My Favorite Things(チューナー篇・その8)
マランツのModel 10Bを愛用されていた五味先生は、最終的にスチューダーのC37まで導入されている。
多い。
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いい音で聴くために、ずいぶん私は苦労した。回り道をした。もうやめた。現在でもスチューダーC37はほしい。ここまで来たのだから、いつか手に入れてみたい。しかし一時のように出版社に借金してでもという燃えるようなものは、消えた。齢相応に分別がついたのか。まあ、Aのアンプがいい、Bのスピーカーがいいと騒いだところで、ナマに比べればどんぐりの背比べで、市販されるあらゆる機種を聴いて私は言うのだが、しょせんは五十歩百歩。よほどたちの悪いメーカーのものでない限り、最低限のトーン・クォリティは今日では保証されている。SP時代には夢にも考えられなかった音質を保っている。
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スチューダーのC37を手に入れられたことは、ステレオサウンド 50号の「オーディオ巡礼」を読めばわかる。
やはり手に入れられたのか、と思いながら読んだ。
C37はコンソール型のオープンリールデッキで、かなり大きい。管球式テープレコーダーである。
10BとC37で、NHK-FMのライヴ放送を録音されたのだろう。どんな音なのか、と想像するしかないわけで、聴いてみたい音でもある。
セクエラのModel 1だったら、スチューダーのA80だっただろうか。そんなことも当時おもっていた。
そういえばマーク・レヴィンソンは、スチューダーのA80のトランスポートをベースに、エレクトロニクスをマークレビンソン製に置き換えたML5を出していた。
このころ、KEFのModel 105やJBLの4343をベースに、ML5のようにマークレビンソン・ブランドで出すというプランもあった。
立ち消えになってしまったけれど、マーク・レヴィンソンはチューナーで、同じことをやろうとは考えなかったのか。
もし考えていたら、ほぼ間違いなくセクエラだっただろう。