この空間から……(その1)
ヴァイオリンの内部は、これまでにも写真や図で知っていた。
ただ、それらはすべて製作途中で撮ったものだったり、内部を撮るために一部解体されたものであって、
ヴァイオリンという楽器の内部とは必ずしもいえないところがあった。
だから、気がつかなかった……、という言い訳ができるわけではないが、
ほんとうのヴァイオリンの内部がこんなにも美しい空間であることを、つい2日前に知った。
ここでの内部は、完全な楽器としてのヴァイオリンの内部である。
月曜日にtwitterを見ていて、知った。
ベルリンフィルハーモニー室内楽オーケストラのキャンペーンのポスターである。
リンク先に表示される写真を見たら、誰しも、息をのむはず。
f字孔からの差し込む光が神秘的にも思えて、なにか、この空間は祈りを捧げる場のような気さえしてくる。
ここがリスニングルームだったら、と思ってしまう。
そして、音楽となる音は、この空間だから生れてくるものだとも思える。
オーディオマニアとして、やはり思ってしまう。
スピーカーシステムの内部は、空間と呼べるものだろうか、
そこに美があるだろうか、と。
スピーカーから発せられる音は、音楽となっていく音でなければならない。
ただ単に音でしかない音を発するものであってはならないはずだ。
スピーカー・エンクロージュアの内部をこういうふうにしただけで、
音楽となる音が即出てくるわけではないことは充分すぎるほど承知している。
それでも、あえて、いくつか言いたいこと、書きたいことがいくつも出てくる。