Archive for category 川崎和男

Date: 11月 12th, 2021
Cate: 川崎和男

「デザインに何が可能か」(その3)

十年ほど前、村内ファニチャーアクセスの敷地内にログハウスがあり、
そこはサンドグラスと名付けられたオーディオコーナーだった。

一般的なオーディオ店や家電量販店とはやや毛色の違うモノを扱っていたはずだ。
「村内ファニチャーアクセス オーディオ」で検索すれば、
当時のPhile Webの記事が見つかる。

今回、川崎先生の講演に行くので、
村内ファニチャーアクセスのウェブサイトをくまなく見ても、
サンドグラスは、もう止めてしまったようだった。
いつ止めてしまったのだろうか。

採算がとれなかったのだろうが、ログハウスがオーディオのコーナーというのは、
他のオーディオ店ではマネできない環境なのは確かだ。

川崎先生はオーディオマニアであり、今回の講演でも、
オーディオに関することを語られていた。
なので、村内ファニチャーアクセスで川崎先生の講演が行われたことをきっかけに、
村内ファニチャーアクセスがふたたびオーディオを取り扱ってくれることを期待したい。

第一部の川崎先生の講演のあとには質疑応答の時間がとられていたが、
鼎談のあとにはそれがなかった。
鼎談のあとに、それがあったら、村内ファニチャーアクセスの村内健一郎社長に、
サンドグラスのことを尋ねたかったし、
もう一度、オーディオを取り扱われる可能性があるのかを知りたかった。

今回の講演と鼎談はYouTubeで公開されている。

Date: 11月 10th, 2021
Cate: 川崎和男

「デザインに何が可能か」(その2)

今回の講演は、主催が村内ファニチャーアクセスで、協力・マルイチセーリング。
マルイチセーリングはWAVELET RESPECTのメーカーである。

村内ファニチャーアクセス主催というのが、よくわからないまま当日。
講演をきけば、その理由もわかるだろう、と思っていた。

今回の講演で、川崎先生とマルイチセーリングの関係もよくわかったし、
なぜ村内ファニチャーアクセスなのかもわかった。

今回の講演の第二部の「カーボンチェアへの思いとSDGs」は、
川崎先生、
マルイチセーリングの代表取締役会長の小林幸一氏、
村内ファニチャーアクセスの代表取締役社長の村内健一郎氏による鼎談だった。

デザイナー、メーカー(作り手)、家具店(売り手)による鼎談だった。

マッキントッシュのゴードン・ガウの言葉がある。

「quality product, quality sales and quality customer」。
どれかひとつ欠けても、オーディオの世界はダメになってしまう──、
とゴードン・ガウは言っていた。

quality product(クォリティ・プロダクト)は志をもつメーカー、
quality sales(クォリティ・セールス)は志をもつ販売店と訳したい。

今回の鼎談をきいていて、ますますそう思う。

志をもつメーカーは、志をもつデザイナーと組むことで、
デザイナーの志を理解し支援する。

志をもつ販売店も同じだ。

だからこそquality customer(クォリティ・カスタマー)はどうあるべきか。
それがはっきり見えてくる。

そうであるはずだし、そうあるべきだ。

Date: 11月 9th, 2021
Cate: 川崎和男

「デザインに何が可能か」(その1)

2017年3月にKK適塾が終る。
それでも2018年11月に、
「プロダクトデザインと未来」のテーマで、川崎和男×深澤直人・対談があった。

2019年9月には、WAVELET RESPECTの発表会があった。

KK適塾が終ったあとも、川崎先生の講演を聴く機会はあった。
けれど2020年はコロナ禍ということもあって、ゼロだった。
2021年もゼロだろうな、と思っていた。

残り二ヵ月を切っているのだから、あるとは到底思えなかったし、
期待もしていなかった。

11月5日、facebookを眺めていたら、11月9日に講演の告知があった。
急だな、と思ってもさっそく申し込む。

5日、帰宅後、ここに書こうかな、と思っていたら、
なぜだか、申し込みのページが削除されていたので、止めた次第。

それでも伝えたい人には伝えている。

ほぼ二年ぶりの川崎先生の講演。
「デザインに何が可能か」が第一部のテーマであり、
「カーボンチェアへの思いとSDGs」が第二部のテーマだ。

カーボンチェアとは、2019年発表のWAVELET RESPECTのことだ。
二年前の講演もWAVELET RESPECT、
今日の講演もWAVELET RESPECTである。

