Meridian 210 Streamer(その10)
以前、別項で書いている。
M20はずいぶん迷った。
買いたい、と本気で考えていた。
買っておけばよかったかな、と思ったこともある──と。
メリディアンのM20はパワーアンプ内蔵のアクティヴ型である。
M20購入に踏み切れなかった理由は、ここである。
まだ二十代なかばの私は、
パワーアンプを選べないアクティヴ型を積極的に求めようとはしなかった。
オーディオマニアの楽しみとして組合せがある。
アクティヴ型スピーカーは、その組合せの楽しみの一部を奪ってしまう──、
そんなふうに捉えていたから、M20の音に惚れ込みながらも手を出さずにおわってしまった。
ソーシャルメディアには、そういう意見を持つ人がいる。
あのスピーカーはいいけれど、アクティヴ型だからね、
パワーアンプが選べないからね──、
そんなことを目にすることがある。
以前の私がそうだったから、その心情はわからないわけではないが、
いまの私はそこにこだわりは、もうない。
210と218とM20の組合せ。
これを想像していると、特にそうである。
目の前にはM20しかない。
210と218はどこかに隠しておける。
操作はiPhoneがあればできる。
そういう環境で好きな音楽を楽しむのは、想像するだけで嬉しくなってくる。
こういう想像は、M20に限らない。
いまではアクティヴ型モデルは増えている。
デジタル入力をもつモデルも多い。
210があれば、それだけでシステムが構築できる。
MQAに非対応のアクティヴ型スピーカーであっても、
210があれば96kHzまでのコアデコードでMQAの音が聴ける。
そのことをちょっとだけでも想像してほしい。