Archive for category ショウ雑感

Date: 7月 3rd, 2025
Cate: ショウ雑感

2025年ショウ雑感(その5)

別項で、映画とテレビの違いについてかいているところだが、
同じことが、オーディオショウでの各ブースの音の違いについても、当てはまりそうな感じがしている。

優れたドラマを撮れるけれど、だからといって映画でいい作品の監督になれるわけではない。

向き不向きだけではない何かがあって、映画の監督、テレビの監督がいる。

オーディオショウで、いろんなブースの音を聴いてきて、いま思っているのは、
音に関しても、映画の監督的、テレビの監督的と言えるのではないか、だ。

どちらがいい音を鳴らしているのかではなく、それぞれのブースで、
不特定の人たちに聴いてもらう音を出すことに求められること。
そのことを考えていると、少なくともオーディオショウにおいては、
映画の監督的に音を鳴らす──、そんな気がしてならない。

では、それは具体的にはどういうことなのかは、今のところ、うまく説明でかないのだが、
音は儚い、だからこそ潔くなければならない。
少なくとも、オーディオショウで音を鳴らして聴いてもらうのであれば、
潔さが求められているはずだ。

Date: 6月 27th, 2025
Cate: ショウ雑感

2025年ショウ雑感(その4)

今年のOTOTENは、うまく行ったのではないだろうか。
今年は行けなかったので、はっきりとは言えないけれど、
X(旧twitter)を見ていると、そう思う。

今回、OTOTENに来て、オーディオの面白さに気づいた人も少なかずいるだろう。
その人たちは、この秋に、インターナショナルオーディオショウがあることを知っているのか知らないのか。

開催までもう少し時間はあるのだから、
インターナショナルオーディオショウの開催を知る機会まであるはずだから、
何割かの人たちは、インターナショナルオーディオショウにも来てくれるかもしれない。

来てくれるのはいいことだけれども、
同じオーディオショウで、同じ会場での開催でも、
OTOTENとインターナショナルオーディオショウでは、違う雰囲気もある。

二つのオーディオショウが同じ雰囲気である必要はないけれど、
インターナショナルオーディオショウの常連の人たちの一部が醸し出す雰囲気の悪さに、
インターナショナルオーディオショウに初めて来る人は居心地の悪さを感じるのではないだろうか。

Date: 6月 21st, 2025
Cate: ショウ雑感

2025年ショウ雑感(その3)

今日、明日開催のOTOTEN。
行くつもりでいたけれど、今日もダメで明日も行けそうにない。

どんな感じなのだろう、と思い、X(旧twitter)で検索してみると、かなりの数が表示される。
若い人と思われる投稿多い。
初めてのOTOTENと思われる人も、けっこう多い。

ネガティヴな反応ではなく、楽しんでいる感じが伝わってくる。

OTOTENは、インターナショナルオーディオショウは違う。
そのことが今年はよく出ているように感じるだけでなく、うまくいっているようにも感じられる。

Date: 6月 9th, 2025
Cate: ショウ雑感

2025年ショウ雑感(その2)

今月下旬開催のOTOTENに、ジャーマン・フィジックスの輸入元のタクトシュトックは出展しない。
昨年に続き、二年続けてのことだ。
京都で開催されるオーディオショウには出展する。

東京でのオーディオショウにはもう出展しないのか、と思っていたら、
今年のインターナショナルオーディオショウに出展する、という。

ジャーマン・フィジックスのスピーカーシステムも鳴らされはず。

Date: 4月 24th, 2025
Cate: ショウ雑感

2025年ショウ雑感(その1)

今年のOTOTENにも、
ジャーマン・フィジックスの輸入元のタクトシュトックが出展しないようだ。

去年のOTOTENにも、タクトシュトックの名はなかった。
その代わりなのか、6月に開催された京都オーディオフェスティバルには出展していた。

今年もそうなのか、と思ったら、やっぱりそうだった。
いまのところ、タクトシュトックは、東京で開催されるOTOTENにも、インターナショナルオーディオショウにも出展しないようだ。

そして6月開催の京都オーディオフェスティバルには出展する。

Date: 2月 10th, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その6)

インターナショナルオーディオショウは、金土日の三日間開催される。
各ブースへの搬入は前日で、セッティングも前日に行われる。
これを1997年から毎年くり返し行っているわけだ。

