Date: 3月 14th, 2012
Cate: iPod
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「ラジカセのデザイン!」(続々・余談)

スピーカーシステムについているレベルコントロールには、
ほとんどの機種で周波数特性がフラットになるポジションがはっきりしている。
そのポジションを0と表記しているものもあれば、FLATとしているものもある。

JBL・4411のレベルコントロールは連続可変式で、
目盛りは0から10までふってある。
この目盛りには2つの印がつけられている。
短い直線と白い点が、スコーカー用のレベルコントロールでは5と8のところに、
トゥイーター用レベルコントロールでは7と10のところについている。

4411のレベルコントロールに、ふたつの印があるのは、
軸上周波数特性がフラットなポジション(短い直線)と
エネルギーレスポンスがフラットなポジション(白い点)を明示しているからである。

4400シリーズは、JBLのスタジオモニターシリーズではありながらも、
4300シリーズとは設計コンセプトが異る。
そのことを形の上ではっきりと提示したのが、4430と4435であった。
4300シリーズが4350から始まった4ウェイが、4341(4340)、4343、4345、4344と続き、
日本では4300シリーズ・イコール・4ウェイというイメージすら定着しつつあったところに、
2ウェイであることを特徴とした4400シリーズの登場は、正直驚きであった。

古典的な(ともいえる)モニタースピーカーは、
音像定位の確かさを重視して同軸型2ウェイが主流であった。
アルテックの604やタンノイのデュアルコンセントリックがその代表であるわけだが、
その古典的スタジオモニターを、最新の技術でJBLがリファインしたといえるのが4400シリーズである。

4400シリーズは、特異な形状のバイラジラルホーンの採用により、
水平方向、上下方向の指向特性を広帯域にわたって乱れを少なくし、そのパターンを一定化・安定化している。
そしてクロスオーバー周波数(1kHz)付近でウーファーとの指向特性と近似させている。

こんな説明もいらないくらい、4430、4435は4300シリーズとははっきりと違うスタイルをもっていたのに対し、
4411は横置きのブックシェルフ型ということ以外に、外観的にこのスピーカーシステムが4300シリーズではなく
4400シリーズのひとつであることを特徴づけているのは、実のところレベルコントロールといえよう。
それに、このレベルコントロールも、
本棚に収めるスピーカーシステムとして4411を選択した理由の、大きなひとつである。

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