二年前は六本木のAXISだった。
今日は八王子・左入町の村内ファニチャーアクセスだった。

講演を聴くまでは、なぜ、村内ファニチャーアクセスなのか、と不思議に思っていた。

Date: 11月 16th, 2019
Cate: デザイン, 川崎和男

WAVELET RESPECT Carbon Fiber(その2)

9月12日から二ヵ月。
あの日感じたことで、ひとつ書かなかったことがある。

大きく的外れな解釈のように思えたからだった。
二ヵ月経っても、そう感じている。

WAVELET RESPECTは、一輪挿しである。
WAVELET RESPECTという一輪挿しの「花」は、人である。

Date: 9月 12th, 2019
Cate: デザイン, 川崎和男

WAVELET RESPECT Carbon Fiber(その1)

福井にマルイチセーリングという会社がある。
創立70周年記念新作発表会が、六本木のAXISで行われた。

川崎先生によるWAVELET RESPECTが、その新作である。
カーボンファイバーによるイス+ソファーである。

WAVELET RESPECTを真横からとらえたシルエットは、
川崎先生による「プラトンのオルゴール」のシルエットと重なる。

それにどことなくNeXTのCubeのようにも思えてくる。

川崎先生はオーディオマニアだ。
だから、今回、カーボンファイバーによるイスの新作ときいて、
買える買えないは別として(かなり高価なはずだ)、
リスニングルームに置きたくなるに決っている──、
そう思っていた。

触ってきたし、坐ってもきた。
いいと感じた。

けれど、私はどうしてもオーディオマニアである。
買える買えないは別として、WAVELET RESPECTをリスニングルームに置くか、となったら、
現時点ではためらう点がある。

たまたま私が坐ったのがそうだったのか、
組立て精度に関係してくる点が一つ、
そして構造的なところに関係してくる点が一つあった。

川崎先生はオーディオマニアである。
だから、私が気づいた点も気づかれているはず。

Date: 11月 5th, 2018
Cate: 川崎和男

「プロダクトデザインと未来」川崎和男×深澤直人(その2)

昨晩の「プロダクトデザインと未来」川崎和男×深澤直人・対談のあとに、
質疑応答の時間があった。

最初は、主催者特権ということでAXISのスタッフが、
今年のグッドデザイン大賞について、二人に質問された。

今年の大賞は、おてらおやつクラブである。

モノではない。
しかも、AXISのスタッフによると、デザイナーが介在していない、とのこと。
そういうおてらおやつクラブが、2018年度のグッドデザイン大賞に選ばれたことについて、
川崎先生と深澤直人氏にたずねられていた。

AXISのスタッフ、川崎先生、深澤直人氏の話をきいていて、
思い出していたのは、別項「フルトヴェングラーのことば(その1)」で引用したことである。
     *
もう二十年以上も前になりますが、あらゆる世界の国々の全音楽文献をあさって、最も偉大な作品は何かという問合せが音楽会全般に発せられたことがありました。この質問は国際協会(グレミウム)によって丹念に調査されたうえ、回答されました。人々の一致した答えは、──『マタイ受難曲』でもなければ、『第九シンフォニー』でも、『マイスタージンガー』でもなく、オペラ『カルメン』ということに決定されました。こういう結果が出たのも決して偶然ではありません。もう小粋(エレガンス)だとか、「申し分のない出来」とか、たとえば「よくまとまっている」とかいうことが第一級の問題として取り上げられるときは、『カルメン』は例外的な高い地位を要求するに値するからです。しかしそこにはまた我々ドイツ人にとってもっとふさわしい、もっとぴったりする基準もあるはずです。
(新潮文庫・芳賀檀 訳「アントン・ブルックナーについて」より)
     *
「アントン・ブルックナーについて」は1939年だから、20年以上前というと1919年以前。
ほぼ百年前のことだ。

