アキュフェーズ A20Vのこと
7月9日のaudio wednesdayでは、
アンプはマランツのModel 7とマッキントッシュのMC275の組合せの予定だった。
けれどMC275の不調で、急遽、代わりのアンプを取りに戻ることになった。
持ってきたのは、アキュフェーズのA20Vである。
A級動作で、出力は8Ω負荷で20W+20W。小出力アンプである。
いまから二十以上前のアンプである。
他にもアンプはあるけれど、A20Vにしたのは、保護回路がしっかりしているからだ。
修理が可能なスピーカーならば、まだいいけれど、
野口晴哉氏のスピーカーは修理が困難なモノばかりである。
何かあることはそうそうないことはわかっていても、全く起こらないわけでもない。
ならば安全なアンプにしておきたい。
ウェストレックス・ロンドンも100dB以上の変換効率の高さを持つ。
20Wならば十分と思いがちだが、実際には16Ω負荷となるから出力は半分の10W。
300Bシングルアンプ並みの出力のトランジスターアンプで、
この時代のスピーカーが、どう鳴ってくれるのか。
想像が難しいところもあったが、鳴らしてみたら、違和感がない。
真空管とかトランジスターとか、そんなことは頭からさっぱり消えていた。
出力も十分だった。
正直、A20Vの実力を低くみていたところがあった。認識不足を反省するくらいの鳴り方だった。
A20Vの後継機は、A30、A35と続いたが、現在は同クラスの製品はない。
A35と上級機のA60の中間に位置するA45が登場し、現在はA48Sとなっている。
A20Vは出力段のMOS-FETは3パラレル、A48Sは6パラレルと規模は大きい。
A45もA48Sも聴いていないので、なんとも言えないけれど、
A20Vとは傾向は同じようでいて、けっこう違うようにも思う。
どちらかがいいアンプなのかは、組み合わせるスピーカー次第だ。
今回、ウェストレックス・ロンドンとの組合せだと、A20Vの方がいいかもしれない──、そんな気がしている。