Date: 8月 23rd, 2025
Cate: アナログディスク再生
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Westrex 10Aのこと(その7)

ウェストレックスの10A、ノイマンのDSTほどではないが、
オルトフォンのSPUやEMTのTSD15も、ローコンプライアンスのカートリッジである。

軽針圧(ハイコンプライアンス)のカートリッジの音にまったく惹かれないわけではないが、
SPUやEMTの音を聴くと、やっぱりこっちだな、とひとり納得するばかりである。

なぜなのか、と昔から疑問に思っていたし、その理由を考えてもいた。

理屈から言えばハイコンプライアンスの方が、カートリッジの在り方としては正しい、とも言える。
そんなことは昔からわかっていることでも、肝心なのは音であって、
例えば別項「2023年ショウ雑感(その17)」で書いたことも関係してくる。

2023年のインターナショナルオーディオショウでのオルトフォンジャパンのブースで鳴っていた二つの音。

一つはオルトフォン最新・最高級のMC Diamond、
もう一つは、SPU GTE、
どちらも石川さゆりの「天城越え」を鳴らしていた。

どちらの音が、より正しいのか、と問われれば、MC Diamondだ、と答える。
MC Diamondでの音は、スタジオで石川さゆりが歌っているかのように聴こえたからだ。

一方のSPU GTEの音は、石川さゆりがナイトクラブで歌っているかのように、私の耳には聴こえた。

スタジオで録音しているのだから、MC Diamondの聴こえ方の方が正しいとは、私でも思う。
それでも……である。

わかった上で、どちらをとるかである。

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