「ラジカセのデザイン!」(続×九・余談)
マランツのModel 1060にはフロントパネルがふたつ用意されていた。
マランツならではのゴールドパネルとシルバーパネルである。
アナログプレーヤーにエンパイアを選んでいれば、
1060のゴールドパネルということになるし、4310もウォールナット仕様の方に、
自然と決っていく。
エンパイアのプレーヤーの金属部分はコールド仕上げだし、
ベースにもダストカバーの両サイドにも木が使われている。
もっとも手が触れるアナログプレーヤーのデザインがこうなのだから、
1060、4310の仕上げは決っていくわけだ。
シネコのMark 2002ならば、ここはゴールドの1060ではなくシルバーの1060である。
4310もサテングレー仕上げに決る。
シネコ(Cineco)はフランスのメーカーで、成川商会が輸入していた。
プレーヤーキャビネットは厚さ20mmのアクリルガラスで、
ターンテーブルプラッターからレコード盤を浮すための円盤状のものが六つ外周ちかくにある。
プラッターの右側、つまりトーンアームが装着されるところはアルミで覆われている。
ただしこの部分もアクリルガラス製のモノもあったようだが、
アルミで覆われているほうがコントラストがあって、
トーンアーム(SMEの3009 Improved搭載)との馴染みもいい。
エンパイアのプレーヤーとの質感がまるで違うMark 2002だから、
1060も4310も、シルバーでありサテングレーになるわけだ。
逆は絶対にありえない。
机上の組合せだからといって、
エンパイアのプレーヤーに、シルバーの1060、サテングレーの4310はないし、
シネコのプレーヤーに、ゴールドの1060、ウォールナットの4310もない。
組合せとはそういうもののはずだ。