Date: 4月 20th, 2021
Cate: 「本」
Tags:

オーディオの「本」(近所の書店にて・その11)

無線と実験の、書店での扱いが気になるのは、
別項「日本のオーディオ・これから」と多少なりとも関係してくるからである。

ラジオ技術が書店で取り扱われなくてってけっこう経つ。
思い出したかのようにトランジスタ技術が、特集でオーディオ関係をやるけれど、
いま書店で手にすることのできるオーディオ雑誌で、自作記事が載っているのは、
基本的に無線と実験だけになってしまった。

私が中学生のころは、自作記事が載っているオーディオ雑誌は、いくつもあった。
それがひとつ消え、またひとつ消え、
無線と実験だけが毎号自作記事を載せるだけになってしまった。

オーディオマニアでも、無線と実験にまったく興味、関心をもたない人がいるのは知っている。
自作に関心がない人もけっこう多いし、
オーディオ雑誌はステレオサウンドだけあればいい、という人も、けっこう多いことだろう。

オーディオに興味をもちはじめたばかりの10代の少年が、
書店の音楽・オーディオコーナーで、無線と実験を見つける。
こんな世界もあるのか、と思う少年もいれば、そうでもない少年もいる。

前者の少年のなかのどのくらいがじっさいに 自作をするようになるのかはなんともいえない。
けれど、自作に少なからぬ興味をもっていることは確かだろうし、
積極的に自作に挑戦していく少年も、きっといる。

そういう少年の、これまたどのくらいの割合なのかはなんともいえないが、
オーディオメーカーの技術者をめざしていき、
実際に技術者になった人も、以前ならばきっといたはずだ。

無線と実験は、あとどのくらい続いていくのだろうか。
意外と早くおわりが訪れるのかもしれないし、
しぶとくねばっていく可能性もある。

それでも、いつの日か、無線と実験も消えてなくなるであろう。
そうなったとき、かわりのオーディオ雑誌があるだろうか。
自作記事を毎号載せるオーディオ雑誌が、なにかあるだろうか。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]