Date: 2月 25th, 2018
Cate: オーディオ評論
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オーディオ評論家の才能と資質(その6)

スピーカーをうまく鳴らせるのは誰なのか。
そのスピーカーを設計・開発した人でしょう、という人がいる。

本気でそんなことをいう人が意外にいる。
どうして、そういう考えになるのか、不思議に思う。

例えばカメラ。
カメラメーカーの技術者が、もっともいい写真を撮れるのか、というとそうではない。
プロのカメラマン、写真家がいる。

写真家よりも、そのカメラについては開発した人のほうがずっと詳しい。
だからといって、写真家よりいい写真が撮れるわけではない。
そんなことはほとんどの人がわかっている。

車にしてもそうだ。
車の開発者が、いちばん速く走らせられるか、というとそんなことはない。
このことだって、ほとんどの人がわかっている。

そんなわかりきったことが、なぜかオーディオでは通用しなかったりすることがある、
通用しない人がいる。

その1)で、オーディオ評論家はスピーカーをうまく鳴らすことが求められる、
と書いた。
その5)では、どんなに耳がよくても、
スピーカーをうまく鳴らせなければ、それはオーディオ評論ではなくサウンド批評だ、とも書いた。

車の評論家を考えてみてほしい。
車の評論家で、運転できない人がいるだろうか。
助手席に座っているだけで車の評論ができると思っている人が、
スピーカーがうまく鳴らせなくとも、オーディオ評論家というのだろう。

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