「ラジカセのデザイン!」(続×五・余談)
本棚におさめてレベルコントロールを積極的に使うJBLの4411を鳴らすアンプに求めたいことがすこしある。
まずプリメインアンプであること。
それほど大袈裟にならなければセパレートアンプでも……という気持はまったくなく、
プリメインアンプの良質なもの、そして物量を投入したモノにしたい。
なぜかといえば、4411がアメリカのスピーカーシステムであり、
4411がイギリスのBBCモニター系統のスピーカーであれば、
アンプに投入されている物量ということにはまったくこだわらないけれど、
4411はブックシェルフ型ではあるが、はっきりとアメリカのスピーカーシステムなのだから、
スマートなアンプで鳴らすことよりも、物量投入型のアンプで鳴らしたい。
それからA級動作のもの、A級動作でなくとも発熱量が極端に多いものはさけたい。
スピーカーを本棚におさめるくらいだから、プリメインアンプも本棚に置きたい。
そういう使い方をするから、放熱に気をつかうものはなるべくさけたいわけだ。
トーンコントロールがついているアンプ。
それもおまけ的なトーンコントロールではなく、しっかりと機能するトーンコントロール。
できればターンオーバー周波数が選択できるもの、高・低の2バンドに中域を加えた3バンドのもの。
この3つを満たしてくれるアンプとなると、
マランツのプリメインアンプ、それも4411とほぼ同時代のアンプが真っ先に浮ぶ。
Model 1250、Model 1152、もう少し新しいところではPM6、PM8がある。
これらのマランツのプリメインアンプは、いまのマランツのプリメインアンプのパネルフェイスとは異り、
Model 7の流れを汲む、いまとなっては古典的なスタイルのものである。
ツマミが多すぎて……、といまどきのアンプを見慣れた人はそう感じるかもしれない。
でも、あのころのプリメインアンプは、このくらいのツマミがフロントパネルに、
各社、特色のある配置がなされていた。
1250、1152、PM6、PM8、
この4機種ならば、コンディションのいいものが見つかれば、それでいいという気持なのだが、
できれば1250のコンディションのいいものがあれば、と思ってしまう。
1250が、この4機種の中で音がいい、という理由ではない。
スピーカーが4411と四桁の型番だから、アンプもできれば四桁の型番に合せたい、だけなのだ。