名器、その解釈(JBL 4343の場合・その1)
先月のaudio wednesdayでのJBL 4343の音を聴き終ってからも、
あれこれ考えることがある。
ソーシャルメディアを眺めていると、
このスピーカー(アンプ)は名器だ、という投稿が、よくある。
こちらからすると、それもあれも名器? といった感じだしないし、
名器も安っぽくなってしまった、としか言いようがない。
愛用するオーディオ機器は名器と呼ばれるモノであってほしいのか。
そんなことも思ったりする。
ステレオサウンド 50号では、
「栄光のコンポーネントに贈るステート・オブ・ジ・アート賞」をやっている。
旧製品のステート・オブ・ジ・アート賞である。
この企画で取り上げられている機器は、
確かに名器といえるものばかりだ。
この50号を高校生の時に読んでいるのだから、
名器の基準ともなっている。
こういうモノが名器だ、と素直に思える。
そういう私からすると、いまの名器の使われ方は、
ただただ安っぽい。
こういうことを書くと、趣味の世界なのだから、
好き勝手でいいじゃないか、という人がいる。
逆ではないのか。
趣味の世界だからこそ──、と私は言いたいわけだが、
本題は、では4343は名器なのか、と問われれば、
多くの人は、名器というだろう。
でも私にとってはちょっと違う。
優れたスピーカーだと思っているし、
オーディオ機器として一流品とも思う。
そしてなによりも、いまでも欲しい。
それでも名器なのか、と問われれば、
少し違う、というのが私の本音だ。