Archive for category ショウ雑感

Date: 2月 6th, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その5)

昨晩のaudio wednesdayでも、数人の方から、
「エソテリックのブースの音、そうですよね」と声をかけられた。

誰も言わないから、そう感じているのは自分だけかも……、と思われていたのかもしれない。
私がはっきりとエソテリックのブースの音はひどいと書いたから、
やっぱりそうなんだ、と思われたのかもしれない。

今回こそは、じっくり聴こうと思っていても、エソテリックのブースの音は、
長くいられない、とも一人の方は言われた。

今年のインターナショナルオーディオショウでの音が、どうなのか。
エソテリックの関係者がここを読んでいるとは思えないし、
仮に読んでいたとしても、音がわからない奴に何を言われても関係ない──、
そんなふうに受け止めているだけかもしれない。

Date: 2月 3rd, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その4)

十数年前のことになる。
オーディオ仲間三人で話していた。
インターナショナルオーディオショウが話題になって、
私が「エソテリックの音は毎年ひどい」と言った。

これに対して、一人が「こいつ何言ってるんだ」みたいな顔をした。
彼は反論しなかったが、その表情は明らかに強い何が込められていた。

その表情から、私だけでなくもう一人も、彼が私の「エソテリックの音は毎年ひどい」に、
承服していないことに気がついて、
「でも◯◯さん、エソテリックの音はひどいし、そう思っている人は多い」、
と言った。

それでも彼は不満げだった。
二人からそう言われて、彼からの反論はなかったけれど、
彼はエソテリックのブースの音をいいと思っていることは伝わってきた。

彼からの反論がなかったので、話題は他のことに移っていった。

ここで勘違いしないでほしいのは、
エソテリックの製品、タンノイ、アヴァンギャルドのスピーカーのことを、
あれこれ言いたいわけではなく、
あくまでもインターナショナルオーディオショウでのエソテリックのブースの音について、である。

エソテリックのブースの音を認めている人が、身近にいた──、
そんな驚きも私にはあった。

音の聴き方も判断も、人それぞれだから、
彼のように、好意的に受け止めている人がいてもいいし、
エソテリックのブースの混み具合からすれば、そういう人の方が多いのだろう。

アーク・ジョイアのブースの音は、それぞれのスピーカーが、
そのスピーカーらしく鳴っていないことによる音の悪さで、
エソテリックでのサー・コリン・デイヴィスのベートーヴェン序曲集のように、
音楽的に歪められたひどさではない。

Date: 2月 2nd, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その3)

2007年のエソテリックのブースで鳴っていた「コリオラン」については、
別項で書いているし、その時はエソテリックの名は伏せていた。
当時書いたことを、コピーしておく。
     *
そのブースに入ったとき、何の曲が鳴っているのか、正直、すぐにはわからなかった。
しばらくして(といっても10秒もたたないうちにだが)、「もしかしてベートーヴェン?」と思った。

そういえばコリオランの序曲である。
またしばらくして「これって、コリン・デイヴィスの演奏?」と思った。

そのくらい違う音楽に聴こえた。
つまり音のバランスがとれているとか崩れているとか、そういった音の良し悪しではまったくなく、
ベートーヴェンの音楽が変質してしまっている。
音楽性が歪められている、といってもいいだろう。

なぜ、こんなふうになってしまうのだろうか……、と逆に関心が湧いてくるほどの、変りようだった。
     *
これを読んだオーディオの仲間の何人かからは、
エソテリックでしょ、と言われたので、エソテリックの音がひどいのは、
私だけの独りよがりな印象ではない。

でも、エソテリックのブースの音を、いい音を思っている人もいる。
私の周りにも一人だけいた。

Date: 2月 2nd, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その2)

インターナショナルオーディオショウでのエソテリックのブースは、
いつ行っても人でいっぱいである。
あまり人がいないと感じたことは、これまでないくらいに、
人気のブースともいえる。

それだけの人が来るブースなのだから、ひどい音ということはなかろう、とか、
ひどい音のブースに人が集まるわけはないのだから、
エソテリックのブースが、ひどい音というのは、
お前の独りよがりな感想だろう、と思われて仕方ない。

