電源に関する疑問(その2)
真空管アンプには、いくつか採用例があったチョークインプット方式だが、
トランジスターアンプになってからは、1987年に登場したチェロのパフォーマンスまで採用例はなかった(はず)。
チョークインプット方式の真空管アンプをつくられた方なら、おわかりになるだろうが、
チョークインプット方式では、チョークがうなりやすい。
このうなりは耳につく。
チェロのパフォーマンスでは、パワーアンプにも関わらず外部電源とし、
電源トランス、整流ダイオード、チョークコイルまでを、別筐体にまとめている。
しかもチョークの下にはかなり厚いゴムをはさみ、
チョークの振動がシャーシーに伝わらないよう配慮されていた。
もしアンプと同一筐体に仕上げられていたら、
もともと振動源が、コントロールアンプよりも多いパワーアンプにとって、
よけいに、それももっとも大きな振動源が増えることになる。
井上先生は、電源トランスがうなっていてはだめだ。
うなりがあると、音場感がいともたやすくくずれてしまう、とよく言われていた。
電源トランスよりもうなるチョークがあっては、台無しである。