ある写真とおもったこと(その11)
アナログディスク再生が、プログラムソースのメインであった時代は、
アナログプレーヤーに関する調整によっても、
アナログプレーヤー関連のオーディオ機器によっても、
同じレコードから得られる音は、大きく違っていた。
同じアナログプレーヤーであっても、
設置、調整する人が違えば、音はそうとうに変化する。
ベテランと自称する人ほど多いように感じるのは、
トーンアームのゼロバランスをうまくとれない人である。
私だけがそう感じているのではなく、
SNSを見ていると、同じように感じている人がいることがわかる。
カートリッジをトーンアームに装着して、まず何をするかといえば、
ゼロバランスの調整である。
ゼロバランスがきちんととれていなければ、そこから先は進めない、といえる。
にも関わらすゼロバランスがうまくとれない人が少なからずいるのは事実である。
ゼロバランスがうまくとれないことを自覚しているのであれば、
誰か確実な人に代りにとってもらえるが、
とれない人に限って、とれていると思っている節がある。
ゼロバランスが狂っていては、針圧が目盛通りには印可されない。
そういう人は針圧計を使っては、このトーンアームは針圧の目盛がおかしい、
うまく針圧がかからない、などと責任転嫁しがちである。
アナログプレーヤーに関する設置、調整については、ここではこれ以上細々したことは書かないが、
そのくらい使う人(設置、調整する人)によって、レベルが大きく違っている。
それにハードウェアも、性能に違いがある。
価格の安いモノ、高いモノ、新しいモノ、古いモノなど、実にさまざまであり、
それらが混在した状態のプレーヤーシステムもある。
そういうアナログディスク再生では、ひとりひとりが鳴らしている音の違いは、
千差万別であり、大きく違っていた。
それがデジタル(CD)の登場により、
ある最低ラインは保証されるようになった。