それでも、エソテリックは安定のひどい音を聴けるブースであった。
過去形にしたのは、ここ二年ほどは、ひどい音でなくなってきたからなのだが、
それでも今年、来年は、どうなるかはなんとも言えない。

以前、別項で書いているが、2009年の音は、それまでのひどい音ではなくなっていて、
これからは期待できるかとも思ったけれど、そうでもなかった。

タンノイのスピーカー、
アヴァンギャルドのスピーカー、
自社製のアンプやプレーヤーでの音出し。

いずれも世評は高いモノばかり。
なのに……、である。

もっと言えば、エソテリックはプログラムソースも手掛けている。
2007年に、サー・コリン・デイヴィスのベートーヴェンの序曲集のSACDを出した。
これが最初である。

2007年のインターナショナルオーディオショウでは、
いくつかのブースで、このSACDがかかっていた。
もちろんエソテリックのブースでもかかっていた。

2007年のショウで、私が聴いた範囲でダントツでひどい鳴り方をしていたのは、
エソテリックのブースだった。

Date: 2月 1st, 2025
Cate: ショウ雑感

インターナショナルオーディオショウの音(その1)

別項で、フランコ・セルブリンの輸入元のアーク・ジョイアのブースで、
いい音を聴いたことがない、と書いている。

インターナショナルオーディオショウでのアーク・ジョイアで聴けた音で、比較的良かったと感じたのは、
ダニエル・ヘルツのシステムでの、ピアノの単音は美しかった。

玉を転がすような音とは、こういう音のことをいうのだな、
と納得したほど、ほんの短い間の音は良かった。
ただ、あくまでもピアノの単音だけだった。

これ以外の、私が聴いた範囲では、良かったと思ったことはない。
アーク・ジョイアでは、どのスピーカーも、そのスピーカーらしく鳴っていない。
どこか拗ねてしまったり、いじいじとしたり、
つまりスピーカーがいきいきと鳴っていない。
暗く俯いている。

音離れの悪い音の見本ともいえる。
少しもいいところのないアーク・ジョイアの音でも、
だからといって、ひどい音で鳴っていた、とは言わない。

インターナショナルオーディオショウでは、ひどい音をほぼ毎年鳴らしている(聞かせてくれる)ブースがある。
エソテリックだ。

いままで、どこのブースなのかははっきりと書いてこなかったが、
フランコ・セルブリンのKtêmaについて書いていて、
アーク・ジョイアのブースでは、一度もいい音を聴けた試しがなかった、と書いたのだから、
アーク・ジョイアの名前だけを出すのは、
出された方からすれば、他のブースの音はどうなのか──、となろう。

なので、ここからははっきりと名前を出していく。

Date: 8月 4th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その13)

(その11)で書いているように、六階の端から順番にだったから、
最初に入ったのは太陽インターナショナルで、
土方久明氏の時間帯だった。

ヘッドフォン祭では、若い来場者数人に囲まれて談笑している土方久明氏を見かけたことはあるが、
土方久明氏が話しているのを聞くのは初めてだった。

ここでも小さな驚きがあった。
土方久明氏の話はそつがないというか、
うまいな、と感心しながら聞いていた。

土方久明氏は、いま売れっ子といっていいだろう。
オーディオ雑誌、ウェブ記事、どちらでもその名前を目にする。

インターナショナルオーディオショウでの話し方を聞いていると、
その売れっ子ぶりに納得がいく。

ヘッドフォン祭での囲まれているところからも、
若い人たちからの支持もけっこうあるのだろう。

別項で、オーディオ評論家(職能家)、オーディオ評論家(商売屋)について書いている。

土方久明氏をオーディオ評論家(職能家)とは思わないし言わないが、
オーディオ評論家(商売屋)とも言わない。
オーディオ評論家(仕事人)という感じを受けた。

Date: 8月 4th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その12)

私がナスペックのブースに入った時は、
ちょうどジブリの音楽というテーマの時間帯だった。

ジブリの音楽を続けて聴くのは、初めてだった。
「風の谷のナウシカ」までは映画館で観ていたけれど、
それ以降は映画館でも、それ以外でも観ていない。
なので初めて聴く曲ばかり。