前日搬入を含めての四日間は短いのか。
私は十分な時間だと思っている。

しかも何人ものスタッフがいて、機材に関してもかなりのモノが用意できている。
ケーブルなどの周辺機器に関しても、そうだ。

それに同じブースで、長年やっている会社もある。
どこにスピーカーを置いたらいいのか、
機材のセッティング全般に関しての積み重ねがあるはず。

なのに、エソテリックやアーク・ジョイアのようなブースがある。
他にもあるわけだが、なぜ? と思う。

別項で、あるオーディオ店でのKtêmaが冴えない音から脱しきれなかったのも、
インターナショナルオーディオショウで冴えない音しか出せないのも、
制約を排除し過ぎているからかもしれない、とすこしばかり思う。

audio wednesdayをやっていると、毎回、オーディオショウは恵まれているし、
楽な面もけっこうあるな、と思う。

四谷三丁目の喫茶茶会記でやっていたときも、
昨年からの狛江に移ってからでも、当時に搬入して、
ソファなども移動して、それからセッティングが始まる。

用意できるオーディオ機器も、オーディオショウやオーディオ店とは違い、
限られた中でなんとかするしかないわけで、
制約は時間的なことを含めて、少ないとは言えない中でやっているから、
身につくこともある。

オーディオショウもオーディオ店も、恵まれているいろんなことに頼りすぎているのではないか。

Date: 2月 6th, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その5)

昨晩のaudio wednesdayでも、数人の方から、
「エソテリックのブースの音、そうですよね」と声をかけられた。

誰も言わないから、そう感じているのは自分だけかも……、と思われていたのかもしれない。
私がはっきりとエソテリックのブースの音はひどいと書いたから、
やっぱりそうなんだ、と思われたのかもしれない。

今回こそは、じっくり聴こうと思っていても、エソテリックのブースの音は、
長くいられない、とも一人の方は言われた。

今年のインターナショナルオーディオショウでの音が、どうなのか。
エソテリックの関係者がここを読んでいるとは思えないし、
仮に読んでいたとしても、音がわからない奴に何を言われても関係ない──、
そんなふうに受け止めているだけかもしれない。

Date: 2月 3rd, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その4)

十数年前のことになる。
オーディオ仲間三人で話していた。
インターナショナルオーディオショウが話題になって、
私が「エソテリックの音は毎年ひどい」と言った。

これに対して、一人が「こいつ何言ってるんだ」みたいな顔をした。
彼は反論しなかったが、その表情は明らかに強い何が込められていた。

その表情から、私だけでなくもう一人も、彼が私の「エソテリックの音は毎年ひどい」に、
承服していないことに気がついて、
「でも◯◯さん、エソテリックの音はひどいし、そう思っている人は多い」、
と言った。

それでも彼は不満げだった。
二人からそう言われて、彼からの反論はなかったけれど、
彼はエソテリックのブースの音をいいと思っていることは伝わってきた。

彼からの反論がなかったので、話題は他のことに移っていった。

ここで勘違いしないでほしいのは、
エソテリックの製品、タンノイ、アヴァンギャルドのスピーカーのことを、
あれこれ言いたいわけではなく、
あくまでもインターナショナルオーディオショウでのエソテリックのブースの音について、である。

エソテリックのブースの音を認めている人が、身近にいた──、
そんな驚きも私にはあった。

音の聴き方も判断も、人それぞれだから、
彼のように、好意的に受け止めている人がいてもいいし、
エソテリックのブースの混み具合からすれば、そういう人の方が多いのだろう。

アーク・ジョイアのブースの音は、それぞれのスピーカーが、
そのスピーカーらしく鳴っていないことによる音の悪さで、
エソテリックでのサー・コリン・デイヴィスのベートーヴェン序曲集のように、
音楽的に歪められたひどさではない。

Date: 2月 2nd, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その3)

2007年のエソテリックのブースで鳴っていた「コリオラン」については、
別項で書いているし、その時はエソテリックの名は伏せていた。
当時書いたことを、コピーしておく。
     *
そのブースに入ったとき、何の曲が鳴っているのか、正直、すぐにはわからなかった。
しばらくして(といっても10秒もたたないうちにだが)、「もしかしてベートーヴェン?」と思った。

