管球王国の休刊(その6)
管球王国が10月発売の号で休刊となった。
タムラが管球式アンプ用のトランスの製造をやめることが発表されている。
秋葉原の万世書房も、年内で閉店する。
これらのことは偶然重なっているだけなのだろうが、
これからの日本のオーディオの行く末を暗示しているように捉えることもできなくはない。
だから暗澹たる思いになってしまう人がいてもおかしくない。
けれど、こうなることはずっと以前から予想できていたことだ。
管球王国は、この中でも顕著だった。
以前書いているように創刊当時の編集方針は劣化していった。
実名は出さないが、メインの書き手の一人の、管球王国周辺の癒着(そう言っていいと思っている)は、
誌面からも伝わってくるほどだった。
それを隠そうともしていなかった。読者をバカにしていたのか、と思うほどだ。
真空管アンプ作りが好きな友人からも、あの人の癒着ぶりはすごいですね……、と言われたことがある。
彼はそれほど熱心に読んでいなったはずなのに、誌面からそのことを感じとっていた。
それを長年継続してきた。
管球王国という雑誌を楽しみにしていた人たちは、このことをどう思っていたのか。
癒着ぶりを全く感じてなったのか。だとしたら、オメデタイとしか言いようがない。
気づいていたとしたら、なぜ、問題視しなかったのか。管球王国の編集部に、なんらかのアクションを起こそうとしなかったのか。