ウーファーの条件(その3)
いまどきのスピーカーの出力音圧レベルがあたりまえになっている人は、
スピーカーの変換効率はどのくらいなのか、わかっているのだろうか。
スピーカーの変換効率は、相当に低い。
93dB/W/mで1%の変換効率でしかない。
いまでは90dB以上のスピーカーは高能率と言われたりするが、93dBといえば、JBLの4343がそうだった。
15インチ口径のウーファー、10インチ口径のミッドバス、ホーン型のミッドハイとトゥイーターという構成で、
フロアー型だった4343は、ブックシェルフ型並の出力音圧レベルと言われたりした。
四十年ほど前は93dB/W/mは高能率ではなかった。
変換効率が1%ということは、アンプからの信号の99%は音に変換されず熱になっている。
その熱が音に影響しないのであれば、こんなことを書いてはいない。
アコースティックエナジーのAE2のエキスパンドされたかのような音を思い出すと、4343でも音の伸びをあるレベルから抑えられていたのだろう。
熱対策を十分に行っているスピーカー、つまりAE2の音の伸びこそ、本来の鳴り方なのかもしれない。