「カルメン」が、最も偉大な作品に選ばれたのと、
グッドデザイン大賞におてらおやつクラブが選ばれたのは、
賞を選ぶにあたっての、共通する何かが、いまも百年前もあるということなのだろうか。

人の身体は新陳代謝が行われていても、老化していく。
昨晩、感じた社会そのものも歳をとっていく、ということも、
新陳代謝が行われていても、老化していっているように思うからだ。

Date: 11月 4th, 2018
Cate: 川崎和男

「プロダクトデザインと未来」川崎和男×深澤直人(その1)

夜の六本木は、ひさしく行っていない。
今日はAXISギャラリーで、「プロダクトデザインと未来」のテーマで、
川崎和男×深澤直人・対談があった。

日曜だったからなのか、かまびすしい夜ではなく、
歩いている人も少なく、閑散としていた。

対談の会場は満員だった。
深澤直人氏は、川崎先生がAXISの表紙を飾る二号前に登場されている。
その写真の印象があったため、深澤直人氏を見て少々驚いた。

二人とも2002年のAXISに登場されているのだから、十六年が経っている。
その歳月を考えれば当然なのだが、
川崎先生が年上なのに、深澤直人氏が年上のようにも感じられて、
思わず深澤直人氏の誕生日を確認した。

川崎先生はAXISの表紙のとき、ストライプのシャツだった。
今日もそうだった。
ストライプの太さは違っていたけれど。

川崎先生は、本調子ではなかったように感じた。
声をきいていて、そう感じた。

誰一人として歳をとらないものはいない。
皆、等しく歳をとっていっている。
人だけではない、社会そのものもそうだ、ということを二人の対談をきいていて思っていた。

Date: 4月 6th, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(四回目・その4)

藤崎圭一郎氏が講師の五回目について書いているのに、
ここで石黒浩氏が講師の四回目について書くのは、
往年の女優のモノクロ写真を十枚ほど見る機会があったからだ。
そして色と構図について、思い出していた。

別項で「音の色と構図の関係」を書いた。
まだ(その1)だけで、続きを先延ばしにしているが、
色と構図は、今年一年の、個人的なテーマである。

KK適塾以前に「音の色と構図の関係」は書いていたけれど、
四回目のときに、このことを思い出すことはなかった。

アンドロイドには色がついている。
人間に酷似しているタイプ(ジェミノイド)は、
人間と同じに色をもっている。

けれど、この色をすべて廃して、モノクロ写真のようにしてしまったら、
それを見て、人はどう感じるのだろうか、と考えてしまった。

モノクロ写真的色調のジェミノイド。
そこに独自のリアリティはあるのだろうか。

Date: 4月 3rd, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(五回目・その2)

藤崎圭一郎氏の話は、解像度と変異体ということで、
変化朝顔の写真から始まった。

変化朝顔については説明しない。
Googleで検索してみればわかることだから。

そのあとスクリーンに映し出されたのは、機動戦士ガンダムだった。
ガンダムについても説明しない。

そこでガンダムシリーズに登場するモビルスーツのいくつかが大映しされる。
ガンダムはこれまではいったい何作つくられてきたのか、
すべてを見るほどのガンダムのファンでないため知らないが、
いくつかは見ているし、けっこうハマったシリーズもある。

