捲く、という技術(その1)
オーディオ機器を製造するうえでの根幹といえる技術はなんだろう? 考えてみた。
ハンダ付けと捲く技術ではないだろうか。
ハンダ付けについては、ここでは語らない。
ここでは、捲く、について書く。
オーディオ機器を構成する部品には、捲くことで製造されているモノがいくつもある。
まずコイルがある、
コイルはスピーカーシステムの内蔵ネットワークの大事な部品だし、
高周波ノイズを除去する部品でもあり、
パワーアンプの出力のところにも使われている。
さらにボイスコイルと呼ばれるコイルがある。
どんなに理想的といえる振動板を採用し、
優れて磁気回路をもってきても、ボイスコイルがいいかげんな捲きならば、
優秀なトランスデューサーとはならない。
ボイスコイルとは反対の発電のためのコイルがある。
カートリッジの内部にあるコイルであり、
オーディオ機器に使われるコイルの中では、もっとも小型で軽量なコイルだ。
それからコイルを組み合わせた部品にトランスがある。
電源トランス、出力トランス、高周波トランスなどがある。
もっとこまかく見ていくと、抵抗、コンデンサーもそうである。
容量の小さなコンデンサーであれば積層型もあるが、
多くのコンデンサーには捲きの技術が使われている。
抵抗も巻線抵抗はそうだし、スピーカーシステムのレベルコントロールには、
巻線型のモノが使われることが多い。
もうひとつモーターを忘れるわけにはいかない。