Date: 7月 4th, 2025
Cate: 真空管アンプ
Tags:

真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その22)

前回、KT88のラインナップとして、
Preludio、Sinfonia、Performance、Sinfonia Anniversary、Performance Anniversaryがあると書いたが、
ユニゾンリサーチから出荷される状態でKT88なのは、
Sinfonia AnniversaryとPerformance Anniversaryである。

Preludio、Sinfonia、Performanceの出力管は6550で、出力は14W、25W、45Wと、
出力管の本数に比例して増えていく。

KT88のSinfonia Anniversaryは29W、
Performance Anniversaryは48W。

6550とKT88は互換性があるから、自分で差し替えができる。

小音量でしか聴かないから大きな出力は、自分には必要ない、という人がいる。
本当に、そう言い切れるのか、と、この手に発言に出くわすといつも思う。

100dB以上の高能率のスピーカーシステムならば納得できなくもないが、
さほど高くない変換効率のスピーカーで、この発言をされていると、どれだけの小音量なのか、と思う。

音場再現という点では、クォリティが同じであれば、出力は大きい方が有利と言える。

オペラを聴くとよくわかるのだが、歌手が一人で静かに歌っているところではよくても、
クライマックスで合唱が加わり、オーケストラも総奏でフォルテッシモになると、
それまで気持ちよく音が広がっていたのが、出力の足りないアンプだと途端に音場が崩れてしまう。

このことはピアノでも言えることだ。
ピアニッシモでは目の前に鍵盤がきれいに並んでいるように感じられたのが、
ここぞというところでは、鍵盤が崩れてしまう。

このことに全く無関心、無感度ならば出力の大きなアンプは不要と言い切れても、
そうでない人ならば、スピーカーの変換効率に応じてある程度の出力は必要となる。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]