それで去年の音とどう比較するのか、と言われそうだが、
音楽の表情が、歌の濃やかな表情が、さりげなくだが、よく出ていた。

耳を澄まして聴けば、こんなふうに歌っているのか、と、おっと思ったりしたし、
歌のあるところでは歌手の力量もはっきり出していたので、
おやっお感じたりもした。

少なくとも去年の音は、そんなふうには感じなかったから、
やはり今年の音は、
プレイバックデザインズのパワーアンプがあってのものといえよう。

「大男総身に知恵が回りかね」、
プレイバックデザインズのパワーアンプを初めて見た人は、
そう思うかもしれないが、
少なくとも今回聴いた印象では、そんなふうにはまったく感じなかったし、
だからといってスピーカーを手玉に取って鳴らすという感じもなく、
好印象だけが残った。

そのこともあって、今年のインターナショナルオーディオショウで、
ナスペックのブースはいい印象だけが残っている。

Date: 7月 28th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その11)

タイムロードのブースに行けば、ジャーマン・フィジックスが聴ける、という頃は、
会場の国際フォーラムに着いたら、四階の端っこ、
タイムロードのブースを目指していた。

ジャーマン・フィジックスの輸入元がゼファンになってからは、
それをやったところで、ゼファンにとってはいくつもあるスピーカーブランドの一つでしかない、
そんな感じの扱いで、鳴っている時間に遭遇したことがない。

そのゼファンとさっさと取り扱いをやめている。
それからというもの、インターナショナルオーディオショウは、
まず六階の端から順に各ブースに入るようになった。

今年もそうだった。
六階の端から順になのだが、ブースによっては満員で入れないところもあるし、
今回のように時間にあまり余裕がないときは、
ほんの少しだけ覗くような感じをしたり、
入りもせずに飛ばしてしまうこともする。

実をいうと、今回ナスペックのブースは飛ばして、次のブースに行こうとしていた。
ナスパックのブースの前を通り過ぎようとしていたら、
ドアが開いていて、音が聴こえてくる。

そうだ、もしかするとモニターオーディオのフラッグシップモデルが聴けるかも、
そう思い直して入ったところ、鳴っていたのは、
トールボーイ型のPlatinum 300 3Gだった。

去年聴いたスピーカーだ、今年はいいかな、と思おうとしていたら、
去年の音よりも明らかにいい感じで鳴っている。

最初は後ろで立って聴いていたが、前の席が空いたので座ると、
目の前にあったのは、プレイバックデザインズのSPA8だった。

去年のシステムとの一番の違いは、このパワーアンプの存在のはずだ。

Date: 7月 26th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その9)

インターナショナルオーディオショウに行ってきた。
今年強く感じたことの一つが、以前書いたことの繰り返しである。

いくつものブースで、
「次はこのディスクを鳴らしたいと思います」「かけたいと思います」という人がいる。
今年もいた。むしろ以前より増えているように感じたのは、
私がこの「と思います」が嫌いなだけではないはずだ。

直前のこと、次に行うことに、なぜやりたいと思います、と言うのか。
まだ確定していない、それをやるにはまだ時間がかなり経ってから、
そういうのであれば、「と思います」とするのはわかる。

すべてのブースでそうだったわけではない。
すべてのブースをまわったわけではないから、
他にも「と思います」を使っていなかったところはあると思うが、
ナスペックのスタッフは、「と思います」を使っていなかった。
「次はこれをかけます」、「これを鳴らします」、
それでいいのだから、ナスペックのブースはそれだけで好感が持てる。

Date: 7月 20th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その8)

来週末はインターナショナルオーディオショウ。
今回、個人的にもっとも聴きたいのが、ゼラトンのスピーカーシステム。

1990年ごろにアンサンブルという、
スイスのブランドのスピーカーシステムが、輸入されていた。

小型の2ウェイシステムは、このブランドならではの音の表現を聴かせてくれていた。
それゆえに好き嫌いはあったように思う。
惚れ込んだ人にとって、他に代わるスピーカーは、
なかなか見つからなかったはずだ。

私も魅了された一人だ。

このアンサンブルのスピーカーのウーファーは、
センターキャップがなく、文字通りのコーン(円錐形)だった。

このウーファーだからこその音なのか、
そんなふうにも受け止めていた。

アンサンブルは、長く輸入されていたわけではなかった。
いつの間にか日本の市場から消えていた。

それからずいぶんして、ドイツのゼラトンが輸入されるようになった。
ウーファーを見て、アンサンブルと同じだと。
これは、ぜひともじっくり聴いてみたい、と思いながらも、
聴く機会はなかった。

