ロングライフということ(その2)
オーディオの歴史を振り返ってみると、
モノーラルからステレオの時代へとなっていき、
1982年にはCDが登場し、それから二十年経たないうちにSACDが出た。
さらにストリーミングで聴くことが当たり前になりつつあり、
サンプリング周波数も高くなっていっている。
プログラムソースの変化だけを大雑把にみても、これだけある。
オーディオの変化だけではなく、オーディオを取り囲む環境の変化もある。
インバーター方式に家電製品が登場するようになったのは1980年代からだろう。
これだけでも電源環境は大きく変った(悪くなった)。
それから携帯電話の登場、普及があり、
パソコンの普及も、そこに加わる。
高周波ノイズは、昔とは比較にならないほど増えて大きくなっている。
電源だけを見ても、ノイズの混入は当たり前と思っていた方がいい。
ノイズと書くと、高周波ノイズと受け止められがちだが、
同じくらい厄介なのは直流の混入である。
電源トランスによっては、直流が混入してくると、途端に唸りだす。
かなり大きく唸るトランスもある。
電源トランスの唸りは、それが聞こえない位置にアンプを置けば、
それで解決するものではない。
電源トランスの唸りは、音場の再現性に大きく影響する。
唸り始めたら、音場がこわれるとも言っていいほどだ。