サイズ考(LPとCD・その2)
ステレオサウンドにいた時に、富士通のワープロが導入された。
OASIS 100Fというモデルだった。
5インチのフロッピーディスクがシステムディスクであり、記録メディアだった。
ずいぶん昔の話だ。
Macを使ったDTPの仕事を一時期していた時、
光磁気ディスクはバックアップ用にもデータの受け渡し用にも必要だった。
受け渡し用には3.5インチだったが、バックアップ用には容量の関係で5.25インチだった。
3.5インチのディスクも、私が使っていたころの容量は128MBだった。
その後、容量は増えていっている。
情報密度は増していき、記録媒体のサイズは小さくなる。
LPとCDは直径では半分以下であり、
面積的には1/4以下である。
その後、ミニディスクが登場し、音質面はともかくとして、サイズはさらに小さくなった。
プログラムソースといえばLPという時代にオーディオの世界に踏み込んだ者のサイズ感と、
CD以降の世代のサイズ感とでは、ずいぶんと違うのかもしれない。
LPでは直径30cmのディスクだったから、
アナログプレーヤーの大きさはそれなりのサイズになり、
アンプもスピーカーも、それなりの大きさであっても、バランスがとれていた。
けれどCDは12cmの直径である。
LPとCDのサイズの違いだけからすれば、
それまでの感覚でバランスがとれていたと感じていたアンプやスピーカーは、
すでに大きすぎなのかもしれない──。
そう考える世代がいても不思議ではないのかもしれない。
そう考えると、ヘッドフォンのみで、スピーカーで音楽を聴かない、
もしくは大型スピーカーを毛嫌いする人たちが増えていると聞くのも、
むしろ当り前なことなのかもしれない。
CD、ミニディスク……、いまではもっとサイズは小さくなっているといえるのだから。