オーディオにおけるジャーナリズム(その2から十五年)
2009年1月の(その2)で、羽織ゴロという表現を使った。
それから十五年。
もうそろそろ新しいステレオサウンドが書店に並ぶが、
ひとつ前の229号、その73ページに掲載されている写真を見ていて、
羽織ゴロだな、と思っていた。
誰のことなのか名指しはしない。
私と同じように感じた人もいる。
それはごく少数なのかもしれないが、
昨春、225号をめくっていた一人の女性が、指さしして、
奇妙なものを見つけたみたいな笑いをしていた。
ステレオサウンド・グランプリの選考委員の集合写真である。
笑っていたのは、ポーランドの女性だった。
ほんとうに奇妙な写真に見えたようだった。
そうだろう、と感じるのが、当り前ではないのか。
あえてそう言おう。
なぜ、あのような写真を掲載するのか。
正直、理解できない。
オーディオ業界という狭い社会に向けてのものなのだろうが、
オーディオに関心がない人からすれば……。
そこに気づかないだけならばまだよい。
けれど羽織ゴロっぷりに磨きがかかってきたな、と思わせる写真を、
どうして載せるのだろうか。
あの写真一枚しか撮らなかったわけでもないだろう。
数カット、もっと撮っているのかもしれない。
昔と違い、いまはデジタルカメラなのだから、
フィルム代(枚数)を気にすることなく撮れる。
それで、あの一枚を選ぶのか。