そういえばコリオランの序曲である。
またしばらくして「これって、コリン・デイヴィスの演奏?」と思った。

そのくらい違う音楽に聴こえた。
つまり音のバランスがとれているとか崩れているとか、そういった音の良し悪しではまったくなく、
ベートーヴェンの音楽が変質してしまっている。
音楽性が歪められている、といってもいいだろう。

なぜ、こんなふうになってしまうのだろうか……、と逆に関心が湧いてくるほどの、変りようだった。
     *
これを読んだオーディオの仲間の何人かからは、
エソテリックでしょ、と言われたので、エソテリックの音がひどいのは、
私だけの独りよがりな印象ではない。

でも、エソテリックのブースの音を、いい音と思っている人もいる。
私の周りにも一人だけいた。

Date: 2月 2nd, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その2)

インターナショナルオーディオショウでのエソテリックのブースは、
いつ行っても人でいっぱいである。
あまり人がいないと感じたことは、これまでないくらいに、
人気のブースともいえる。

それだけの人が来るブースなのだから、ひどい音ということはなかろう、とか、
ひどい音のブースに人が集まるわけはないのだから、
エソテリックのブースが、ひどい音というのは、
お前の独りよがりな感想だろう、と思われて仕方ない。

それでも、エソテリックは安定のひどい音を聴けるブースであった。
過去形にしたのは、ここ二年ほどは、ひどい音でなくなってきたからなのだが、
それでも今年、来年は、どうなるかはなんとも言えない。

以前、別項で書いているが、2009年の音は、それまでのひどい音ではなくなっていて、
これからは期待できるかとも思ったけれど、そうでもなかった。

タンノイのスピーカー、
アヴァンギャルドのスピーカー、
自社製のアンプやプレーヤーでの音出し。

いずれも世評は高いモノばかり。
なのに……、である。

もっと言えば、エソテリックはプログラムソースも手掛けている。
2007年に、サー・コリン・デイヴィスのベートーヴェンの序曲集のSACDを出した。
これが最初である。

2007年のインターナショナルオーディオショウでは、
いくつかのブースで、このSACDがかかっていた。
もちろんエソテリックのブースでもかかっていた。

2007年のショウで、私が聴いた範囲でダントツでひどい鳴り方をしていたのは、
エソテリックのブースだった。

Date: 2月 1st, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その1)

別項で、フランコ・セルブリンの輸入元のアーク・ジョイアのブースで、
いい音を聴いたことがない、と書いている。

インターナショナルオーディオショウでのアーク・ジョイアで聴けた音で、比較的良かったと感じたのは、
ダニエル・ヘルツのシステムでの、ピアノの単音は美しかった。

玉を転がすような音とは、こういう音のことをいうのだな、
と納得したほど、ほんの短い間の音は良かった。
ただ、あくまでもピアノの単音だけだった。

これ以外の、私が聴いた範囲では、良かったと思ったことはない。
アーク・ジョイアでは、どのスピーカーも、そのスピーカーらしく鳴っていない。
どこか拗ねてしまったり、いじいじとしたり、
つまりスピーカーがいきいきと鳴っていない。
暗く俯いている。

音離れの悪い音の見本ともいえる。
少しもいいところのないアーク・ジョイアの音でも、
だからといって、ひどい音で鳴っていた、とは言わない。

インターナショナルオーディオショウでは、ひどい音をほぼ毎年鳴らしている(聞かせてくれる)ブースがある。
エソテリックだ。

いままで、どこのブースなのかははっきりと書いてこなかったが、
フランコ・セルブリンのKtêmaについて書いていて、
アーク・ジョイアのブースでは、一度もいい音を聴けた試しがなかった、と書いたのだから、
アーク・ジョイアの名前だけを出すのは、
出された方からすれば、他のブースの音はどうなのか──、となろう。

なので、ここからははっきりと名前を出していく。

Date: 8月 4th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その13)

