電源に関する疑問(QUAD 50E・その1)
この項の(その2)にこう書いている
真空管アンプには、いくつか採用例があったチョークインプット方式だが、
トランジスターアンプになってからは、1987年に登場したチェロのパフォーマンスまで採用例はなかった(はず)。
今日、ある方から、このことで指摘を受けた。
QUAD最初のソリッドステートアンプ50Eも、チョークインプットだ、と。
回路図を見ると、たしかにチョークインプットである。
となると、ほぼまちがいなくトランジスターアンプで最初にチョークインプットを採用したのは50Eだろう。
50Eの増幅部の回路構成は、真空管アンプのプッシュプル回路の増幅素子をそのままトランジスターに置き換えた、
そういえる回路構成である。
そのため、一般的なトランジスターアンプ(シングルエンテッドプッシュプル型)にはない位相反転回路がある。
真空管アンプのP-K分割ならぬ、トランジスターだけにC-E分割回路である。
50Eは出力トランスも搭載している。
こういう回路構成のアンプ、当時いくつかのメーカーで試作品的なものはつくられたそうだが、
実際に製品化されたのはQUADの50Eだけ、らしい。
実は増幅部の回路構成については回路図を以前みたときから知っていた。
でも、そのときは電源部にまで注意がいかなかった。
増幅部の回路構成が真空管アンプそのものであるなら、
電源部もそうである、と、なぜか当時は思わなかった。