Siemens Eurodyn + Decca DK30(その4)
スピーカーシステムの最高域を補うトゥイーターのことを、一般的にスーパートゥイーターと呼ぶが、
野口晴哉氏のオイロダインにデッカのリボン型トゥイーターは、
その使い方(結線)からして、スーパーではなくサブトゥイーターという認識の方がいい。
そんなトゥイーターの使い方で、いったいどれだけ音が変るのか。
8月の会で、ウェストレックス・ロンドンのシステムに、
エラックのリボン型トゥイーターを足した時ほどの誰の耳にもわかりやすい変化ではないが、
明らかに音は変化している。
今回は、とにかくデッカを鳴らすことだけを優先して、
カットオフ周波数の細かな設定は一切やっていない。
なんとなく、このくらいの周波数でカットオフしよう、
コンデンサーの値は、このくらいになるから、近い値のコンデンサーを買ってきただけだ。
まず音を鳴らす。そしてしばらく聴く。調整はそれからでいい。鳴らさないことには、何も始まらない。
私の耳には、何が大きく違って聴こえたかというと、
音楽のタメ(演奏のタメ、歌い方のタメ)が、よく出るようになったと感じた。
その分、音楽がより濃厚に感じられる。
そしてこの「タメ」が、最新のオーディオが鳴らすのと、
往年の高能率スピーカーが鳴らすのとでは、大きく違っているところとも感じる。
それは何もオーディオの世界だけではなく、演奏家もそうだと思っているし、感じている。