ウーファーの条件(その1)
一週間ほど前に知ったのだが、アコースティックエナジーから、AE1 40th Anniversary Editionが出ている。
型番からわかるようにAE1の40周年記念モデルだが、だからといって限定モデルでもなさそう。
アコースティックエナジーのスピーカーを聴いたのは、別項でも触れているように早瀬文雄(舘 一男)さんのリスニングルームだった。
とにかく広い空間だった。床面積も天井高も、一般的なサイズではなかった。
そういう空間にポツンと置かれていたAE2。AE1と同じスピーカーユニット使用だが、
型番からもわかるようにダブルウーファー仕様。
小型スピーカーとはいえ、それまでの小型スピーカーとは顔つきが明らかに違っていた。
ロジャースのLS3/5Aとは時代がかなり離れているから当然としても、
セレッションのSL600、SL700といった近い時代の小型スピーカーとも、ずいぶん違う。
出てきた音もそうだった。欲しいとは思わなかったが、凄いスピーカーが登場してきたものだ、という驚きは強かった。
とにかく音がのびる。バスレフポートからの風圧が顔に感じられるほど音量を上げても、余裕があるどころか、エキスパンドされたかのようにすら聴こえた。
同じことを井上先生が、ステレオサウンド 95号に書かれている。
《音量が上がるに従って、加速度的に音のエッジがクリアーになり、一種のダイナミックエキスパンダーのような力強い音に変るのが、このシステムの音のキャラクターである。》
ダブルウーファーとはいえ、ユニット口径は9cm。
にも関わらず、まさしくそういう音がAE2から鳴ってくる。