野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会(その3)
ステレオサウンド 15号「オーディオ巡礼」に載っているシステムは、二系統。
ブロックダイアグラムの表記をそのままうつしておく。
ウエスタンエレクトリック510Aウーファー4本
ウエスターンエレクトリック530Aハイフレケンシーユニット
JBL 075トゥイーター
JBLネットワーク
ウエスターン・エレクトリック594Aハイフレケンシーユニット
マッキントッシュMC275パワーアンプ
ビクターCF200チャンネルフィルター
マランツ7プリアンプ
JOBOターンテーブル
SME3012トーンアーム
シュアーカートリッジ
これが一つ目のシステムで、594Aに関しては図では一本だけなので、
モノーラル専用だったと思われる。
二つ目のシステムは下記のとおり。
ウエストレックス2090Gハイフレケンシーユニット
ウエストレックス2080Fウーファー
マランツ8Bパワーアンプ
EMTイコライザー
EMT930stプレーヤー
「世界のステレオ」の記事にはブロックダイアグラムはない。
スピーカーは、ヴァイタヴォックスのCN191がある。
しかもこのCN191は、日本に輸入されていたモデルとは、ホーンを蔽うカバー部の細工が違っている。
本文によれば、ヨーロッパ仕様とのこと。
それからQUADのESLがあり、その中央にウェスターン・エレクトリックの757Aが、
一本だけ置いてある。
ESLの前には、その757Aを模したと思われるスピーカーが二基。
ホーンはJBLの2397が使われていることだけは写真からわかる。
ESLの後方の壁上部にはホーンの開口部がある。
コンクリートホーンの開口部なのだが、
一般的なコンクリートホーンとは違い、左右の開口部の中央に、
パラゴンを思わせる大きく湾曲したパネルがある。
この開口部の前に、ウェスターン・エレクトリックの594Aを、
JBLのHL90に装着した中高域ユニットがある。
HL90のスラントプレートは、一般的な使い方と上下逆に向いている。
トゥイーターはJBLの2405が594Aの上に取りつけられている。
2405は、ここだけではなく、
「オーディオ巡礼」でのシステムのT530Aの上にも使われている。
「オーディオ巡礼」のブロックダイアグラムをみればわかるが、
T530Aのホーンには、T550Aが組み合わされている。
T530A+T550Aは、JBLの375+537-500である。
「オーディオ巡礼」の時点ではトゥイーターは075だったのが、
六年後の「世界のステレオ」では2405になっているのは、興味深いところだ。