30年ぶりの「THE DIALOGUE」(さらに余談)
ステレオサウンド 46号のUREIのModel 813の試聴記を読みながら、
ジャズを、それも古い録音のジャズを思い切り気持良く鳴らしてくれるスピーカーだ、と思った。
だからスイングジャーナルでは、ステレオサウンド以上に高く評価されるだろう、と思った。
そのころのスイングジャーナルを熱心に、毎号読んでいたわけではない。
だから見落している可能性も高いのだが、
スイングジャーナルでModel 813が高く評価された、という記憶がない。
菅野先生はスイングジャーナルの試聴室でも、Model 813を聞かれていても不思議ではない。
スイングジャーナルに、菅野先生によるModel 813の記事は載っているのだろうか。
ちょっと不思議に思えることだが、
46号に載っているModel 813のインピーダンスカーヴを見ていると、
もしかして、このへんに起因しての、スイングジャーナルでの評価だったのかも……、
と、気になる点がある。
Model 813は604-8Gにサブウーファーを足している関係上、
サブウーファーの受持帯域では、604-8Gのウーファーとサブウーファーとが、
並列にアンプの負荷となるわけで、インピーダンスがかなり低下する。
46号のグラフをみると、40Hzよりも少し高いところにf0のピークがあり、
このピークも10Ω程度とさほど高くなく、そこからインピーダンスは低下する。
80Hzあたりでは4Ωを切っていて、ほぼ3Ωといっていい。
150Hzあたりからやや上昇していくが、300Hzあたりでも4Ωくらいしかない。
これは、当時のアンプにとっては、けっこうな負荷となっていただろうと推測できる。
しかも、ある人から聞いた話では、
スイングジャーナルの試聴室の特性は、
Model 813のインピーダンスがもっとも下る帯域あたりで、
レスポンスが低下する、らしい。
スイングジャーナルの試聴室に入ったことはないし、
測定データを見たわけでもないから、断定はできないものの、
試聴室の特性に関しては信頼できる人からの情報だから、
私の記憶違いでなければ、試聴室のレスポンスの低下と、
Model 813のインピーダンスの低下する帯域とはほぼ一致している。
このへんに、スイングジャーナルでのModel 813の評価の理由がある、と私は見ている。