Date: 7月 8th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design
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CR方法(その23)

ファンの影響をなくしたければ、最初からファンがついていない、
自然空冷のパワーアンプを選択することこそ解決方法──、
そうなのはわかっていても、だからといって自然空冷のパワーアンプが、
ファン付き(強制空冷)のパワーアンプよりも優れているのかというと、
このあたりはなかなかに難しいところである。

自然空冷にするのであれば、必然的にヒートシンクの規模は大きくなる。
この部分が大きくなるということは、配線が延びるということである。

出力段とドライバー段との間隔が、強制空冷のアンプよりも長くなる。
出力段とドライバー段を一つのヒートシンクにおさめると、
今度はドライバー段と前段との間隔が長くなる。

高周波特性に優れたトランジスターを使用するほど、
この配線が長くなる影響(インダクタンスの上昇の影響)は、より顕著になる。

1980年ごろ、国産アンプでヒートパイプが使われ出した。
以前書いているので詳細は省くが、この時代、
パワートランジスターの特性が向上した時期でもある。

ヒートパイプの採用は、アンプ回路全体のサイズ(これも以前書いてる)を、
小さくまとめることにつながっている。
ヒートパイプが根付かなかった理由も、その時書いている。

同時にヒートシンクの大きくなるということは、
パワートランジスターとヒートシンクは、振動源と音叉の関係に近いことからいっても、
音への影響は大きくなる。

あちらを立てればこちらが立たず、なのだ。

結局、手に入れたアンプが強制空冷(ファン付き)であれば、
ファンの影響をできるだけ抑えることを考える。

その一つとして、ファンはモーターであり、コイルが中にあるわけだが、
ここにもCR方法が効果的なのではないか、と。

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