Date: 4月 15th, 2013
Cate: 50E, QUAD, 電源
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電源に関する疑問(QUAD 50E・その4)

QUADの真空管アンプの回路のユニークさについての解説は、
ステレオサウンド別冊「往年の真空管アンプ大研究」に掲載されている石井伸一郎、上杉佳郎、是枝重治、三氏による
「QUADII+22の回路の先見性・魅力の源泉を探る」をお読みいただきたい。
(すでに絶版になっているが現在は電子書籍で入手できる)

これまでQUADの真空管アンプの回路について解説は、いくつか読んだことがある。
それでもはっきりとしないことがいくつもあって、それらがほとんどはっきりしたのが、この本のこの記事である。

QUADの真空管アンプの回路のユニークさについてこまかく解説していこうとすると、
それだけでけっこうな文量になるし、その多くを「往年の真空管アンプ大研究」から引用することになる。
なのでQAUDのアンプの詳細について知りたい方は「往年の真空管アンプ大研究」を参考にしてほしい。

「往年の真空管アンプ大研究」のQUADを記事を読んで、改めて思ったのは、
ピーター・ウォーカー氏は、五極管を使いこなしに長けていた人ともいえることだ。

コントロールアンプの22のフォノイコライザーは五極管EF86を1本だけで構成している。
しかも長年22のフォノイコライザーに関しては、CR型なのかNF型なのか、議論されてきていた。
それでも納得のいく答を出せていた人はいなかった(少なくとも私が読んだ記事の範囲においては)。

フォノイコライザーを真空管1本だけ(1段)だけで構成するのは、
三極管では増幅率が低く、まず無理であり、五極管を使うしかない。
三極管の2段構成すればもちろん可能になるわけだが、ピーター・ウォーカーはあえてそうしていない。

パワーアンプのQUAD IIもそう。
QUAD IIには三極管は使われていない(22はラインアンプはECC83の2段構成)。
初段は22のフォノイコライザーと同じEF86を2本使い、
基本的にはオートバランス型と呼ばれる位相反転回路となっている。

けれど、ここが22のフォノイコライザー同様、迷路的な回路となっていて、
なかなかその正体(動作)が把握しにくくなっている。

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