20代のころの夢もしくは妄想(その1)
20代のころ、こんなことをおもっていた。
70過ぎになったら、小さい名画座を経営したい、と。
スクリーン裏のスピーカーは、トーキー時代の高能率スピーカーシステムにしたい。
シーメンスのオイロダイン、ウェスターン・エレクトリックのシステム。
アンプはもちろん真空管。
往年の名画を、その時代の音で上映する。
100名程度の映画館をもてたらなぁ〜、と、かなり無理なことを夢見ていた。
それで入場券のもぎりをやって一日を過ごす。
たまにレコードコンサートをやる。
そのころとは映画館の経営もずいぶん変ってきてしまった。
デジタル上映が一般的になってきて、名画座の経営も大変だと聞いている。
私が30年ほど前に夢見ていたことは資金があるだけでは実現困難になりつつあるのかもしれない。
それでも、今日ヤフオク!に,JBL/AMPEXのmodel 6000が出ているのを、
友人が教えてくれた。
巨大なシステムだ。
ウーファーはJBLの150-4Cが片側四発、ドライバーは375で、ホーンは業務用の蜂の巣。
ドライバーとホーンは片チャンネルあたり二組。
これがフロントホーン、バッフル付きのエンクロージュアに収められている。
Model 6000の存在は知っていたけれど、この時代に入手できるとはまったく思ってなかった。
価格はかなりの金額である。
程度は良さそうだし、問題はなさそうである。
その価格が、このシステムの適正価格といえるののかどうかは判断が難しい。
それにアメリカからの出品だから、輸送費もかなりかかるはず。
私には到底無理だが、こういうシステムをポンと買える人はいる。
そういう人の中に、このシステムで映画を上映してみようという人がいてほしい──、
と勝手なことをおもっている。
Model 6000がヤフオク!に出ているのを知って、
30年前の夢(妄想)をおもいだしていた。