Siemens Eurodyn + Decca DK30(その3)
シーメンスのオイロダインの最低域と最高域を、
エレクトロボイスの30Wとデッカのリボン型トゥイーターで補う。
これを聞いて、マークレビンソンのHQDシステムを思い出す人もいれば、
ステレオサウンド 38号を読んだことのある人ならば、上杉先生のシステムを思い出すはずだ。
HQDシステムは、QUADのESLを中心に、最低域をハートレーの224HS、最高域をデッカのリボン型(ホーンは外されている)で補っている。
しかもESLはダブルスタックという、かなり大がかりな構成。
上杉先生のシステムはオイロダインを中心に、最低域はエレクトロボイスの30W(しかもダブルウーファー)、トゥイーターはテクニクスのホーン型。
こちらも相当に大がかりな構成である。
野口晴哉氏が、30Wをどう使おうとされていたのか。いまとなっても、誰も知らないしわからない。
オイロダインにデッカのリボン型トゥイーターだから、ここに30Wだろう、と私が勝手に推測したいるだけだ。
仮にそうだったとしよう。それでもHQDシステムや上杉先生のシステムとは、違うといえば違う。
オイロダインは出力音圧レベル104dBという高能率型。
デッカのリボン型トゥイーターは公表されていないが、なんとなくではあるが、90dB前後だろう。
10dBほどの違いがあり、こういう場合、本来ならばデッカに専用アンプを持ってきて、マルチアンプシステムになる。
けれど既に書いているようにJBLのN8000を介してデッカは接続されているから、
デッカの受持帯域の音圧レベルは、オイロダインよりも低い。