ダイレクトドライヴへの疑問(その7)
ステレオサウンド 48号には、長島先生による測定データも載っている。
測定項目は次の通り。
無負荷状態での速度偏差
レコードトレーシング時の速度偏差(ダイナミック・ワウ)
ターンテーブル及び軸受けの強度測定
ターンテーブルの偏芯と上下ブレ
無負荷状態での速度偏差以外は、アナログプレーヤーのカタログには載ることのない項目である。
レコードトレーシング時の速度偏差と無負荷状態での速度偏差のグラフを見比べると、
ほとんど変化のないプレーヤーもあれば、無負荷状態では優秀な性能でも、
実際の使用状態、つまりレコードをのせ、カートリッジでレコードの音溝をトレースしている状態では、
音楽信号の強弱によりターンテーブルにかかる負荷が変動する。
この変動に対して、ターンテーブルは我関せずと安定した回転を保っていればなんら問題はないのだが、
実際にはカートリッジのトレース時の負荷は、意外にも大きいのか、
レコードトレーシング時の速度偏差が大きく(変動幅はすくなくとも不規則に)変動するものがあるのがわかる。
そして、私が驚いたのは、ターンテーブル及び軸受けの強度測定とターンテーブルの偏芯と上下ブレである。
ターンテーブル及び軸受けの強度測定は、ターンテーブルプラッターの縁にオモリをのせ、
最小目盛り1μ(1000分の1mm)のダイヤルゲージをあて、たわみ・しなりを計測したもの。
オモリは50g、100g、200gの3種。
ターンテーブルの偏芯と上下ブレは回転状態のターンテーブルプラッターの偏芯と上下ブレを、
やはりダイヤルゲージで読んだものである。
これらの測定には、定盤のうえにプレーヤーをのせて行われている。