そのひとつが機動戦士ガンダムSEEDと機動戦士ガンダムSEED DESTINYである。
そのSEEDシリーズに登場しているモビルスーツが、スクリーンに映された。

解像度と変異体にぴったりの例であるからこそなのだが、
藤崎圭一郎氏は、SEEDシリーズを見られていたのか、と勝手に思っていた。

変化朝顔につづいてのガンダム。
首をかしげたくなる人もいたかもしれないが、
藤崎圭一郎氏と同世代(ともに1963年生れ)の私は、共感がもてるつながりである。

解像度と変異体の話をききながら、
私が思っていたのは、石森章太郎のマンガと、日本のオーディオ(製品)のことだった。

Date: 3月 30th, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017が終って……

昨年度のKK適塾も、3月30日が最後だった。
今年度のKK適塾は終った。

昨年度の最後と違っていたのは、スクリーンに「最終回」という映ったことだ。
今年度のKK適塾が終っただけではない、ということだ。

多くの人がいうことがある。
「最後とわかっていれば行ったのに……」

こんなことを口にする人は、ずっと言い続けている、
「最後とわかっていれば行ったのに……」と。

Date: 3月 30th, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(五回目・その1)

KK適塾 2017五回目の講師は、藤崎圭一郎氏。

藤崎圭一郎氏は、二回目(2月2日)の講師だった。
二回目と三回目は中止になった。
藤崎圭一郎氏の話は聞けないのかと思っていたら、
今回の講師、濱口秀司氏の事情で無理ということで、藤崎圭一郎氏である。

濱口秀司氏の話も面白く、興味深い。
今回も聞いてみたいとおもっていたけれど、
まだ一度も聞いていない藤崎圭一郎氏の話を、できれば聞きたいと、
中止になった時から思っていただけに、今回のKK適塾は特に待ち遠しかった。

藤崎圭一郎氏は、評論について直接離されたわけではなかったが、
四つのキーワードをもつクロスの図を使って話は、
評論そのものが、どうあるべきなのか、でもあった。

いまオーディオ評論家と自称している人たちは、
なぜKK適塾に来ないのか。
少なくともオーディオ評論家としてプロフェッショナルであろうとするならば、
今回の藤崎圭一郎氏の話は、聞き逃してはならない内容だった。

こういうことを書いたところで、誰も来ないことはわかっている。
結局、彼らはオーディオ評論家(商売屋)であって、
オーディオ評論家(職能家)でありたい、とは思っていないのだ。

Date: 3月 27th, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(四回目・その3)

石黒浩氏のアンドロイドに関しての話を聞くたびに毎回思っているのは、
High Fidelity Reproduction(ハイ・フィデリティ・リプロダクション)のことだ。

日本では昔からHigh Fidelity Reproductionイコール原音再生、
もしくは限りなく原音に近い音の再生、というふうに捉えられている。

これは誤解といえる。
この点に関しては、瀬川先生がステレオサウンド 24号(1972年)、
「良い音は、良いスピーカーとは?(3)」で書かれている。
     *
それよりも、まず、ハイ・フィデリティをイコール《原音の再生》と定義してよいのだろうか。原音そっくりが、即、ハイ・フィデリティなのだろうか。
 ハイ・フィデリティを定義したM・G・スクロギイもH・F・オルソンも、そうは言っていない。彼らは口を揃えていう。ハイ・フィデリティ・リプロダクションとは「原音を直接聴いたと同じ感覚を人に与えること」である、と。要するにハイ・フィデリティとは、物理的であるよりもむしろ心理的な命題だということになる。ここは非常に重要なところだ。
     *
「原音を直接聴いたと同じ感覚を人に与えること」こそが、High Fidelity Reproductionである。
瀬川先生も書かれているように、ここは非常に重要なところだ。

昨年秋から何回にわたって波形再現について書いてきた。
波形再現を否定するつもりはないが、私がSNSで見かけた波形再現は、ひとりよがりだった。
取り組んでいる本人は、客観的に追求しているつもりてあっても、
いくつもの大事なところが抜け落ちている。

石黒浩氏の話で興味深く感じたのは、
アンドロイドの皮膚を剥ぐときの現実感について、である。
おそらく来場者のほとんどが、このところには強い関心をもたれたのではないだろうか。

