STUDER A101 + Pass DIY BA-3(その9)
1977年にスペンドールからプリメインアンプD40が登場した。
ステレオサウンド 44号の新製品紹介で取り上げられている。
小さな筐体に、トーンコントロールすらついていない、
シンプルというよりも素っ気ないパネルフェイス。
大きさといい仕上げといい、
当時15万円ほどしていたけれど、同価格帯の国産プリメインアンプとは比較にならない。
その後、20万円近くにまで値上りしているから、
およそベストバイコンポーネントとは呼べない製品だった。
けれどスペンドールのBCIIと組み合わせた音を聴いたことのある人ならば、
そしてBCIIの音に魅力を感じている人にとっては、
BCIIとD40は、まさしく黄金の組合せといいたくなるほどの音を聴かせてくれるから、
まさしくD40はベストバイコンポーネントと推せる。
私も一度だけ、BCIIとD40の音を聴いている。
聴けば、この組合せが欲しくなる。
同時に、どうしてD40は、こういう音をBCIIから引き出せるのか。
その秘密が知りたくなる。
当時のオーディオ雑誌には、D40の内部写真は載らなかった。
掲載された雑誌があったのかもしれないが、私が知る範囲ではなかった。
インターネットが普及して、ブログ、ソーシャルメディアが普及して、
D40の内部写真を見ることができるようになった。
見たからといって、音の秘密がわかるわけではなかった。
むしろ、なぜ、こんな造りのアンプで、あの音が──、とよけいに不思議に思えてくる。
D40の回路図も検索してことがある。
ずいぶん前にやったし、数年前にもやったけれど、見つけられなかった。
このままわからないままなのか。
そう思い始めていたのだが、昨晩、M50で検索してみた。