもいる。

今回、貸し出した人もそう思っていたそうだ。
ところが、そんな予想とは異なり、鳴りっぷりも不満なかった、とのことだった。

そうだろう、と私は思っている。
バッテリー電源といっても、直接DC電源を供給しているのではなく、
AC110V、60Hzに変換しての供給である。

ここで注意したいのは、正弦波であるかどうかである。
この手の製品は、アンカー以外にも各社から出ている。

PowerHouse 90よりも安価で容量の大きな製品もあるが、
それは果たして正弦波出力だろうか。

疑似正弦波出力のものもけっこうある。
アンカーは純正弦波出力を謳っている。

実際に、その波形を見て確認したわけではないが、
音を聴く感じでは、正弦波だと信じている。

私は、(その9)で書いているように、
メリディアンの218用に使っている。

210用にもう一台購入しようか、とも考えている。
210は218よりも消費電力が大きい。
218の5Wに対して15Wである。

このくらいならば、十分使えるはず。
30W前後の消費電力の製品でもいけるような気はしている。

マランツのModel 7の消費電力は、確か35Wである。
Model 7の電源をPowerHouse 90からとれば、
アメリカと同じ60Hzになるし、110Vてのだから昇圧トランスも不要になる。

Date: 9月 3rd, 2023
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その10)

別項「ワイドレンジ考(その8)」で書いたことを、もう一度書いておく。

AC電源のオーディオ機器を二台以上接続することで発生する多重ループの問題を低減するのに有効なのは、
バッテリー式電源の採用か絶縁トランスの採用である。
絶縁トランスが効果的だからといって、すべてのオーディオ機器に使用するのは、ひかえたい。

どんなに優れた絶縁トランスでも、固有音が存在する。
この固有音を完全になくすことは不可能であるから、できるだけ使用数を減らしながらも、
より効果的に使うには、中間の機器に採用することである。

CDプレーヤーとプリメインアンプという構成ならば、
迷うことなくCDプレーヤーに絶縁トランスを使う。
CDプレーヤーとセパレートアンプならば、コントロールアンプに使用する。

CDプレーヤーがセパレートで、アンプがプリメイン構成ならば、D/Aコンバーターに、
CDプレーヤーもアンプもセパレート構成なら、CDトランスポートとコントロールアンプに使う、
という具合にだ。

ただし絶縁トランスも完璧な製品は存在しない。
より効果的な使用方法は、絶縁トランスを二段で使用することである。

絶縁トランスのあとにもう一つ絶縁トランスを介することで、
理屈としては、より効果的になる。
といっても、二段構成で絶縁トランスを使った音を聴いたことはない。

トランスをそれだけ用意するのが面倒ということもあるが、
トランスの数が増えていくことで、設置もそれにともない面倒になってくるからだ。

ならばより効果的なのせは、やはりバッテリー電源である。
とはいえバッテリー電源は容量の兼合いがあるし、
それに個人的にはすべてのバッテリー電源がAC電源よりも、
すべての点で優れているとは捉えていない。

絶縁トランスにしてもバッテリーにしても、適材適所である。

Date: 9月 3rd, 2023
Cate: 電源

モバイルバッテリーという電源(その9)

(その8)を書いたのは2020年11月だから、ほぼ三年前。
(その8)で、アンカーから出ているAnkerのPowerHouse 100に興味がある、と書いた。

購入しよう、と思っていたのに、
ついつい他のモノを優先していたら、製造中止になっていた。
後継機種はPowerHouse 90で、なぜか容量は少しばかり小さくなっていた。
ふつうは大きくなるものだろう──、と思っているから、
90なのか……、と思い、買うのをためらっていた。

もう少し待てば、PowerHouse 120が登場するかもしれない、と勝手に期待もしていた。
結局、PowerHouse 120は登場していない。
これから先、登場するかどうかはなんともいえないが、
そろそろ買おうかな、と思っていたところに、amazonで25%オフで売っていた。

ここで買わなければ、またしばらく買わないだろうからと購入。
届いたPowerHouse 90は写真で想像していたよりも、けっこう大きい。
実物を手にとれば、このサイズになるのもわかるのだが、
写真だけ見ていると、小さく思えてしまう。

PowerHouse 90は、110VのAC出力を持つモバイルバッテリーである。
しかも60Hzである。
PowerHouse 100は、どうだったのだろうか。
100V/50Hzだったのか、それとも110V/60Hzだったのか。

PowerHouse 90は、メリディアンの218用に買った。
218の消費電力は、わずか5W。
PowerHouse 90のAC出力は最大100Wだから、余裕は十分ある。

試しに218に接続してみた。
音の変化は小さくない。

バッテリーからAC出力を作り出しているのが効いているのか、
それとも110V/60Hzだからなのか。

218への給電はルンダールのLL1658を通しているから、
220V/60Hzとなる。

Date: 2月 9th, 2023
Cate: 電源

スイッチング電源のこと(その13)

FPGA(Field Programable Gate Array)が、
オーディオ雑誌の誌面にも登場するようになって数年くらいか。

FPGAを搭載するオーディオ機器の数は、これから増えていくことだろう。
その利用はますます拡大していくのだろうが、
数日前、FPGAのなかには、最大50Aもの電流を瞬時に必要とするモノがあることを知った。

