Date: 12月 12th, 2025
Cate: 1年の終りに……
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2025年をふりかえって(その9)

ベスト・オーディオファイルに続いて、「読者参加による人気実力派スピーカーの使いこなしテスト」、
それからチェロのAudio Suiteについてのエッセーあたりまでは、
本名の舘 一男で登場されている。

その後、ペンネームの早瀬文雄を使われるようになったわけだが、舘さんは、ステレオサウンドから二回離れている。

一度目は1991年ごろ、
それから十年ほど経って、ステレオサウンドに復帰。
けれど数年でまた離れられたのは、「怒り」だと私は受け止めている。

一回目の時は、かなり細かなことまで聞いている。
私がステレオサウンドを辞めても、つきあいは変らなかった。
変えなかった人が舘さんだった。

ここでは書けないことをかなり聞いている。
ずいぶん怒りが溜まっているな、と感じながら聞いていた。
誰に、何に対しての怒りなのか、一つひとつ具体的に明かしたりはしないが、
ステレオサウンド編集部への怒りもあったわけだ。

積もり積もった怒りが臨界点を超えた感じだった。

ステレオサウンドに復帰しても、結局は同じだったようだ。
この時もけっこう聞いていたけれど、
舘さん自身、一回目の時よりも歳を重ねていたわけで、
怒りだけというより、諦めも強くあったように感じた。

この「怒り」を、管球王国が休刊になって嘆いている人たちは、どうなのだろうか、と思ってしまう。

「怒り」なんていっさい持つことなく、ステレオサウンドを、管球王国をずっと読んできているのだろうか。

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