Date: 12月 4th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design
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聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その17)

物理特性上のS/N比は、数値ではっきりと表示される。
数値が高い方がS/N比がいいのは事実なのだが、
これすらも測定方法(条件)によって、違ってくる。

入力ショート時でのS/N比と入力に実際の機器を接続した状態、
たとえばフォノ入力であればカートリッジを接続した状態、
つまり実装時でのS/N比は、機器によってはけっこう違う数値となることがある。

入力ショート時と実装時のS/N比が同じ数値の機器もあれば、
実装時のS/N比の数値が低くなる機器もある。

どちらの機種が優秀なのかといえば、いうまでもない。
以前のアンプでは、入力ショート時と実装時の数値に開きが多いアンプが、
少なからずあった。

カタログスペックでは高S/N比なのに、実際に聴いてみると、そんな感じではない──。
ステレオサウンドでは1970年代、アンプの総テストのときには、
S/N比に関しては、どちらも測定していた。

この実装時のS/N比も、聴感上のS/N比ということになる。
聴感上のS/N比うんぬん、ということは、いまでは多くの人が言ったり書いたりしている。

それらすべてに目を通しているわけではないが、
なんとなくだが、聴感上のS/N比が良くなった場合、
どういう音の変化があるのかについて、誤解している人がいる、と感じている。

聴感上のS/N比を良くしていくと、聴感上のダイナミックレンジは広くなる。
フォルテシモでの大きさは物理的には同じであっても、
ピアニシモがより小さな音まで聴こえてくるようになってくるために、
聴感上のダイナミックレンジは広くなる。

ここまではいいのだが、聴感上のS/N比が良くなって、
聴感上のダイナミックレンジが広くなると、音はどう変化するのか。
ここで意見が食い違う。

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