皮膚を剥ぐという、現実ではほぼありえないシチュエーションでの現実感というか、
アンドロイドの人としての実在感があるということは、
オーディオマニアならば、再生音において、同様のことがあるのではないか、と思うだろうし、
思いあたることがあるはずだ。

KK適塾の終りには、質問の時間がある。
石黒浩氏にひとつ訊きたいことがあった。
でも、KK適塾での話とは直接関係のないことであり、
他の人にとってはどうでもいいことであろうから、
石黒浩氏に、オーディオマニアではないことを確かめたかったけど、しなかった。

おそらくオーディオマニアではないだろう。
けれど石黒浩氏の話をきくたびに、
この人がオーディオマニアだったら……、と思う。

Date: 3月 27th, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(四回目・その2)

石黒浩氏の話に、美人は左右対称だ、ということが出た。
美男美女といわれ、テレビ、映画に登場する人の顔をみていれば、
完全な左右対称ではもちろんないが、
美男美女といわれない人と比較すれば、かなり左右対称の顔であることは、
以前から気づいている人はけっこう多いはずだ。

とはいえ、美人の定義として左右対称、そう客観的なことといえるのだろうか。
来場者からも、そのことについて質問があった。

石黒浩氏と質問者のやりとりを聞いていて私が思っていたのは、
美人イコール美しい人ではない、ということである。

美男美女でもいい、
美男が美しい男、美女が美しい女とは、私は思っていない。

美人は、左右対称の顔ということが如実にあらわしているように、
きれいな人という域でしかない。

きれいな男、きれいな女、左右対称の顔なのであって、
美しい人が左右対称の顔なのではない。

ではなぜ石黒浩氏がアンドロイドの顔を左右対称にされるのかについては、
ここでは触れない。

これは私のなかだけの定義すぎない。
美人はきれいな人であって、必ずしも美しい人というわけではない。
美人でなくとも、美しい人はいる。
少なくとも、私はそう捉えているし、主観である。

音も同じだ。
美音イコール美しい音ではない。

Date: 3月 24th, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(四回目・その1)

3月23日は、KK適塾 2017の四回目だった。
2月に予定されていた二回目と三回目は中止だった。
一回目が12月22日だったから、三ヵ月ぶりのKK適塾だった。

三ヵ月のあいだに、暖かくなっていた。
桜も咲いている。
なのでずいぶんとひさしぶりの感じもしていた。

四回目の講師は、石黒浩氏。
石黒浩氏の講演はKK塾、KK適塾での二回に加えて、
2015年秋に六本木にある国際文化会館でもきいている。

石黒浩氏の話をききながら考えていたのは、
前日(22日)に書いた「ハイエンドオーディオ考を書くにあたって」だったし、
黒田先生の文章も思い出していた。

石黒浩氏のアンドロイド(人型ロボット)には、
人間に酷似しているタイプ(ジェミノイド)と、
テレノイドと呼ばれているタイプとがある。

ジェミノイドが酷似型であるために、性別や年齢、背格好など、見る人に意識させるのに対し、
テレノイドは性別も年齢も特定される外観を持たず、
見る人によって男にも女にも、子供にも大人にも見える、外観を簡略化したタイプである。

いわば観察(ジェミノイド)と想像(テレノイド)である。
このふたつのことは、これまでの石黒浩氏の話で知っていたけれど、
前日に黒田先生の文章を書き写したこともあって、
いままで以上に、このふたつのアンドロイドの対比が、
ほぼそのままオーディオの世界、音にもあてはまりそうな気がしていた。

Date: 3月 21st, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(3月30日)

グレン・グールドの演奏は「解答」だ。

「解答」だからこそ、グレン・グールドはコンサート・ドロップアウトした。

「解答」のために必要な場は、コンサートホールではなくスタジオであり、録音である──。

KK適塾を聴くことで、強くそう確信するようになった。

23日はKK適塾四回目、30日は五回目が行われる。
五回目の受付も始まっている。