5Aではなく50Aである。
FPGAの電源電圧が5Vだとしても、50Aだと瞬間的にとはいえ250Wの電力となる。

50Aといった大電流を必要とするFPGAがオーディオ機器に使われているわけではないだろうが、
より高度な信号処理を行おうとすると、より高性能・高速度のFPGAとなり、
瞬間的な消費電流の大きさは、大きくなるはずだ。

そうなっていった場合、瞬間的な電流供給能力に関しては、
動作周波数の高いスイッチング電源のほうが、いわゆるリニア電源よりも有利なのではないだろうか。

Date: 10月 17th, 2022
Cate: 電源

ACアダプターという電源(GaN採用のアダプター・その4)

GaN採用のACアダプターを使うようになって四ヵ月が過ぎた。
もとのACアダプターに戻そうとは、まったく思っていない。

GaN採用のACアダプターに関しては、中高域の粗さが気になる、
そんな評価も目にしていた。

新品のGaN採用のACアダプターが届いて、とにかく接続する。
最初になってきた音は、良さも感じられるし、
いわれてみれば中高域に粗さがあるといえばある。

でも新品だし、少し様子をみて判断しようということで、
一日、二日、三日と連続して使用していると、気にならなくなっている。

GaN採用のACアダプターに否定的な意見が、いまもあるのは知っている。
GaN採用のACアダプターといっても、いまでも多くの製品が市場に出ている。

いいGaN採用のACアダプターもあれば、そうでないGaN採用のACアダプターもある。
どちらを選んで使っているのか、
そのことを無視しての評価はあてにならない。

それにGaN採用のACアダプターにして、
時間帯による音の違いがかなり減ったように感じられることだ。

もともとついていたACアダプターでは、時間帯によって、
日によって、けっこう音が違うように感じることがままあった。

電源の状態が影響してのことなのかな──、
そんなふうに思っていたものの、特に対策をすることはしなかった。

GaN採用のACアダプターにして、それは明らかに減っている。
なのでGaN採用のACアダプターに、いまのところけっこう満足している。

Date: 6月 1st, 2022
Cate: 電源

ACアダプターという電源(GaN採用のアダプター・その3)

バッテリーは化学反応によって電気を起している。
それが直流であるから、連続した化学反応が起っていると捉えがちだが、
ほんとうにバッテリー内での化学反応は、一つの化学反応が連続しているのだろうか。

実際のところは、無数に近い一瞬一瞬の化学反応が起っているために、
一つの連続した長い時間の化学反応と捉えているだけではないのだろうか。

電子の移動によって電気が起るのだから、
電子の数だけの化学反応が起っていると捉えれば、
スイッチング電源の動作周波数が高くなっていくほどに、
バッテリー内の化学反応の状態に近くなっていくのではないだろうか。

実際のところ、動作周波数がどれだけ高くなれば、そういえるのかはよくわかっていない。
少なくとも20kHzとか50kHzではないだろう。
もっと高い周波数、私はなんの根拠もなしに1MHzあたりを超えたあたりから、
そういえるようになるのではないか──、
そんなふうにスイッチング電源について、ある程度の知識を得たころから、
そう考えるようになっていた。

GaN採用のACアダプター(スイッチング電源)は、1MHzくらいの動作周波数のようだ。
もっと動作周波数は高くなっていくのかもしれない。
2MHz、5MHz、そして10MHzとなっていったとしよう。

どこかにさらに大きく音が変るポイントがあるような気がする。

GaN採用のACアダプターが、理想の電源というつもりはないが、
かなり可能性を感じているし、
リニア電源が必ずしもスイッチング電源よりも優れているとも考えていない。

優れたリニア電源もあるし、優れたスイッチング電源もある。
これからスイッチング電源は、さらに優れたモノが出てくる可能性がある。

Date: 5月 29th, 2022
Cate: 電源

ACアダプターという電源(GaN採用のアダプター・その2)

別項「スイッチング電源のこと(その1)」で書いているように、
私が聴いたアンプのなかでスイッチング電源を搭載したアンプは、
ビクターのパワーアンプ、M7070が最初だった。

いまでは小型軽量化のためにスイッチング電源を使われることが多いが、
M7070はそうではなく、理想の電源を追求した結果としてのスイッチング電源の採用、
少なくともビクターは当時、そう謳っていた。

M7070は、瀬川先生が定期的に来られていた熊本のオーディオ店で聴いている。
国内・海外のいくつかのセパレートアンプとの比較試聴でなかで聴いたM7070。
瀬川先生は、そのとき「THE DIALOGUE」を鳴らされたのだが、
他のアンプでは聴けない、と思わせるほど、パルシヴな音の鋭さは見事だった。

それは聴く快感といえた。
M7070の音でクラシックを聴きたいとはまったく思わなかったけれど、
スイッチング電源というのは、すごい技術なのかも──、と高校生の私に思わせるほど、
強烈な音の印象を残してくれた。

M7070のスイッチング電源の動作周波数は35kHzであった。
同時代のソニーのTA-N86、N88、TA-N9もスイッチング電源搭載だった。
これら三機種の動作周波数は20kHzだったことからも、
当時、このあたりが動作周波数の上限だったのだろう。

より高速な半導体素子が登場すれば、動作周波数は高くできる。
高くなれば電源として高効率となる。

こういう考え方もできる。
スイッチング電源の動作周波数が高くなるということは、
ある意味、バッテリー的動作に近くなっていくのではないのか、である。