Date: 4月 13th, 2013
Cate: チューナー・デザイン
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チューナー・デザイン考(その7)

1980年にはいったころからか、
「FM放送がライヴ中継をやらなくなりはじめた」という声を耳にしたり目にしたリした。

これがどのくらい正確に当時の状況を語っているのかは、
国会図書館にでも行き、1970年代、1980年代のFM誌に掲載されていた番組表を照らし合せてみるしかない。
でも、そこまでやろうとは思わない。

FMにもそれほど関心があったわけでもない私の、なんとなくの印象ではそうかなしれない、ぐらいである。
ライヴ中継は減っていたかもしれない。
けれど五味先生の影響をつよく受けている私にとって、
FMでの大きな意味をもつ放送といえば、バイロイト音楽祭ということになる。

これはライヴ中継ではなく、毎年録音による放送で12月だった。
これはずっと続いていたし、
来日した演奏家の演奏会のいくつかは録音による放送があった。

ステレオサウンドにはいったばかりのころ、シルヴィア・シャシュをよく聴いていた。
菅野先生も試聴レコードに、ある時期、よく使われていた。

ある日、NHK-FMでシルヴィア・シャシュの演奏会の放送があった。
ライヴ中継ではなかった、と記憶している。
それでも嬉しくて、
ステレオサウンドの試聴室にあったケンウッドのL02Tとナカミチの700ZXL(だったと思う)で録音した。

少しでも鮮度の高い音で、ということで L02Tの出力はコントロールアンプを通さず、
直接7000ZXLのライン入力に接いだ。

1986年、カルロス・クライバーがバイエルン国立歌劇場管弦楽団と来日した時、
やはりNHK-FMが放送した。これも録音による放送だった。

たしか放送された日の演奏は会場にいて聴いていた。
それでももう一度聴けるとなると、嬉しい。
そのときチューナーはすでに持っていなかったから、知人にところに聴きに行ったこともある。

その彼もチューナーは持っていなくて、
なかば無理矢理、その日チューナーを買わせてしまった。
「何がいいですか」ときかれたので、トリオのKT3030を薦めた。
そして、ふたりしてスピーカーの前で、放送が始まるのを待っていた。

けれどクライバーの演奏が始まり、すぐに一瞬モノーラルになり、
その後放送が中断してしまった。NHK側のトラブルで後日再放送ということになった。

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