(その11)で書いているように、六階の端から順番にだったから、
最初に入ったのは太陽インターナショナルで、
土方久明氏の時間帯だった。

ヘッドフォン祭では、若い来場者数人に囲まれて談笑している土方久明氏を見かけたことはあるが、
土方久明氏が話しているのを聞くのは初めてだった。

ここでも小さな驚きがあった。
土方久明氏の話はそつがないというか、
うまいな、と感心しながら聞いていた。

土方久明氏は、いま売れっ子といっていいだろう。
オーディオ雑誌、ウェブ記事、どちらでもその名前を目にする。

インターナショナルオーディオショウでの話し方を聞いていると、
その売れっ子ぶりに納得がいく。

ヘッドフォン祭での囲まれているところからも、
若い人たちからの支持もけっこうあるのだろう。

別項で、オーディオ評論家(職能家)、オーディオ評論家(商売屋)について書いている。

土方久明氏をオーディオ評論家(職能家)とは思わないし言わないが、
オーディオ評論家(商売屋)とも言わない。
オーディオ評論家(仕事人)という感じを受けた。

Date: 8月 4th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その12)

私がナスペックのブースに入った時は、
ちょうどジブリの音楽というテーマの時間帯だった。

ジブリの音楽を続けて聴くのは、初めてだった。
「風の谷のナウシカ」までは映画館で観ていたけれど、
それ以降は映画館でも、それ以外でも観ていない。
なので初めて聴く曲ばかり。

それで去年の音とどう比較するのか、と言われそうだが、
音楽の表情が、歌の濃やかな表情が、さりげなくだが、よく出ていた。

耳を澄まして聴けば、こんなふうに歌っているのか、と、おっと思ったりしたし、
歌のあるところでは歌手の力量もはっきり出していたので、
おやっお感じたりもした。

少なくとも去年の音は、そんなふうには感じなかったから、
やはり今年の音は、
プレイバックデザインズのパワーアンプがあってのものといえよう。

「大男総身に知恵が回りかね」、
プレイバックデザインズのパワーアンプを初めて見た人は、
そう思うかもしれないが、
少なくとも今回聴いた印象では、そんなふうにはまったく感じなかったし、
だからといってスピーカーを手玉に取って鳴らすという感じもなく、
好印象だけが残った。

そのこともあって、今年のインターナショナルオーディオショウで、
ナスペックのブースはいい印象だけが残っている。

Date: 7月 28th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その11)

タイムロードのブースに行けば、ジャーマン・フィジックスが聴ける、という頃は、
会場の国際フォーラムに着いたら、四階の端っこ、
タイムロードのブースを目指していた。

ジャーマン・フィジックスの輸入元がゼファンになってからは、
それをやったところで、ゼファンにとってはいくつもあるスピーカーブランドの一つでしかない、
そんな感じの扱いで、鳴っている時間に遭遇したことがない。

そのゼファンとさっさと取り扱いをやめている。
それからというもの、インターナショナルオーディオショウは、
まず六階の端から順に各ブースに入るようになった。

今年もそうだった。
六階の端から順になのだが、ブースによっては満員で入れないところもあるし、
今回のように時間にあまり余裕がないときは、
ほんの少しだけ覗くような感じをしたり、
入りもせずに飛ばしてしまうこともする。

実をいうと、今回ナスペックのブースは飛ばして、次のブースに行こうとしていた。
ナスパックのブースの前を通り過ぎようとしていたら、
ドアが開いていて、音が聴こえてくる。

そうだ、もしかするとモニターオーディオのフラッグシップモデルが聴けるかも、
そう思い直して入ったところ、鳴っていたのは、
トールボーイ型のPlatinum 300 3Gだった。

去年聴いたスピーカーだ、今年はいいかな、と思おうとしていたら、
去年の音よりも明らかにいい感じで鳴っている。

最初は後ろで立って聴いていたが、前の席が空いたので座ると、
目の前にあったのは、プレイバックデザインズのSPA8だった。

去年のシステムとの一番の違いは、このパワーアンプの存在のはずだ。

Date: 7月 27th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その10)

今日はインターナショナルオーディオショウに行けなかった。
明日も、無理っぽいので、昨日の五時間ほどの印象て書いている。

今年は、満員で入らなかったブースがいくつかあった。
ヤマハがそうだった。
ノアもそうだった。

その他にも入らないわけではなかったけど、
実質、入れなかったといえるブースもいくつかあった。
そのことに文句をつけたいわけではなく、
活況でいいことだと思っている。

例年通り、意気込みのまったく感じられないブースはいくつかあったけれど、
全体的には去年よりも雰囲気が良くなっているように感じた。

すべてのブースを回ったわけではなくない。
私がまわった中で好印象だったのは、ナスペックだ。