ゼラトンのスピーカーが輸入されていたころは、
インターナショナルオーディオショウには、毎年行っていた。

けれどタイミングが悪いのか、
輸入元のブースで音が鳴っているのに、出会したことがない。

来年は聴けるだろう、と思っていたら、その輸入元は、取り扱いをやめた。
それから十年以上経ったか。
やっとゼラトンが輸入されるようになった。

今度はアクシスが取り扱う。
以前の輸入元のような、そっけない扱いではないはずだ。

現在のゼラトンの音が、どんななのか、まったくわからない。
それでも今回のショウで、いちばん期待しているし、楽しみにしている。

Date: 7月 7th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その7)

今年の1月から、audio wednesdayで、音を鳴らしている。
オーディオシステムのセッティングはもちろん、
かける曲も私が選んでいる。
つまり自分で聴きたい曲、
言いかえれば、その場に一緒にいる人たちに聴いてもらいたい曲をかける。

リクエストにも応じているが、
リクエスト曲以外は、音楽として聴きたい曲である。

こんなあたりまえのことをいまさら書くのは、
オーディオショウのブースによっては、
本当に、この人は、この音楽が好きなのか、
聴きたいと思ってかけているのか……、
そんなふうに感じることが、けっこうある。

私がそう感じているだけで、かけている人はそうじやない、というだろう。
それでもこんなことを書いているのは、
その人の好きという感情(のようなもの)が、
まったく伝わってこないからだ。

その人自身から伝わってこないだけでなく、
鳴っている音(音楽)からも伝わってこない。

そうでない出展社のブースもある。
でも、そんな出展社のブースも、毎年変わらずある。

Date: 7月 5th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その6)

今年のインターナショナルオーディオショウは、
会場側の都合で7月開催なわけで、
暑い時期に……、と思ったりもするが、
学生はちょうど夏休みに入っている。

今年のインターナショナルオーディオショウは、
若い人たちの来場が増えるのだろうか。
増えてほしいし、
はっきりと誰の目にも明らかなほどに増えるのであれば、
これから先、夏休みの時期に開催もあるようになるのか。

Date: 6月 22nd, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その5)

今日からOTOTENなのだが、今年は行けそうにない。
引っ越しの準備もあるけれど、引っ越しがなかったとしても無理。

オーディオショウなんて──、という人は少なくない。
行ったところで、いい音が聴けるわけでもないし──、
そんなことを言う。

その気持もわからないでもないが、行けば楽しい(というか楽しめる)わけで、
たとえ二時間程度であっても、時間がとれれば行くようにしていたけれど、
今年はそれすら無理。

(その2)で書いているが、
ハーベスの輸入元がエムプラスコンセプトからサエクコマースにかわっている。

ハーベスも、聴きたかったモノの一つだったけれど、聴けずじまい。

Date: 5月 12th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その4)

(その1)で、今年のOTOTENには、
ジャーマン・フィジックスの輸入元のタクトシュトックが出展しないようだ、と書いた。

5月9日の時点でも、出展社のところに、タクトシュトックの名はない。

6月8日、9日、
京都オーディオフェスティバルが開催される。
こちらにタクトシュトックは出展する。

昨年のショウ雑感(その7)で、
2024年のOTOTENでは、
オーディオショウとしては初めて、
ジャーマン・フィジックス(ベンディングウェーヴ)とMQA、
この組合せの音が鳴るのかもしれない──、と書いたが、
少なくとも東京では聴けそうにない。

そのかわり京都では聴けるのだろうか。

Date: 4月 22nd, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その3)

ラ・フォル・ジュルネのウェブサイトを見ていたら、
逸品館が5月3日から5日までの三日間、
東京国際フォーラムのガラス棟G404で、
LFJで体験しよう! ハイエンド・オーディオの世界」というイベントを行うという。

どんな試聴イベントなのかは、
リンク先からさらに逸品館のサイトに行けばPDFでわかる。

応援したくなるような企画だ。